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2025年10月26日日曜日

映画『サガン ― 悲しみよ、こんにちは ―』(2008年、フランス)を DVD ではじめて視聴(2025年10月25日)― 「戦後フランス」の文化を担った作家は、その人生もまた「愛と孤独」を生きた人であった

 


先週視聴した映画『ルルドの泉で』(2009年)で主役を演じていた女優のシルヴィー・テステュが気になって調べてみたら、その前年の『サガン』でも主人公のサガンを演じていたことがわかった。ああ、あの女優か、と。 

この映画は、フランスの作家フランゾワーズ・サガンの伝記映画である。1954年に18歳で書いた『悲しみよ、こんにちは』が世界的ベストセラーになって作家デビュー、戦後フランスを代表する作家の一人となった。




若くして大金が転がり込んできたサガン。もともとブルジョワ家庭の出身とはいえ、金銭感覚をまったく欠いていた彼女は、取り巻き連中にかこまれた浪費人生を送り、みずから運転するクルマの交通事故で瀕死の重傷を負って以来、治療で使用されたモルヒネ系のクスリに依存した薬物中毒となる。




スキャンダルまみれの人生であったが、最後は孤独のうちに69歳でなくなった。 「愛と孤独」のテーマそのものを生きた人であった。 




そんなサガンを演じているシルヴィー・テステュは、容貌や体つきが似ていることもあるが、迫真の演技でサガンになりきっている。さすがフランスの知性派女優ならではといえようか。彼女は、小説や脚本を執筆し映画も監督している。

 


ココ・シャネル、エディット・ピアフなど、フランス文化を世界的なものにすることに貢献した女性たちを描いた伝記映画のなかでも、フランソワーズ・サガンを描いたこの映画は指折りの一本となっている。
  
戦後フランスの一面を描いたこの映画には、アルジェリア戦争、1968年学生革命、ミッテラン政権などの外的事象が実写フィルムで挿入される。サガン自身は政治には無関心であったが、サガンと生きた時代が重なるフランス人にとっては、感慨のあるものではないだろうか。 






1980年代前半、大学の学部時代に第二外国語としてフランス語を選択したわたしは、『悲しみよ、こんにちは』をフランス語原書の "Bonjour, Tristesse" で読みかけたことがある。完読できなかったが、その意味でもフランソワーズ・サガンの名前には親しいものを感じているのだ。 



たとえ、デビュー作で代表作の『悲しみよ、こんにちは』以外は忘却されようとも、フランソワーズ・サガンは記憶されつづけることになるのだろう。この映画もまた、その役割を演じることになることだろう。 


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PS 1954年に18歳でデビューしたフランソワーズ・サガンと、1955年に22歳でデビューした石原慎太郎に共通するもの

ちなみに、石原慎太郎が『太陽の季節』で鮮烈デビューしたのは1955年で22歳のときだった。
 
1954年で18歳でデビューしたフランソワーズ・サガンと比較してみると、「同時代性」という観点から「戦後」という時代を考えるうえで有益であろう。

サガンは政治には無関心であったが、ジャズをはじめとしたアメリカ文化(・・息子をもうけた二番目の夫はアメリカ人であった)と「実存主義」の影響を受けているといわれる。政治家となった石原慎太郎もまた、作家としてフランスの「実存主義」に大きな影響を受けた人である。

「戦後日本」は「戦後フランス」の影響をつよく受けている。哲学や思想、そしてなによりも映画やシャンソンなど芸術文化において。


『サガン』の主演女優シルヴィー・テステュの自伝 Il n'y a pas beaucoup d'étoiles ce soir, 2003



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