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2014年2月23日日曜日

「ホリスティック」に考える ー「医学」のアナロジーで「全体」を観る視点を身につける


先日のことだが、「漢方」関係の方とお話しする機会があり、「断食」の話で盛り上がったのだが、ふと思い出して20年ぶりに『ホリスティック医学入門-全体的に医学を観る新しい視座- (ビオタ叢書 1) 』(日本ホリスティック医学協会編、柏樹社、1989)という本を引っ張り出してきて、パラパラと読んでみた。

副題に 「全体的に医学を観る新しい視座」とある。なんで医学関係でも医療関係者でもないのにこんな本を読んだのかというと、企業組織は人体のアナロジーで考えると理解しやすいと思っていたから。カネは会社にとって血液(のようなもの)だとかよく言われているが、そのためには「全体」で考えることが重要なのだ。

「全体は部分の集合ではない!」

いまではそうめずらしくもないが、20年前はまだまだ西洋的思考にもとづく「要素還元主義」が当たり前だった。いまでも「全体最適」というコトバは定着したものの、依然として「部分最適」なソリューションが行われていることが多い。

おそらく「診断」そのものに問題があるのだろう。数値だけみてもその関連がわからなければ意味はない。全体をみるといっても、そう簡単にできるものでもない。だが、たんなる「診断技術」の問題でもない「診断」における「視点」の問題である。

表紙には、「なぜ、いま、ホリスティック医学なのか」として、つぎのような文言がならんでいる。

現代医学・東洋医学・心身医学・自然療法など、現行医学の長所と短所を見極め、包括的に統合する全体的な新しい医学-ホリスティック医学の流れや思想から、世界のホリスティック医学事情までを初めて紹介する画期的入門書!

つまり現代医学とオルタナティブ・メディスン(=代替医療)を融合させようという視点だ。それが「ホリスティック」、すなわち「全体」を観る視点である。

表紙のウラには、「ホリステック医学の概念」が5項目でまとめられている。

1. ホリスティック(全的)な健康観に立脚する
2. 自然治癒力を癒しの原点におく
3. 患者がみずから癒し、治療者は援助する
4. さまざまな治療法を総合的に組み合わせる
5. 病への気づきから自己実現

「ホリスティック」の語源とそこからの派生語についても書かれている。

holistic(ホリスティック)という言葉は、ギリシア語の holos(全体)を語源としている。そこから派生した言葉に whole, heal, holy, health・・・などがあり、健康-health-という言葉自体がもともと「全体」に根差している。


もともと大学時代に合気道の修行に専念していたこともあり、この分野には多大な関心があった。

「全体は部分の集合ではない!」 

このコトバの重要性はなんど繰り返しても繰り返し過ぎることはない。「専門」としての「部分」はもちろん大事だが、「全体」として「統合」する視点や教養がないとけない。これができるのは、残念ながら組織においてはトップに限られるそれ以外のメンバーは「俯瞰して視る」という視点を意識的にもたねばならないのだ。

さらにいえば、「部分」そのものが「全体」であるというホロンという考えも視野に入れておきたいところだ。この考えはジャーナリストで思想家のアーサー・ケストラーによるものだが、やや哲学的に過ぎるかもしれない。「ホロン」(holon)とは、全体を意味するホロス(holos) と存在を意味するオン(on)というギリシア語の合成語だ。

1980年代後半には「ホロニック・マネジメント」という形で、「個」と「組織」の難問を解決する思考方法として脚光を浴びたが、その後はあまり耳にすることもなくなって久しい。考え方そのものは興味深いが、実践レベルでの実行が困難なためだろう。

「医学」そのものは専門に勉強しなくても、「医学」のアナロジーでものを見て考えることは、ビジネス関係者にとってもきわめて重要だ。もちろん、ビジネス関係者以外にとってもきわめて重要だ。

あらためてそう思ったので、あえて「ホリスティック」という考えを紹介した次第である。


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