時間の余裕がすこしできたので、自分の専門とは直接は関係のない本を読むことができるのはありがたい。
さっそく読んだのが、『ルポ アフリカに進出する日本の新宗教 増補新版』(上野庸平、ちくま文庫、2024)。 先日でたばかりの本。X(旧 twitter)の投稿で出版されることを知った。入手してすぐに読みたかったのだが、2週間ほどは禁欲(>_<)
「アフリカ」と「日本の新宗教」という、およそ想像外にある異種組み合わせ。読み始めたら、一気読みしたくなる面白さ。好奇心が完全に充たされて、満足感はマックス120%強!
アフリカというと、どうしても中国が積極的に進出という話とか、自称イスラーム国が拡大しているとか、そんな話ばかり耳にすることが多いが、なんと日本の、それも「新宗教」が知らないうちに、じわじわと進出していたという。教団によっては、すでに定着している国もあるというのだから、驚きだ。
目次を紹介しておこう。
第1章 ラエリアン・ムーブメント第2章 幸福の科学第3章 真如苑第4章 崇教真光第5章 統一教会第6章 創価学会文庫版新章 日本に進出するアフリカの新宗教
ラエリアン・ムーブメントはフランス生まれだが、日本人の信者が多いので取り上げられいる。その点は、韓国生まれの統一教会もおなじ。それだけでなく、「文庫版あとがき」によれば、天理教も進出しているという。
著者は、「在外公館派遣員」として、フランス語圏のブルキナファソに長期滞在していたが、好奇心に駆られるように、主にフランス語圏のアフリカ諸国を回っている。その記録が、このノンフィクションである。
新宗教の教団関係者多数に面会しているが、その大半は現地のアフリカ人だ。きっかけや動機はさまざまで、コミットの度合いもさまざまだが、アフリカ人が主体的に取り組んだ結果なのだ。
自分が今後アフリカにいくことはないとは思うが、知らないうちにアフリカのほうから、どんどん日本に近づいているのである。
そんなアフリカについての認識があらたにされるとともに、この本を読んで、自分自身の認識の地平が水平線のかなたまで拡がったような気持ちを抱いている。
とにかく、驚きの内容の一冊。関心をもった人は、読むことを薦めたい。
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