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2015年11月15日日曜日

「13日の金曜日」にパリで発生した大虐殺(2015年11月13日)-「テロとの戦い」に重点を置いたフランス共和国の基本を知る


2015年11月13日(金)は、いわゆる「13日の金曜日」であった。

そうはいいながらも、たぶん何もないだろうとタカをくくっていたのだが、同時多発の無差別殺人という大規模テロがフランスのパリで発生したのを知ったのは翌日の11月14日。129人が死亡、重傷者を多数に上るという惨劇が発生したのは現地時間の11月13日の夜であった、という。まさに「13日の金曜日」である。

犯行グループが、「13日の金曜日」と知っていて実行計画を練っていたことは間違いない。 「テロ」(terror)というものは文字通り「恐怖」を意味するコトバであり、テロの規模が大きければ大きいほどメディアの取り上げは大きくなるからだ。「13日の金曜日」はキリスト教徒にとって不吉な意味をもつことは言うまでもない。

ことし1月初めににパリで起きた「シャルル・エブド事件」が記憶から消えかけていた頃に、これをはるかに上回る大規模な同時多発テロが起こるとは想像もしなかった。パリからは遠く離れた日本だけでなく、程度の違いはあれ、パリでも似たような状況だったのではないか?

「シャルル・エブド事件」から3ヵ月後に日本で出版された『フランス流テロとの戦い方』(山口昌子、ワニブックスPLUS新書、2015)の末尾には、「フランスが目下、恐れているのはシリアに出発していった1400人(2015年2月現在)の若者たちの一部の帰国だ。 ・・(中略)・・ シリア帰りの「テロ予備軍のグループ化」の可能性も指摘されており・・」とある。

まさに危惧されているとおりになってしまったわけだ。しかもシリア難民のなかに紛れ込んで潜入したテロリストがいたことも明らかになっている。

事件の真相は現時点では完全にはわからないが、自称「イスラーム国」(ISIS)が犯行声明を出しており、フランス政府も認めている。第二次世界大戦後の「平時」では最大規模の惨劇となったこの事件に対し、/フランス大統領は、「これは戦争行為だ」("C'est un acte de guerre") と言明した。フランスは非常事態宣言を発令し国境を封鎖、三日間の喪に服している。

自称「イスラーム国」(ISIS)によるテロは、いったいどこまで拡大するのか? 日本にとっても対岸の火事とは言えまい。日本国内にいると、ついつい健忘症になってしまいがちだが、目を覚まされた思いを持つにいたった人も少なくないのではないか?

(フランスへの「連帯」を「三色旗」で!)

『フランス流テロとの戦い方』は、2人の警察官を含む12人が犠牲となった。「シャルル・エブド事件」を中心に、フランス共和国の「国のかたち」について論じたうえで、フランス政府によるテロとの戦いが記述されている。

フランスにおけるテロ対策について記述されているのは、以下の項目である。ここでは「目次」から関連項目だけを抽出しておこう。

第2章 フランスの「国のかたち」
 4. テロの歴史と反テロ法
  ナポレオンもテロの標的に
  秘密軍事組織(OAS)の戦後最大のテロ
  人質事件と身代金
  フランスの反テロ法とは
第3章 テロとの戦い
 1. 「私はシャルリではない」
  「僕はシャルリではない」と答えた8歳の少年へが「テロ称賛罪」
  逮捕者が増加する「テロ称賛罪」の厳罰化
 3. 硬軟両用の戦い
  対「イスラム国」軍事作戦を強化
  イスラム教徒過激化防止のための法整備
  貧しい移民の少女だった国民教育相が取り組む施策  
  市民全員でテロに向かうための「包括的市民サービス」


「13日の金曜日」に起きた今回の惨劇を踏まえて、あらたな章が書かれるべきだが、限界が露呈していることは否定できないとはいえ、「フランスはいかなるテロ対策をとっているのか?」という問いに対する現時点の回答を得るには読む意味はあるだろう。

もちろん、「戦前・戦中」の国家神道の猛威による壊滅的破壊をを体験した結果、フランス革命に端を発する「政教分離」(=政治と宗教の分離)原則を継承している日本国憲法下における「戦後日本」であるが、フランスのように原理主義的といえるまで徹底できているわけではない。日本人の目には、フランスはやりすぎではないか?と映るのは否定できないところだ。テロ対策と人権侵害の境界線には微妙なものがある。

したがって、フランス流のテロ対策がそのまま日本で受け入れられるわけではない。しかも、中央集権の警察国家フランスですら、度重なるテロを防げていないという現実を直視しなければなるまい。対テロ警戒レベルが上がっている状態であったにもかかわらず・・・・。

はたして日本は大丈夫なのだろうか? 「2020年東京オリンピック」という世界的なビッグ・イベントは、もうすぐそこまで迫っている。

今回の大規模テロの死者に哀悼の意を示すとともに、このわたくしもフランスへの「連帯」(solidarité)を表明したい。






目 次

はじめに
第1章 フランスの「九月十一日」
 1. 二つのテロ事件が同時発生
 2. 三人のテロリスト
 3. 「シャルリ・エブド」はなぜ、狙われたのか
第2章 フランスの「国のかたち」
 1. 「私はシャルリ」
 2. テロの予兆
 3. 移民大国フランス
 4. テロの歴史と反テロ法
第3章 テロとの戦い
 1. 「私はシャルリではない」
 2. 出発するテロリスト志願者
 3. 硬軟両用の戦い
エピローグ
おわりに


著者プロフィール

山口昌子(やまぐち・まさこ)
ジャーナリスト。1969年から1970年、フランス政府給費留学生としてパリ国立ジャーナリスト養成所(CFJ)で学ぶ。産経新聞入社後は教養部、夕刊フジ、外信部次長、特集部編集委員を経て、1990年から2011年まで21年間にわたってパリ支局長を務める。1994年、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。2013年にはレジョン・ドヌール勲章シュヴァリエを受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。

<関連サイト>

フランスは原発テロの悪夢にうなされている 自爆覚悟のテロは、防ぐのが難しい (清谷信一 :軍事ジャーナリスト、東洋経済オンライン、2015年11月18日)



<ブログ内関連記事>

映画 『王妃マルゴ』(フランス・イタリア・ドイツ、1994)-「サン・バルテルミの虐殺」(1572年)前後の「宗教戦争」時代のフランスを描いた歴史ドラマ
・・フランス最大の大虐殺事件。16世紀の「宗教戦争」における新旧キリスト教の激突

映画 『神々と男たち』(フランス、2010年)をDVDでみた-修道士たちの生き方に特定の宗教の枠を越えて人間としての生き方に打たれる
・・テロへの対し方は、けっして一様ではない


グローバル・テロリズム

「イスラーム国」登場の意味について考えるために-2015年1月に出版された日本人の池内恵氏とイタリア人のナポリオーニ氏の著作を読む

書評 『イスラム国-テロリストが国家をつくる時-』(ロレッタ・ナポリオーニ、村井章子訳、文藝春秋、2015)-キーワードは「近代国家」志向と組織の「近代性」にある

書評 『グローバル・ジハード』(松本光弘、講談社、2008)-対テロリズム実務参考書であり、「ネットワーク組織論」としても読み応えあり

書評 『自爆する若者たち-人口学が警告する驚愕の未来-』(グナル・ハインゾーン、猪俣和夫訳、新潮選書、2008)-25歳以下の過剰な男子が生み出す「ユース・バルジ」問題で世界を読み解く
・・自爆テロリストは、宗教には関係なく発生する


■世界の大虐殺事件

映画 『アクト・オブ・キリング』(デンマーク・ノルウェー・英国、2012)をみてきた(2014年4月)-インドネシア現代史の暗部「9・30事件」を「加害者」の側から描くという方法論がもたらした成果に注目!
・・東南アジアの戦後史における大虐殺はカンボジアだけではない

ブランデーで有名なアルメニアはコーカサスのキリスト教国-「2014年ソチ冬季オリンピック」を機会に知っておこう!

書評 『巨象インドの憂鬱-赤の回廊と宗教テロル-』(武藤友治、出帆新社、2010)-複雑きわまりないインドを、インドが抱える内政・外交上の諸問題から考察

自動小銃AK47の発明者カラシニコフ死す-「ソ連史」そのもののような開発者の人生と「製品」、そしてその「拡散」がもたらした負の側面


フランス的価値観とライフスタイル

書評 『憲法改正のオモテとウラ』(舛添要一、講談社現代新書、2014)-「立憲主義」の立場から復古主義者たちによる「第二次自民党憲法案」を斬る
・・「政教分離」原則の徹底は、フランス革命から始まった

月刊誌「クーリエ・ジャポン COURRiER Japon」 (講談社)2011年1月号 特集 「低成長でも「これほど豊か」-フランス人はなぜ幸せなのか」を読む
・・フランス人の価値観にある joie de vivre(生きるよろこび)

『恋する理由-私が好きなパリジェンヌの生き方-』(滝川クリステル、講談社、2011)で読むフランス型ライフスタイル

(2015年11月20日、12月5日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)










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