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2011年3月2日水曜日

書評 『ウィキリークスの衝撃-世界を揺るがす機密漏洩の正体-』(菅原 出、日経BP社、2011)-「無極性時代のパワー」であるウィキリークスと創始者アサンジは「時代の申し子」だ


「無極性時代のパワー」であるウィキリークスと創始者アサンジは「時代の申し子」だ

 2010年に世界をもっとも揺るがせたパワーといえば、なんといっても「ウィキリークス」であろう。

 米国の軍事外交文書の暴露情報サイトとして世界中に衝撃を与えたウィキリークスは、米国だけでなく「世界の外交にとっての9-11テロ」(イタリア外相)となった大事件を引き起こし、その余波は現在でも止まることなく続いている。

 米国を筆頭にしたウィキリークスに敵意を抱く勢力と、ウィキリークスとのあいだのインターネット戦争は、日本人の多くが知らないところで激しく攻防戦を繰り広げているのである。日本がらみの機密文書はいまだあまり公開されていないだけで、すでにウィキリークスの手にあるのにもかかわらず。

 本書は、このウィキリークスのもつ国際政治に与えたインパクトについて、その意味を日本人が考えるための手引きとして書かれたものだ。「日経ビジネスオンライン」に連載された原稿を一書にまとめたものだが、あらためて通読してみて思うのは、インテリジェンス分析の観点からみても興味深い内容になっていることだ。

 著者は、米国を中心とした外交、安全保障、インテリジェンス研究の専門家だが、本書では、立場によってウィキリークスに対する見方が異なるのは当然という前提のもと、善悪の判断を一方的に下すのではなく、さまざまな角度からなされた分析情報を提供することによって、読者自身が考えるヒントを与えている。

 内容は、ウィキリークスの創始者のジュリアン・アサンジ、そして米軍内部の機密情報を漏洩したイラク駐在のインテリジェンス分析官ブラッドリー・マニングという二人の主要プレイヤーのプロファイリング、結果として大規模な情報漏洩が発生させることとなった「9-11テロ」以降の米国のインテリジェンス・コミニティ内部の「情報共有化」という背景、そしてウィキリークスが暴露した機密情報を使って読み解くイラク戦争・アフガン戦争・中東情勢の背景。
 さらに、「なぜウィキリークスの息の根を止められないのか」というインターネット技術にかんする解説が、背景説明として加えられている。

 米国一極中心の世界が終わったのは、米国のパワーが衰えたからというよりも、ウィキリークスもその一つである、インターネット時代の「非国家アクター」の存在が急速に増大化し、拡散しつつあるからだ。その結果、米国もそのアクターの一つにしか過ぎない存在となってしまったのである。いわば「何でもあり」の時代に突入した現在、旧来の国家観にもとづいた国際政治学が急速に説得力を失っているのも当然であろう。

 「無極性時代のパワー」であるウィキリークスは「時代の申し子」である。いまだ公開されていない日本関連の外交文書や、日本企業がらみの機密文書が公開されたときに備え、知的想像力を鍛えるための必読書として一読することを薦めたい。



<初出情報>

■amazon書評「「無極性時代のパワー」であるウィキリークスと創始者アサンジは「時代の申し子」だ」投稿掲載(2011年2月27日)
■bk1書評「「無極性時代のパワー」であるウィキリークスと創始者アサンジは「時代の申し子」だ」投稿掲載(2011年2月27日)





目 次

プロローグ
第1章 世界を震撼させる機密文書の暴露
第2章 ウィキリークスを作るために生まれてきた男
第3章 進化するリーク・システム
第4章 アメリカの国家機密を渡したインテリジェンス分析官
第5章 9・11のトラウマが大量漏洩を可能にした
第6章 暴かれた「北朝鮮・アルカイダ・コネクション」
第7章 CIAと米軍特殊部隊の「秘密戦争」
第8章 テロ、暗殺、拷問、無差別殺人-イラク戦争の傷跡
第9章 迷走し続ける「オバマの戦争」
第10章 "無極化世界" ”が生んだ「時代の申し子」

ウィキリークスを読み解く背景知識(1) オバマ政権と戦争-泥沼化するアフガニスタン
ウィキリークスを読み解く背景知識(2) [技術解説]なぜウィキリークスの息の根を止められないのか(斎藤栄太郎=ITPro記者)
 2-1 IPアドレスを逆探知すれば叩けるか?
 2-2 ドメイン名を狙えば実質的に潰せるか?


著者プロフィール

菅原 出(すがわら・いずる)

1969年東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェローを経て、現在は国際政治アナリスト。米国を中心とする外交、安全保障、インテリジェンス研究が専門で、著書に『外注される戦争―民間軍事会社の正体』(草思社)『戦争詐欺師』(講談社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

シークレット・ファイル ~ウィキリークスの機密文書(菅原 出)
・・本書のもとになった『日経ビジネスオンライン』の連載記事


<ブログ内関連記事>

月刊誌 「フォーリン・アフェアーズ・リポート」(FOREIGN AFFAIRS 日本語版) 2010年NO.12 を読む-特集テーマは「The World Ahead」 と 「インド、パキスタン、アフガンを考える」
・・インターネットの発展と拡散するパワーについての議論については、『フォーリンアフェアーズ』のこの号に掲載された論文を読むことを薦めたい

書評 『海賊党の思想-フリーダウンロードと液体民主主義-』(浜本隆志、白水社、2013)-なぜドイツで海賊党なのか?

書評 『国際メディア情報戦』(高木 徹、講談社現代新書、2014)-「現代の総力戦」は「情報発信力」で自らの倫理的優位性を世界に納得させることにある ・・下手に隠蔽するよりも情報は公開したほうがよい、そういう流れがある

書評 『スノーデンファイル-地球上で最も追われている男の真実-』(ルーク・ハーディング、三木俊哉訳、日経BP社、2014)-国家による「監視社会」化をめぐる米英アングロサクソンの共通点と相違点に注目
・・ウィキリークスのアサンジ以上にインパクトを与えたスノーデン

(2014年6月27日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)






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