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2013年6月15日土曜日

「岡本太郎のシャーマニズム」展にいってきた(2013年6月15日)-エリアーデの『シャーマニズム』が岡本太郎に与えた影響の大きさを知る企画展


「岡本太郎のシャーマニズム」展にいってきた。

岡本太郎、しかもシャーマンなんてテーマ設定したら、それこそ狂喜乱舞して爆発というイメージを喚起するのないか!

今回の企画展の案内文がまたそれをさらにそそる。

「あるとき、突如彼はシャーマンになる。」岡本は1950年代初めころよりシャーマニズムへの関心を示し始める。今展覧会では、岡本太郎が作品に込めた意図を解明する手がかりとして、岡本の興味をシャーマニズムへと向かわせたと考えられる、ルーマニア出身の宗教学者ミルチャ・エリアーデの著作『シャーマニズム-古代的エクスタシーの技法』(1951)等に着目し、1940年代から晩年までの岡本作品の意図解明を試みる。

「あるとき、突如彼はシャーマンになる。」というのは、岡本敏子さんの発言らしい。

戦前はパリでマルセル・モースに師事して民族学(エスノロジー)を研究し、みずからの素養としてたことは比較的知られるようになってきたといいだろう。

そもそも1970年の大阪万博に企画段階から参加していたのは、芸術家としてシンボル塔の発想にかかわっていただけではなく、民族学者の梅棹忠夫からつよく請われたためでもあるらしい。

フランスで学問を修めた岡本太郎は、戦後は宗教学者のミルチャ・エリアーデの諸著作をフランス語で読み込んでいたことが、今回の企画展で強調されている。2010年の「生誕100年 人間・岡本太郎 展・前期」(川崎市岡本太郎美術館) で、岡本太郎の蔵書の一部が展示されていたふが、そのなかにエリアーデの著作を発見したわたしはなるほど!と思ったものだった。

われわれが思っている以上に、岡本太郎はフランスの民族学や宗教学の影響を受けているようなのだ。この点についての研究がいま進んでいるらしい。その成果を反映したのが今回の企画展だ。

今回の企画展はシャーマニズム。ほんとうはシャマニズムと表記したほうがいい。なぜなら、シャーマンだと英語のように聞こえるが、シャマンは満州語が起源のようだからだ。



企画展 「岡本太郎のシャーマニズム」展について

川崎市の岡本太郎美術館は2年ぶりに訪問したが、向ケ丘遊園駅南口からあるいて20分弱の生田緑地のなかにある。

企画展は常設展示のスペースを通り抜けることになるが、いつきても岡本太郎の作品を目の前にすると、不思議にパワーがチャージされるのを感じる。岡本太郎ほど日本の枠の外に出ながら、日本人を元気にしてくれる存在はない。

常設展から企画展に移動する途中の回廊には、岡本太郎とマルセル・モースの民族学との関係も説明されているので(・・これは常設展示)、はじめての人はじっくりみておいたほうがいい。

企画展は、具体的な絵画作品や彫刻、それに岡本太郎が日本全国をフィールドワークして撮影した写真の展示に、岡本太郎が読み線引きしているエリアーデの引用を解説として加えたもの。シャマニズム関連の映像作品の上映もある。

日本のシャマンといえば、沖縄のノロや恐山のイタコなどがそれに該当する。東北のオシラサマもまた、シャマンの儀礼に使用されるものだ。これは岡本太郎の写真作品ろして見ることができる。

エリアーデに先行する宗教学者たちへの言及も親切である。

たとえば、『聖なるもの』で宗教体験の本質を「ヌミノーゼ」という概念で説明したドイツの宗教学者ルドルフ・オットーはきわめて重要だ。さらにいえば、『金枝篇』(The Golden Bough)のフレーザーもそれに加えるべきだろう。

マルセル・モースの叔父である社会学者エミール・デュルケムや、戦前のパリ時代には盟友であったジョルジュ・バタイユなども、岡本太郎の芸術思想を作り上げる上で多大の影響があったようだ。

エリアーデの『シャーマニズム』の副題は「古代的エクスタシーの技法」となっているが、ここでいう「エクスタシー」とは「忘我(状態)」のことを意味している。シャマンにおいては、霊魂が離脱して飛翔した状態をさしている。

(垂直に上方に伸びる生田緑地のメタセコイア 岡本美術館につづく道にある)


絵画作品にみられるのがシャマンの飛翔というテーマ天上への垂直方向への飛翔である。これはエリアーデがとくに取り上げている北方アジアに共通するものである。エリアーデ宗教学の主要テーマである「世界樹」(axis mundi)にも反映されている。

今回の展示では、なんといっても彫刻作品が圧倒的だ。

有名な「ノン」(否)というおちゃめな怪物のような彫刻もいいし、いっけんすると猛牛のような印象を受ける「樹霊」という作品の存在感はじつに圧倒的。樹木の霊(スピリット)を形象化したこの作品は、フレーザーの『金枝篇』にインスパイアされたらしい。じつは美術館のカフェテリアに面した池に設置されている作品と同じであった。

(岡本太郎 「樹霊」)

個々の作品の背後にある岡本太郎の思想現代人にとっての魂の叫びとしての宗教について考え、体感することのできる展示である。人間の根源にあるものについて、つねに思索をつづけ、それを芸術作品としてアウトプットしてきたのが岡本太郎である。

すでに近代は終わり、近代合理主義を相対的にみることができるようになっているからこそ、若い人たちを中心に岡本太郎は圧倒的な人気をもっているのだと思う。その意味では岡本太郎は時代の先駆者であり、こんごもまだまだ大きな影響を与えていく存在であることは間違いない。

岡本太郎好きなら、やや学術的な色彩がつよいという印象を受けるかもしれないが、かならずいくべきだといっておきたい。







<関連サイト>

「岡本太郎のシャーマニズム」展(2013年4月20日(土)~7月7日(日))

川崎市岡本太郎美術館 公式サイト


<ブログ内関連記事>

「生誕100年 人間・岡本太郎 展・前期」(川崎市岡本太郎美術館) にいってきた (2011年6月)

「生誕100年 岡本太郎展」 最終日(2011年5月8日)に駆け込みでいってきた

書評 『日本人は爆発しなければならない-復刻増補 日本列島文化論-』(対話 岡本太郎・泉 靖一、ミュゼ、2000)
・・この本の表紙は「縄文人の彫刻」であある

書評 『ピカソ [ピカソ講義]』(岡本太郎/宗 左近、ちくま学芸文庫、2009 原著 1980)

本の紹介 『アトリエの巨匠に会いに行く-ダリ、ミロ、シャガール・・・』(南川三治郎、朝日新書、2009)

マンガ 『20世紀少年』(浦沢直樹、小学館、2000~2007) 全22巻を一気読み・・大阪万博の太陽の塔を見ることのできた少年たち、見ることのできなかった少年たち

「メキシコ20世紀絵画展」(世田谷美術館)にいってみた
・・パブリック・アートとしてのメキシコの「壁画運動」。岡本太郎もその影響を大きく受けており実作もしている。メキシコで発見され里帰りした壁画は、2008年以降は渋谷駅に展示され、有るべき姿でよみがえった

「宗教と経済の関係」についての入門書でもある 『金融恐慌とユダヤ・キリスト教』(島田裕巳、文春新書、2009) を読む
・・宗教学者エリアーデの『聖と俗』について、ややくわしく言及してある

書評 『井筒俊彦-叡知の哲学-』(若松英輔、慶應義塾大学出版会、2011)-魂の哲学者・井筒俊彦の全体像に迫るはじめての本格的評伝
・・エリアーデとも接点のある哲学者

「ルドルフ・シュタイナー展 天使の国」(ワタリウム美術館)にいってきた(2014年4月10日)-「黒板絵」と「建築」に表現された「思考するアート」

(2014年6月14日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)





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