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2011年7月31日日曜日

「前橋汀子 アフタヌーン・コンサート Vol. 7」(2011年7月30日) にいってきた-低価格のコンサートを開催すること意味について考えてみた


 今年も「前橋汀子 アフタヌーン・コンサート」に行ってきた。毎年一回の楽しみである。

 会場はいつもと同じく、六本木アークヒルズのサントリーホールのメインホール。今年は、例年より遅い時期の開催であるが、会場は「満席」であった。もうすでにすっかり定着した恒例の年中行事のようなものとなっているのかもしれない。

 今回もピアノ伴奏は、イーゴリ・ウリヤシュ(Pf)。1965年レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)生まれで、レニングラード音楽院に学んだロシア人。レニングラード音楽院では、前橋汀子の後輩にあたる。

 当日のプログラムは以下のとおり。


【曲目】
サン=サーンス:「動物の謝肉祭」より白鳥
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第25番 ト長調 K.301
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

ヴィエニャフスキ:モスクワの思い出
ドヴォルザーク:わが母の教え給いし歌
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 op.72-2
プロコフィエフ:「3つのオレンジの恋」より行進曲
フォーレ:夢のあとに
マスネ:タイスの瞑想曲
ファリャ:スペイン舞曲第1番
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ

 ここまではプログラムの内容。ここから先はアンコールというよりも、毎度のことながら実質的に「プログラム外即興演奏」という感じである。

 ショスタコーヴィッチは意外な感じもしたが、あとは「小品集」に収録されているチャイコフスキーやサラサーテの名曲を文字通り弾きまくり、14時に始まったコンサートは途中20分間の休憩をはさんで、終わったのは結局16時25分頃であった。

 「プログラム外即興演奏」が30分近くというのは、聴衆への大盤振る舞いでもあり、演奏している本人も弾きたい曲を弾ききったといったところではないだろうか。

 それにしても、まったく年齢を感じさせないカラダ全体をつかった「入魂」というか、「入神​」ともいうべき、いっさい手抜きのない演奏には、今回も完全に魅了された。憑依体質ともいうべきか。

 小説家・井上光晴を描いた『全身小説家』という日本映画を渋谷のユーロスペースで見たことがあるが、そのタイトルをもじれば前橋汀子は「全身ヴァイオリニスト」ということになるのだろうか。


低価格のコンサートを開催すること意味について考えてみる

 今回、あらためて思ったのは、日本はいうまでもなく、世界的にも指折りのヴァオリニストの演奏​が、たった 3,000円(!)で聴けることの意味についてだ。

 敷居​を低くして、聴衆の間口を拡げたいという志(こころざし)がある​のだろうが、多くの有名アーチストには見習ってもらいたいと思う。

 欧州なら教会でコンサートが開催されることが多い。料金も手頃なので、世界一流の演奏家が出場していなくても、ウィークデーのイブニングによく開催されている。教会内部はそもそも人が集まる場所であるし、しかも音響効果を考慮に入れて設計されているので、コンサート会場としては実に最適である。わたしも何度も参加してみての感想である。

 日本でも、有楽町の国際フォーラム前で毎年五月の連休に開催される「フォール・ド・ジュルネ」(熱狂の日)はフランス発である。低価格でクラシック音楽のコンサートを提供して、敷居を低くし、聴衆の間口を拡げようというのがその目的だ。

 おそらく前橋汀子の場合は、旧ソ連時代にレニングラード音楽院(現在はサンクトペテルブルク音楽院)で学んだということが大きいのではないかと思う。
 
 ソ連時代から現在に至るまで、ロシアでは、文化政策の一環として、ロシア国民向けの演奏会やオペラやバレエ鑑賞のチケット料金はひじょうに安く抑えられている。

 一方、外国人には「外国人料金」が適用されるので、実質的に「二重価格」体制になっているのだが、ロシア国民には高いレベルの文化を享受する基本的権利を保証するための経済モデルともいうべきで、これじたいを批判するのは意味がない。ある意味では、社会主義の「正の遺産」というべきだろう。

 おそらく、前橋汀子もソ連(ロシア)のそういった考えが、無意識レベルで染みこんでいるのではないかとわたしは推測する。すぐれた内容の芸術作品を低価格で提供して、ファン層の拡大を図るというのは、経営学的にも理にかなったものだ。

 もちろん、前橋汀子は大御所中の大御所なので、プロモーション​をとくに大々的にやらなくても、集客できてしまうのだろう。自分のギャラ(出演料)を押さえれば、採算は十分にとれるのではな​いだろうか? 

 ちなみに、サントリホールのウェブサイトに記載された貸しホールの料金表によれば、大ホールの土日祝日の午後(13:00~16:30)は 1,260,000円(=126万円)、座席数は約2,000席とのことであるので、単純計算すれば満席で総収入は約600万円(・・全席指定で一律@3,000円)となる。じっさい、当日は「満席」だった。

 明細はわからないが、諸経費をひいても採算はとれる価格設定ではあるようだ。アーチストも独奏者と伴奏者の二人だけである。

 価格設定(値決め)は、購入者がその価格と内容(コンテンツ)の関係からお値打ち感やお得感をどれだけ感じるかによって評価がきまる。個人差があるとはいえ、ボリュームゾーンがゾーンにはいってくれば価格設定は成功しているといえる。

 ほんとうにすばらしいと思えば、一万円以上払ってでも聴きにくる人が多数あるはずのコンサートであったとしても、低価格にすることによって間口を拡げるというのは、クラシック音楽の一般大衆へのイントロダクションとしてはすばらしい試みといえるわけなのだ。

 そんなことも考えてみた一日だった。

 また来年のコンサートが楽しみだ。次回の「前橋汀子 アフタヌーン・コンサート Vol. 8」は、2012年6月12日(日)とのことである。





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(2014年2月13日 情報追加)





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