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2009年9月17日木曜日

"あきづき" という梨の新品種について




(千葉県船橋産の「あきづき」)

日本の秋はなんといっても梨(なし)である。

 果物にはあまたあれど、梨ほど世界一うまい果物はなし(・・ダジャレ、すんません)、と思っている。これは英語には直訳できないなあ。梨は英語で pear というが、このコトバでは洋梨しか思い浮かばない。

 梨はただしく球形であることを希望する!


 熱帯のトロピカルフルーツでは、もちろんマンゴー、マンゴスティン、ドリアン、ライチ、パパイヤ・・・・これらはもちろんうまい。

 ドライフルーツなら、干し柿(日本、中国)、干しイチジク(トルコ)、干しアンズ(トルコ)、干しぶどう(カリフォルニア)、干しナツメ(中国)だろう。それからデーツ(干しナツメヤシの実)か、いあやこれは中近東だな)。

 温帯では、なんといっても梨につきる。梨はどんなに食べたいと思っても秋にしか食べられないのは残念であり、また季節感の非常に強い果物であることは同時に喜ばしい。
 これぞ真の"水菓子"といっていいだろう。中国では西瓜が水菓の代表的存在だが(・・音に注目!)、私は日本の梨こそ水菓であるといいたい。


 秋の韓国農村を旅したときに梨を買って食べたことはある。見事な形ではあったが、品種改良がまだまだ進んでおらず、外観は昔ながらの梨だったものの、味は大味でイマイチであった。

 これに比べると日本の梨のうまさは驚異的である!品質に関しては段違いだからだ。これこそ世界標準というべきなのだ。

 絶えざる品種改良につぐ品種改良栽培農家の努力で、日本の果物が世界に輸出され、高価であるのにかかわらず富裕層から支持されているのは当然だろう。梨の海外での評判については聞いたことはないが・・
 

 東京を離れて久々に千葉県に移ったのだが、なんといっても千葉県でも東京寄りの下総(しもうさ)は、日本でも有数の、梨の一大産地である。

 "二十世紀梨"というと、いまでは鳥取県が生産高日本一だが、発見されたのは千葉県松戸市だ。
 千葉県内では福島産の梨も売られているが、福島産は名産の桃だけにとどめておくべきだろう。
 スローフードの根幹は「地産地消」ではないか。
 しかも味は抜群にうまい! だから私は断固として、梨は千葉県産、とくに船橋産にこだわる、のだ。


 子供の頃は、果肉がザラザラした食感の、甘い赤梨である"長十郎"(ちょうじゅうろう)が支配的であったが、いまでは"豊水"(ほうすい)や"幸水"(こうすい)が甘くてジューシーな梨として、生産の中心になっている。

 つい最近、"あきづき"という銘柄の梨をはじめて店頭でみつけて買ってきた。

 食べてみると、甘さは豊水よりもやや抑え気味な上品なものであり、サクサクした食感に、みずみずしい果汁にあふれた梨である。だいたい1個100円~150円程度である。

 ネットで調べてみると、あきづき(秋月)は、最近数年の新品種らしい。あきづき=(新高×豊水)×幸水、という掛け合わせらしい。 

 花がつきにくいとうこともあり、栽培技術の関係から、まだまだ量が出回っていないので、"幻の梨"といわれているらしい。品評会などでもとても高い評価を受けているという。

 ネット通販での販売価格は、現地価格の2倍以上になっている。
 東京では見たことがなかったのは、"幻の梨"だったからなのか!?


(千葉県産の「あきづき」 2016年9月 写真追加)

 新しい農産物の銘柄(=ブランド)に和風な名付け(=ネーミング)をする、これも乙(おつ)なものだな。
 コメの銘柄でいえば、私の子供の頃は、寒冷地に強いという新品種の農林●号などとまったく無機質なネーミングもあったが、やはりコシヒカリ、ササニシキ、秋田こまち、などの日本語が耳にやさしい。

 日本の梨ほどうまい果物はないと思っている私は、梨のうまい時期に日本にグルメ観光を誘致すべきではないかな、と思う。"梨狩り"のために9月は日本に行くのだ、なんていう人たちがでてくると面白いなあ。
 観光シーズンの10月ではもう遅すぎる。9月こそ本当にうまい梨が食べられるベストシーズンだからだ。
 しかしこの9月という月はまさに台風シーズンで、せっかく実った梨が強風でやられてしまうこともある。

 関東には、今月2本目になる台風14号が接近中である。


          
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