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2013年6月4日火曜日

「人間尊重」という理念、そして「士魂商才」-"民族系" 石油会社・出光興産の創業者・出光佐三という日本人



「2013年本屋大賞」は 『海賊とよばれた男』百田尚樹著(講談社) に決定いたしました!」、そうですね。「本屋大賞」とは、出版社ではなく、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」のことです。

わたしはこの小説は読んでませんが、主人公のモデルとなった出光佐三(いでみつ・さぞう)は大好きです。まさに「海賊」のような起業家、「反骨」と「独立」、しかもつねに日本のためを意識して行動してきた経営者であり、しかも美術への造詣も深い一級の人物であったというべきでしょう。

出光佐三といえば出光興産。いわゆる 「民族系」 石油元売り会社です。なぜ「民族系」という表現が冠となっているかというと、日本の石油産業は外資比率が飛びぬけて高い業界だからなのです。

エッソとモービル、そしてぜネラル石油が米国メジャーのエクソンモービル系、昭和シェル石油は英蘭系メジャーのロイヤルダッチシェル(・・シェルはもともと横浜が発祥の地です)。

外資系だけで石油製品の国内販売シェアの約3~4割を占めています。石油業界というのは、こういう業界なのです。

そのなかでも出光興産は、まさに名実ともにふさわしい 「民族系」というべき会社でしょう。知る人ぞ知るといったところでしょうが。

また、wiki の出光佐三の項目には、以下の記述があります。

皇室を崇敬することが極めて篤く、死去したおりに昭和天皇が次の歌を残した。「出光佐三逝く 三月七日  国のため ひとよつらぬき 尽くしたる きみまた去りぬ さびしと思ふ」 

この昭和天皇御製は昭和53年(1988年)のものです。出光興産の公式ウェブサイトには、出光佐三の「日本人にかえれ」という発言が紹介されています。

その昔、石油業界の仕事はかなりやっておりましたので、こういう業界事情にはやや詳しいわけでありあります。むかしとった杵柄ということですね。

ちなみに、わたしの父は神戸大学の出身ですが、はるかむかしの卒業式の祝辞で神戸大学(・・かつての神戸高商)OBの出光佐三がスピーチをしたことを聞きました。そのときに出光佐三がクチにした 「士魂商才」というフレーズが記憶に残っているのだと。

武士の魂でもって商売せよという意味の「士魂商才」 とは 「和魂洋才」のもじりですね。出光佐三の場合は、それは日本のために尽くすということでありました。

たとえばもっとも有名なのは、石油メージャーをさしおいてイランから原油を調達した「日章丸事件」(昭和28年 1953年)をあげることができるでしょう。出光興産のウェブサイトには以下のように紹介されています。

メジャー支配に挑戦した「日章丸事件」
1953(昭和28)年5月、出光は石油を国有化して英国と抗争中のイランから石油輸入を敢行し、中東産油国との直接取り引きの先駆けとなりました。英国側は積荷の所有権を主張して出光を提訴しましたが、結局、出光側の主張が全面的に認められ、戦勝国を相手に一歩も引かない堂々たる姿勢が日本国民を大いに鼓舞しました。

冒頭に掲載した写真は、貸倉庫から取り出してきた、出光佐三の著書 『人間尊重五十年』(春秋社、1962) と、『人間尊重の事業経営』(出光興産株式会社、1962)。この本は、わたしがまだ20歳代前半、職場の図書館で読みましたが、おおいに感銘を受けたものです。除籍図書として処分されることになったので、わたしが払い下げを受けて所有しているものです。

組織人事からビジネスキャリアを開始したわたしのような人間にとっては、「人間尊重」(!)という経営理念を掲げて経営してきた会社があるということは、じつに驚きであり、かつ、すばらしいと感銘を受けたものでありました。




いまでこそ2006年に株式公開して「普通の会社」になりましたが、かつてはなんと大企業なのに「定年制なし」、「資金調達は借り入れのみ」という、かなり特異な事業経営を行っていた個性的な会社でもありました。

2011年には創業百年、出光興産のウェブサイトには「人間尊重の百年」というスペシャルコンテンツが掲載されています。『人間尊重五十年』が出版されたのは1962年、それからすでに50年も経過しているわけですね。

ぜひこの機会に出光佐三という傑出した日本人について、もっと知ってもらいたいと思う次第です。

そのためには、『海賊とよばれた男』を読むのもいいかもしれませんね。いままで出光佐三のことを知らなかった人には驚きのエピソードの連続でしょう。

日本人ここにあり、というべきですね。






<関連サイト>

「人間尊重の百年」 出光興産ウェブサイト

出光美術館 公式ウェブサイト (東京丸の内、北九州門司港レトロ地区)
・・出光佐三が惚れ込んで収集した仙崖(せんがい)の禅画においては世界一のコレクション。仙崖の禅画は1980年代に流行した「へたうま」の元祖ともいうべき稚気あふれる名品の数々




「統制と闘った反骨の経営者、出光佐三氏の「私の履歴書 復刻版」がスタート」(日経 Biz アカデミー 2014年2月6日)
・・日本経済新聞の名物連載物「私の履歴書」に出光佐三も登場していた!


<ブログ内関連記事>

書評 『渋沢栄一 上下』(鹿島茂、文春文庫、2013 初版単行本 2010)-19世紀フランスというキーワードで "日本資本主義の父" 渋沢栄一を読み解いた評伝
・・「士魂商才」とは日本資本主義の父・渋沢栄一によるフレーズである

NHKスペシャル 「シリーズ JAPANデビュー」 第3回 通商国家の挫折(2009年6月7日)は面白い試み
・・日本にとっても「石油の一滴は血の一滴」(フランス首相クレマンソー)であった

グンゼ株式会社の創業者・波多野鶴吉について-キリスト教の理念によって創業したソーシャル・ビジネスがその原点にあった!
・・グンゼもまた「人間尊重」を理念に掲げた会社

「信仰と商売の両立」の実践-”建築家” ヴォーリズ

書評 『叙情と闘争-辻井喬*堤清二回顧録-』(辻井 喬、中央公論新社、2009)-経営者と詩人のあいだにある"職業と感性の同一性障害とでも指摘すべきズレ"

書評 『ブルー・セーター-引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語-』(ジャクリーン・ノヴォグラッツ、北村陽子訳、英治出版、2010)

書評 『チェンジメーカー-社会起業家が世の中を変える-』(渡邊奈々、日本経済新聞社、2005)

「JICA横浜 海外移住資料館」は、いまだ書かれざる「日本民族史」の一端を知るために絶対に行くべきミュージアムだ!

書評 『日本近代史の総括-日本人とユダヤ人、民族の地政学と精神分析-』(湯浅赳男、新評論、2000)-日本と日本人は近代世界をどう生きてきたか、生きていくべきか?

「白隠展 HAKUIN-禅画に込めたメッセージ-」にいってきた(2013年2月16日) ・・仙崖(せんがい)以上に有名な禅画といえば白隠

(2014年12月9日 情報追加)



(2012年7月3日発売の拙著です)








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