(著者の元に出版社から届いた見本)
2017年5月19日に5年ぶりに新著を出版します。『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017) です。
「ビジネスパーソンの、ビジネスパーソンによる、ビジネスパーソンのための歴史書」というのが本書のコンセプト。タイトルは、「ビジネスパーソンのための」という最後のポイントを強調したものとなっていますが、著者のわたくしは、歴史家でも、予備校教師でも、ジャーナリストでもない、という点を強調しておきたいと思います。あくまでも現役のビジネスパーソンです。
構成と執筆には、まる1年かかりましたが、構想8年。ある意味では、この本はわたしににとってはこの8年間の軌跡であり決算書でもあります。再編集して大幅 に書き直してありますが、2009年から書き始めたこのブログ 『「アタマの引き出し」は生きるチカラだ』 から多くの記事を材料として使用しています。
書き上げた原稿を担当編集者にしたあとの第一報は、「傑作です!」。そんな評価をいただきました。
校正刷りの原稿を受け取りに出版社を訪問した際には、「編集の都合上3回読み返したが、何度読んでもその都度面白い」、と。編集者もある意味では内輪ですから、その評価は多少は割り引いて聞く必要があろうかと思いますが、著者のわたしもまた「この本は面白い!」と思います。自分自身が書いたものでありながら、出版社から送られてきた「見本」をついつい読んでしまいます。
もちろん、判断は読者の皆様におまかせするしかありません。ぜひじっさいに手にとってみていただけますよう。
「目次」や「参考文献」いれたら、500ページ近くもある大著となってしましましたが、印刷された書籍を手にもつとズシリと重い。すごく分厚い本です。 この分厚さで、なんと定価1,836円(消費税含む)! まさにコンペティティブ・プライシングというべきでしょう。お買い得だと思いますよ。
書店店頭に並ぶのは、2017年5月19日の予定です。詳しい書籍内容は、amazon等のネット書籍のサイトなどご覧ください。
ぜひよろしくお願いします!
目 次
序章 なぜ「逆回し」で歴史を見るのか?
第1章 2016年の衝撃-ふたたび英米アングロサクソン主導の「大転換」が始動する
第2章 「現在」の先進国の都市型ライフスタイルは いつできあがったのか?
第3章 「第3次グローバリゼーション」時代とその帰結(21世紀)-冷戦終結後、秩序の解体と崩壊によって混迷が深まる
1 「グローバリゼーション」と「ネーション・ステート」の関係
2 「現在」を地政学の考えで空間的に把握する
3 「時代区分」としての21世紀 冷戦終結後の四半世紀をひとまとめで考える
4 オバマ大統領の8年間を振り返る 米国は「内向き志向」を強めた
5 米国は本当に衰退しているのか?
6 「冷戦構造」の崩壊(1991年)と「ポスト冷戦期」
7 「人工国家・ソ連」の74年間の「実験」
8 日本「高度成長期」の奇跡
9 「1979年」の意味-「サッチャー革命」「イラン革命」「アフガン侵攻」の影響が現在まで続いている
第4章 「パックス・アメリカーナ」 20世紀は「植民地なき覇権」の米国が主導した
1 米国の覇権体制と「パックス・アメリカーナ」
2 「成長の限界」と「持続的成長」の出発点としての1970年代
3 「米ソ冷戦構造」の時代と「アジア太平洋」の時代の始まり
4 「第二次世界大戦」(1939~1945年) 覇権国は英国から米国へと移動した
5 「大恐慌」(1929年)は米国から始まり欧州と日本に飛び火した
6 「第一次世界大戦」(1914年~1919年)で激変した世界 ここから実質的に新しい時代が始まった
7 「第一次世界大戦」……「西欧の没落」の始まりと米ソの台頭1 「ビジネス立国」米国は急成長した
8 「第一次世界大戦」……「西欧の没落」の始まりと米ソの台頭2 ロシア革命でソ連が誕生する
9 「第一次世界大戦」が引き起こした「帝国」の崩壊と「民族自決」
10 「帝国の解体」とイスラエル誕生への道
第5章 「第2次グローバリゼーション」時代と 「パックス・ブリタニカ」 19世紀は「植民地帝国」イギリスが主導した
1 大英帝国が世界を一体化した
2 「交通革命」と「情報通信革命」で地球が劇的に縮小
3 大英帝国内の大規模な人口移動
4 帝国主義国による「中国分割」と「アフリカ分割」
5 英米アングロサクソンの枠組みでつくられた「近代日本」
6 「西欧近代」に「同化」したユダヤ人とロスチャイルド家
7 「産業革命」は人類史における「第二の波」
8 「ナポレオン戦争」が「近代化」を促進した
9 「フランス革命」で「ネーション・ステート」(=民族国家・国民国家)と「ナショナリズム」は「モデル化」された
10 「アメリカ独立」は、なぜ「革命」なのか?
終章 「自分史」を「世界史」に接続する
著者プロフィール
佐藤けんいち(さとう・けんいち)
ケン・マネジメント代表。1962年、京都府に生まれる。一橋大学社会学部・社会理論課程で「歴史学」を専攻、「社会史」研究のパイオニア阿部謹也教授のゼミナールで3年間まなぶ。1985年に、『中世フランスにおけるユダヤ人の経済生活』を提出して卒業。大学卒業後は一貫して民間企業に身を置いてきた。銀行系と広告代理店系のコンサルティングファーム勤務を経て、成長する中小企業では取締役経営企画室長として社長業以外のすべての機能を「ナンバー2」の実務担当者としてカバーした。その間、タイ王国では現地法人を立ち上げて代表をつとめた。2009年に独立して現在にいたる。1992年には米国最古の工科大学であるレンセラー・ポリテクニーク・インスティチュート(RPI)で経営学修士号(MBA)を取得、専攻はマネジメント・オブ・テクノロジー(MOT)。
著書には、『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(こう書房、2012)、同書の中文繁体字版 『一個人的策展年代:串聯社群、你需要雜學資料庫』(世茂出版社、2013)がある。
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