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2013年4月12日金曜日

「バークレー白熱教室」が面白い!-UCバークレーの物理学者による高校生にもわかるリベラルアーツ教育としてのエネルギー問題入門




「バークレー白熱教室」が面白い! アメリカ西海岸の名門大学 UCバークレーの物理学者が語る、高校生にもわかるエネルギー問題入門である。

政治哲学者のマイケル・サンデルの授業の爆発的ブームによってシリーズ化したNHK・Eテレの「白熱教室」も、スタンフォードやコロンビアといった有名大学につづいてバークレーの出番となった。

UCバークレーは、正式にはカリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkley)という。日本ではむかしから有名な UCLA(ロサンゼルス校)など多数あるUCの本部がバークレーである。

サンフランシスコから都市交通の バート(BART: Bay Area Rapid Transit) で一本のバークレーもまた日系移民が多かった場所で、日系移民たちは「麦嶺」と表記していたことを現地で知った。だが、発音はバークレーというよりもバークリーといったほうが原音に近い。

夏でも霧がかかって肌寒いサンフランシスコはすぐ近くであるのにかかわらず、バークレーのキャンパスは陽光のあふれるいかにもカリフォルニア的なキャンパスである。

UCバークレーについては、「バークレー白熱教室」のウェブサイトから引用しておこう。

アメリカ屈指の名門校、カリフォルニア大学・バークレー校。創立は1868年10校あるカリフォルニア大の系列でここが本校、最も古い歴史を誇る。サンフランシスコのベイエリアを臨む、4.8平方キロメートルという東大の4倍を超える巨大なキャンパスで、3万6千人が学んでいる。 

創立の1868年は明治元年である。東海岸からはじまった領土拡張の動きが西海岸に達してからその地に大学が設立されることになった。UCはいずれも州立大学である。

じつは、1990年の7月から8月まであしかけ二カ月、わたしは英語の勉強のためバークレーのキャンパスに滞在していた。このことはまたのちほど触れることとしよう。

「バークレー白熱教室」についての説明をおなじく番組のウェブサイトから引用しておこう。(太字ゴチックは引用者=わたし)

ここで学生の投票でベスト講義に選ばれたのが、リチャード・ムラー教授の物理学の講義。今回、ムラー教授は、番組のために「大統領を目指す君のためのサイエンス」というコンセプトで特別講義を行った。大統領ならエネルギー、原子力、地球温暖化、テロなどあらゆる危機に瞬時に判断を下さねばならない、そのために必要な知識、考え方をレクチャーしていく。

ムラー教授は、「物理は法の原理より先にくる」をモットーとしている。どれほど強い軍隊の最高司令官であろうと大統領であろうと、物理の法則には従うしかない。それが、この地球を動かすルールなのだから。 5回の講義は、今世界にとって最も切実な問題である、「エネルギー」を中心テーマに据える。これまでの思い込みがサイエンスベースに覆される知的快感にあふれた、5回に渡る特別講義である。

毎週金曜日23時から。全5回のタイトルは以下のとおり。

第1回 エネルギー 君なら何を選ぶ?(2013年4月5日)
第2回 クリーンエネルギーを検証する(2013年4月12日)
第3回 地球温暖化の真実(2013年4月19日
第4回 原子力を知る(2013年4月26日
第5回 エネルギーの未来 大統領に提言せよ(2013年5月3日)


第1回の授業から見始めたが、内容がいま日本でも関心の高いエネルギー問題であるというだけではない。物理学者であるため物理の重要性を解いているだけでなく、説明のためにはあえて厳密さは犠牲にして数式をつかわず簡単な、見える化によるわかりやすい説明を一貫している。

もちろん、いままでの「白熱教室」と同様、学生たちとのインタラクティブな授業であることは言うまでもない。学部の文系学生向けのリベラルアーツの授業であるからだ。内容的には高校生でも十分に理解できるはずだ。

授業の中身とは直接は関係ないが、階段型教室であることはさておき、いまだに黒板にチョーク(!)というスタイルが妙に印象に残ったのであった。ホワイトボードに専用マジックというスタイルではないのが、むかしながらの授業のようでなんだか不思議な感じがした。

授業のなかで何度も日本や福島の原発事故に言及されるのは、これがNHK制作のオリジナル番組であるためだろう。

今夜(4月12日)から、いよいよエネルギー問題のホットイシューに入っていくので楽しみである。物理学の立場から、マスコミなどで流通している通説にも容赦なく切り込んでいくことだろう。

アメリカ流のリベラルアーツの授業がどんなものであるか知るにはいい実例だと思う。これが現代世界を生きていくうえでほんとうに必要な「教養」である。いわゆる「教養主義」とは縁もゆかりもないものだ。

(第5回放送から シェールガス開発技術の功罪についてディスカッション)


講師プロフィールを番組のウェブサイトから引用しておこう。

リチャード・ムラー教授(Professor Richard Muller)カリフォルニア大学バークレー校物理学教授。コロンビア大学を経て、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得。1982年、「天才賞」と呼ばれるマッカーサー・フェロー賞受賞。長年にわたり、原子力、エネルギー、粒子宇宙物理学の分野でアメリカ政府関係や NASA などの科学顧問を務めている。地球温暖化の証拠の見直し、全地球の温度を100年以上にわたり検証したプロジェクト「バークレーアース」の創設者。文化系学生を対象にした物理学の講義「PHYSICS FOR FUTURE PRESIDENTS」は学生の年間投票によってバークレー校のベスト講義に選ばれている。この講義をもとにした著書は、『今この世界を生きているあなたのためのサイエンスⅠ、Ⅱ』として邦訳されている。ほか邦訳に、『サイエンス入門Ⅰ、Ⅱ』『エネルギー問題入門-カリフォルニア大学バークレー校特別講義-』(いずれも楽工社刊)。









1990年のUCバークレーのキャンパス

先にも書いたが、わたしは1990年にUCバークレーのサマー・エクステンションでビジネス英語の講座に参加した。

同じ年の秋から東海岸のレンセラー工科大学(RPI)で始まるMBAの授業のため、まずは語学学校で英語を学ぶことが会社から認められていたので、せっかくだから西海岸の名門校で学んでみることにしたわけだ。

もう20年以上キャンパスは訪れていないが、「バークレー白熱教室」のキャンパス紹介の画像から見る限り、基本的には変わっていないようだ。

1960年代後半のベトナム戦争時代、Freedom of Speech 発祥の地として知られるUCバークレーリベラルな校風は現在でも変わらないようだ。わたしより上の世代であれば、映画『いちご白書』のロケ地といえばピンとくるはずだ。



だが、いまのようなデジカメやスマホ時代とは違って、1990年当時のバークレーキャンパスの写真を撮影していなかったのは残念なことだ。周辺にエクスカーションにいった際の写真は残っているが、現像を前提の撮影ではどうしても撮影枚数にブレーキがかかってしまうもの。

たまたま手元にUCバークレーのゲストハウス(学生寮)のパンフレットが残っていたのでスキャンして掲載しておこう。なんとなく雰囲気がつかめるのではないかと思う。

1990年当時のバークレーは、映画 『卒業』そのものであった。ダスティン・ホフマン主演の映画である。恋人役のキャサリン・ロスが学んでいたのがバークレーであった。映画の主題歌はサイモン&ガーファンクルのミセス・ロビンソンその他の名曲ぞろい。



わたしがバークレーに到着してから数日、イラクがクウェートに侵攻したというニュースが入った。その後、本格的な勉強を始めた東海岸のレンセラー工科大学からは軍籍をもつ学生が何人も湾岸戦争に出征していた。

リベラルな校風のバークレーはどうだったのだろうか。当時はまったく考えもしなかったが、いまこの文章を書きながらふと思い出した。



<関連サイト>

「バークレー白熱教室」 公式ウェブサイト (NHK・Eテレ)

The Strawberry Statement Trailer (『いちご白書』(1970年)トレーラー)

The Graduate Trailer (『卒業』(1967年)トレーラー)
・・DVDだとチャプター8から9までバークレーのキャンパスが舞台。学生運動がさかんだった当時の時代背景のなかでノンポリであった主人公




(1990年のバークレー:左がBARTのカード、右は学生寮のミールカード)



<ブログ内関連記事>

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コロンビア大学ビジネススクールの心理学者シーナ・アイエンガー教授の「白熱教室」(NHK・Eテレ)が始まりました


慶応大学ビジネススクール 高木晴夫教授の「白熱教室」(NHK・ETV)

ビジネスパーソンにもぜひ視聴することをすすめたい、国際基督教大学(ICU)毛利勝彦教授の「白熱教室JAPAN」(NHK・ETV)

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・・小国フィンランドのエネルギー問題

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(2014年8月30日 情報追加)



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