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2015年11月2日月曜日

書評 『中国バブル崩壊』(日本経済新聞社編、日経プレミアシリーズ、2015)-現在進行形の事象を整理するために有用な本


2015年6月の中国株式市場における株価暴落。約3割の下落というのは暴落以外の何者でもない。「バブル崩壊」という表現は誇張でもなんでもない。中国のバブル崩壊は中国国内だけでなく、世界全体に影響を及ぼしていく。

高度成長からすでに低成長に移動した中国経済、それを「新常態」(=ニューノーマル)だと主張する中国共産党だが、「社会主義市場経済」の矛盾はすでに抑えがたい状態になっているというべきだろう。

これまでさんざん中国ビジネスをあおってきた日本経済新聞だが、進行中の現実を前にして『中国バブル崩壊』なるタイトルの本を出版せざるを得なくなったということか。さんざん中国ビジネスを煽ったのにもかかわらず、無反省なエコノミスト(=経済予測屋)たちと同様の無責任ぶりではないか?

だが、まさに現在進行中の事象をアタマのなかで整理するためには、日経記事を再編集した本書は有用であるといえる。煽り記事に煽られるのは読者の側の責任であり、新聞記事や雑誌記事から事実関係を抽出し、自分のアタマで考えて判断を下すのは読者自身の責任である。事実と解釈を区分して把握することが不可欠である。

経済は経済だけでは完結しない。とくに中国のように権威主義政治体制維持のため市場を利用する「国家社会主義」場合、政治経済そして軍事のからみで見なければ、情勢判断を誤ることになる。

本書の目次を一覧すれば、中国経済を政治経済の枠組みのなかで捉える視点を把握することも可能だろう。「中国バブル崩壊」の実態とその影響関係を網羅的に把握することができる。

目 次 

プロローグ-20XX年、中国経済崩壊
第1章 ドキュメント 株安・人民元ショック 
 1 株バブル崩壊
 2 人民元ショック
 3 バブルリレー
 4 広がる余波
第2章 中国のニューノーマル(新常態)
 1 中所得国のわな
 2 進む企業淘汰
 3 変調・中国ビジネス
 4 転換期を迎えた消費市場
 5 強まる社会統制
第3章 強まる大国意識
 1 既存秩序への挑戦
 2 米国とのかけひき
 3 中国膨張、強まる警戒
 4 緊張はらむ日中改善
第4章 中国減速、身構える日本と世界
 1 日中、切れない関係
 2 独仏の中国シフト、相互依存を深める米中
 3 日本の産業界、チャイナプラスワンを模索
 4 中国関連企業への影響
 5「爆買い」依存にリスクあり
 6 成長鈍化と「スーパーサイクル」の終わり
 7 資源国の苦悩 豪州・ブラジル・ロシア
 8 競争力失う台湾・韓国


「プロローグ-20XX年、中国経済崩壊」は、近未来シミュレーション小説のようだ。5ページと短いが、このなかで展開されている「最悪のシナリオ」はアタマのなかにいれておく必要がある。

過去の延長線上に未来を想定することが難しいケースについては、自分にとって望ましいシナリオだけでなく、最悪のシナリオを考慮のなかに入れておくことが必要だ。過度の悲観論は有害だが、希望的観測もまた有害である。

事実を踏まえた上での未来予測のストーリーを想定すること。いわゆるシナリオ・シンキングの重要性はそこにある。ストーリーがある種の解釈であることはいうまでもない。

いずれにせよ、まずは事実関係を確認することが、中国経済にかんしても最低限必要である。





<関連サイト>

Five myths about the Chinese economy :  Predictions of deepening economic woes are plentiful. Here are five arguments against the pessimism. (November 2015 | byJonathan Woetzel, McKinsey Insights)
・・マッキンゼー社の上海オフィス・ディレクターによる 「Rumors drive the volatility on China’s stock exchange, often in anticipation of trading by state entities. The upshot is that the direct impact on the real economy will most likely be some reduction in consumer demand from people who have lost money trading in shares.」(株で損失を出した個人投資家の購買力が低下する程度だろう)という見解は、妥当なものだといえるだろう

(2015年11月13日)


<ブログ内関連記事>

書評 『中国台頭の終焉』(津上俊哉、日経プレミアムシリーズ、2013)-中国における企業経営のリアリティを熟知しているエコノミストによるきわめてまっとうな論

書評 『語られざる中国の結末』(宮家邦彦、PHP新書、2013)-実務家出身の論客が考え抜いた悲観論でも希望的観測でもない複眼的な「ものの見方」

書評 『自由市場の終焉-国家資本主義とどう闘うか-』(イアン・ブレマー、有賀裕子訳、日本経済新聞出版社、2011)-権威主義政治体制維持のため市場を利用する国家資本主義の実態

書評 『誰も書かない中国進出企業の非情なる実態』(青木直人、祥伝社新書、2013)-「中国ビジネス」をただしく報道してこなかった日本の大マスコミの大罪

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い!

「ログブック」をつける-「事実」と「感想」を区分する努力が日本人には必要だ

書評 『裁判官と歴史家』(カルロ・ギンズブルク、上村忠男・堤康徳訳、ちくま学芸文庫、2012)-初期近代の「異端審問」の元史料を読み込んできた歴史家よる比較論
・・すでに過去となった事象の事実関係を究明する歴史家と裁判官の近似性と相違性




(2012年7月3日発売の拙著です)










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