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2026年7月31日金曜日

玉虫は死んでも玉虫色だ

 

玉虫が腹の上にして、ベランダでひっくり返って死んでいた(下記の写真)。玉虫も死ぬと、セミとおなじで脚を組みあわせてひっくり返るのだな。これははじめて知った。
  
死んだ玉虫をつかんで、背中を上にしようと試みたが、なんどやっても元に戻ってしまい、うまくいかない。不思議なことだ。




仕方ないので、玉虫をつかんで手のひらにのせ、スマホで撮影してみた。玉虫は、死んでも玉虫色だな。まあ、考えてみたら当たり前だ。(上掲の写真)

聖徳太子の「玉虫厨子」は、玉虫の羽を使用している。もちろん、死んだ玉虫の羽である。剥落してごく一部しか残ってないらしいが、それでも1400年たっても玉虫がつかわれていたことはたしかなことだ。

制作当時は、さぞ玉虫色に輝いていたことだろうなあ。


(玉虫厨子 Wikipediaより)




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・・死んだセミの写真あり


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2026年7月28日火曜日

『VIVANT』シーズン1 の全10話(2023年)を2日かけて、amazon prime でぶっ続けで視聴。このドラマは日本のTVドラマにしてはめずらしくスケールの大きいエンタメ作品

 

話題になっていたものの、リアルタイムでは見ていなかった『VIVANT』シーズン1 の全10話(2023年)を2日かけて、amazon prime でぶっ続けで視聴。 

すでに「シーズン2」が2026年7月26日(日)から「第11話」として始まっていることもあり、まずは「シーズン1」を見ておかないと話の展開がわからなくなってしまうからね。

おそらくアフガニスタンなど、紛争の多い中央アジアのさまざまな国をイメージして合成したのであろう、中央アジアに位置する架空の「バルカ共和国」を舞台にした、国際アクションスリラーのインテリジェンスもの。日本のTVドラマにしてはじつにめずらしい設定だ。
 
バルカ共和国は、モンゴルとロシア、中国に国境を接しているという設定。ロケの大半はモンゴルだが、たいへんすばらしい。日本のTVドラマにしては、えらくカネかけてチカラの入った作品だな、と。 

モンゴルの俳優も主要な登場人物でキャスティングされ好感がもてる。セリフもかなりの部分がモンゴル語で日本語字幕、現地関連の文字表記はモンゴルで使用されているキリル文字。ディテールもなかなか凝っている。




VIVANT(ヴィヴァン)というのは、フランス語ではなく、日本語の「別班」(べっぱん)のことだ。自衛隊出身者によって構成される、ヒューミントを中心とした超法規的なインテリジェンス組織のことだとされる。国会質疑でも取り上げられたが、日本政府はその存在を公式に否定している。 


身分を擬装した自衛隊員が、国際諜報の世界で活動してきたことを、陸軍中野学校以来の「負の遺産」だとして、著者が知り得た情報をまとめあげたレポートだ。このドラマにはこの本にインスパイアされて制作されたようだ。ドラマに原作はない。まったくのオリジナル作品である。


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このドラマは、警察の公式組織である「公安」と、自衛隊の非公式組織である「別班」との対立と協調をベースにしているわけだが、そもそも「別班」は存在そのものが否定されている秘密組織である。

いや、だからこそ、フィクションとして描ける余地も大きいのだ。 このドラマはあくまでもフィクションであり、エンタメ作品として純粋に楽しむべきだ。近松門左衛門の表現だが「虚実皮膜」というではないか。

とはいうものの、砂漠でのアドベンチャーを体験しているのだが、準主演の阿部寛が無精髭のヒゲづらなのに対して、主演の堺雅人がきれいに顔が剃られていている不思議さ。日本人が大好きなセンチメンタルな要素が強すぎること。バルカ側の人物たちを演じる日本人俳優たちの日本語があまりにもなめらか過ぎる、などなど。ちょっと興ざめな感もするのだが・・・

欠点が皆無ではないが、全編を通してアドベンチャーものとして、アクションものとして、最後まで飽きることなく視聴できた。きわめて面白い作品であった。



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PS シーズン2の第2話は舞台がバルカだけでなくキプロスかと思っていたら、プノンペンとシハヌークヴィル経由でバンコクか。勝手知ったる場所での舞台展開は興味をそそるな。(2026年8月4日 記す)


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<ブログ内関連記事>

・・「石光真清とは何をした人か? 一言で言えば、民間人の写真屋に偽装して対露スパイ活動をおこなっていたインテリジェンス・オフィサーである」

・・日露戦争ではみずから志願して軍事探偵(=スパイ)として活躍したとされる中村天風








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2026年7月27日月曜日

ハリウッド映画の「キル・ビル」(Kill Bill)の第1部と第2部を、なんと公開から23年後にはじめて視聴(2026年7月25日)― タランティーノ監督の日本映画と日本文化へのリスペクトと愛が感じられる

 

タランティーノ監督のハリウッド映画『キル・ビル』(Kill Bill)を第1部(2003年)第2部(2004年)をつづけて視聴。104分+131分=235分。  

視聴するのは、今回がはじめて。公開されて話題になっていたのが、つい先日のような気がしていたが、もう23年もたっているのか・・・。月日が過ぎるのが早すぎる。 

amazon prime で「まもなく配信終了」と掲示がでているので、せかされるように視聴。無料で見れるうちに見ておかないとね。 

「キル・ビル」とは「ビルを殺る」。内容は、ハリウッド版「任侠映画 × カンフー映画 × チャンバラ」、というべきか(笑) それにしても、よくこんな映画つくったなというのが正直な感想。 

第1部の日本を舞台の殺陣のシーンがゴージャス過ぎる。スプラッター過ぎる。ほとんどマンガだな。実際アニメが挿入されている。主演のウマ・サーマンが美人すぎてカッコよすぎる。ブルース・リーの『死亡遊戯』だな。日本刀つかった体捌きもすばらしい。

セリフのかなりが日本語で英語字幕。ソニー・チバ(=千葉真一)も出演。根底にあるのは演歌の世界(笑)  

監督の日本映画と日本文化へのリスペクトと愛が感じられる。 黄金時代の香港映画へのリスペクトもまた。




第2部は、中国でのカンフー修行と復讐のための「デスノート」の消化、そしてタイトルにある「ビルを殺る(Killl Bill)」を実行する最終章。第1部にくらべると、ちょっとアクションシーンがが少ないのが残念な感じもしたが、大どんでん返しがあるので最後まで息を抜けない。 

舞台となっている日本も中国もメキシコも、ステレオタイプのイメージをあえて意図的に前面に打ち出しているのは、ハリウッド映画だからだろう。




最近の映画ではドイツ人のヴィム・ヴェンダース監督による『Perfect Days』(2023年)と、日本映画の名匠である小津安二郎をリスペクトしてきた監督の作品だけに、あまりにも日本的すぎる映画である。

日本人からしたらまったく違和感のない作品であるが、であるからこそ『Perfect Days』は知識階層を除いたら一般的なアメリカ人にはまったくウケないだろう。 一般人を主人公にしているが、大衆性がまったくないからだ。



■主演のウマ・サーマンは著名なチベット学者の娘


本名はウマ・カルナ・サーマンであり、ウマ(Uma)とはチベット語で「中心気道」のこと、カルナ( Karuna)とはサンスクリット語で「慈悲」のこと。アメリカ人としては変わった名前である。

子どもの頃から、そんな変わった名前は好きではなかったらしいが、家庭内でチベットを中心にしたアジア文化に接してきた人だから、日本や中国などアジア的な要素が満載のこの映画への出演には、とくに違和感はなかったのだろう。 

そんなことで Uma の父 Robert Thurman のWikipedia をリンクをたどって見たら、ことし2026年の6月16日に84歳で亡くなっていたことをはじめて知った。 



"Bob lived a meaningful life and has left behind a legacy that will continue to inspire future students of Tibetan Buddhism and culture for generations to come." (仮訳: ボブは、意味ある人生を生きただけでなく、今後もながく世代を超えて続いていくことになる、チベット仏教とチベット文化を勉強する未来の学生たちを鼓舞してくれる遺産を遺してくれた)




娘のウマがチベット仏教徒であるかどうかは知らないが、2007年以来、米国の「チベット・ハウス」(Tibet House US)のボードメンバーとして名を連ねている。「チベット・ハウス」は父ロバートとハリウッド俳優のリチャード・ギアなどと一緒に設立したものだ。娘は父の意思をついでいるのである。

この場を借りて、チベット仏教の僧侶でもあったロバート・サーマン氏のご冥福をお祈りします。オン・マニ・ペメ・フム。合掌



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PS 「Tibet House US」のサイトを見たら故ロバート・サーマン氏の「49日の法要」が、2026年8月3日に行われるとあった。チベット仏教においても「49日」に意味があることは、『チベット死者の書』について知っている人なら常識であろう。それにしても、不思議な因縁を感じている。(2026年8月2日 記す)





<ブログ記事>

・・米国を代表する著名なチベット仏教研究者であるロバート・サーマンと、その娘のウマの話もでてくる



・・禅仏教に傾倒していたレナード・コーエンは、『チベット死者の書』関連のノンフィクション映像の英語版のナレーションも担当している




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2026年7月24日金曜日

『日本人だけが知らない 世界基準の質問力』(祥伝社、2026)と『懐に入る英語』(集英社、2026)の2冊は、できれば30歳台までに出会いたかった「質問力」にかんする仕事術の本

 

 40年以上にわたって英語でインタビューを行い、近年は経済学者のポール・クルーグマンやダロン・アセモグルなど「超一流の知識人たち」に単独インタビューを敢行し、その内容を日本語で書籍化してきた国際ジャーナリストの大野和基氏。 

その手の内というか手法について、あますことなく開示してくれる著書2冊をつづけて読んだ。 

『日本人だけが知らない 世界基準の質問力』(祥伝社、2026)と、『懐に入る英語』(集英社、2026)の2冊である。前者は一般向け、後者は英語中級者以上向けの仕事術のビジネス書だ。 

ジャーナリズムであろうが、ビジネスであろうが、もちろんそれ以外の世界であろうと、仕事をするうえでもっとも重要なのは「質問力」である。これには異議はあるまい。

いや、それはけっして仕事に限定されるものではない。 的確な相手に対して、的確なタイミングで、的確な質問を投げかけること。良い質問は、良い回答を導きだすのである。誘導するといっても言い過ぎではないだろう。あくまでも主導権はこちら側にあるからだ。 

生成AI相手のプロンプトならともかく、こと人間が相手の場合は、人間心理にかんする理解を踏まえた質問であることが前提になる。

ディベートではないのである。相手を論破するなど論外である。いかに気持ちよく心を開いてもらうかがカギなのだ。 日本語だけでなく、英語でもまったくおなじである。

『日本人だけが知らない 世界基準の質問力』で著者は、絶対に避けなくてはならないこととして、質問の「イソコ化」と「タハラ化」の2つをあげている。絶妙なネーミングというべきだろう。 言い得て妙としか言いようがない。

「イソコ」というのは、質問の前に自説をとうとうと述べる活動家とおぼしき新聞記者のことだ。「タハラ」というのは、相手の話を最後まで聞かずにさえぎって自分の考えを押しつける長老ジャーナリストのことだ。わたし自身、ずいぶん前から、この2人に対してはウンザリする思いを抱いてきたので、大いにうなづきながら納得した。 

『日本人だけが知らない 世界基準の質問力』の「目次」は、以下のようになっている。  


はじめに
1 日本人がついやってしまう質問の「悪いクセ」 
2 効率のよい準備が「望む答え」への最短コースとなる 
3 主導権を握りながら相手に気持ちよく話させるコツ 
4 ピンチをチャンスに変える「変化球」の投げ方 
5 人生の基盤となる「質問力」のマジック 



(【国際ジャーナリスト】世界的VIPの本音を引き出す極意 / 「サピエンス全史」著者の自宅へ / AI時代に「英語力」が必須な理由|ゲスト: 大野和基  Podcast Studio Chronicle Podcast Studio Chronicle)



■英語上級者向きだが、志の高い高校生も読んだらいい

さて、えらくシンプルなタイトルの本である『懐に入る英語』(集英社、2026)の方に話を進めよう。

知的レベルの高い、英語上級者向けの「世界基準の質問力」である。もちろん、最初から意識を高くもち、これからの人生を切り開いていきたいと思っている高校生なら読むべき内容だ。  

「質問力」にかんしては、1冊目の『日本人だけが知らない 世界基準の質問力』とダブっているのは当然であるが、『懐に入る英語』のほうは、「英語での質問力」に絞り込んで、徹底的に解説してくれる。具体的な英語表現がじつに役に立つ。 

日本の大学では英文科を卒業し、アメリカに留学して化学と基礎医学を学んだのち、フリーのジャーナリストとして生きてきた人ならではのサバイバルスキルが満載である。組織の名刺もバックアップもない、あくまでも個人としての世渡りである。 

『懐に入る英語』の「目次」を紹介しておこう。 


はじめに
第1章 文化的背景を知る 
第2章 情報収集する 
第3章 ボキャブラリーを増やす 
第4章 アポイントメントを取る 
第5章 会う、雑談から始める 
第6章 知的な会話をする 
第7章 いい印象を残して終わる 
おわりに


豊富な体験から生み出された具体的な事例をもとに、読みやすく実戦的で説得力のある話がつぎからつぎへと展開される。英語ができるだけでなく、日本語で書くチカラがあるからこそ可能なワザなのである。 

英語関連本を読むのはひさびさのことだが、この本にかんしては、時間をかけて、文字通り隅から隅まで舐めるようにして読んだ。読みながら、そして読み終えたあとも、なんども読み返す必要を感じている。知識のレベルを越えて、知恵のレベルまで書かれているからだ。 

「日本人が特に苦手な would、could について」は、わたし自身も従来から気をつけてきたことだが、表現をやわらかくするために必要な英語表現である。文法的にいえば仮定法過去(および仮定法過去完了)であるが、実際につかわれる際には if が省略される。 

著者がなんどもくりかえし注意喚起しているように、日本語とくらべたら英語はストレートだという固定観念は捨てることだ。 英語はボキャブラリーが膨大なだけでなく、細かい感情のニュアンスまで表現することが可能な言語なのである。知的レベルが上がればあがるほど婉曲な表現を好む傾向があるのは、日本社会とおなじなのだ。 

すでに70歳を迎えている著者であるが、まさに精進の日々を送っているのは「現役」をつづけるためであり、なによりも旺盛な好奇心があるからだろう。その姿勢も学ぶべきである。



■背伸びしてでも『懐に入る英語』を読むべき

この2冊は30歳台で出会いたかった。自分もバリバリの30歳台にはこの手の本を、それこそむさぼるように読んだからだ。当たって砕けろ精神に充ち満ちていた頃である。 

とはいえ、何歳になっても前進、また前進である。撃ちてしやまん。向上心を失ったら、人間はおしまいだ。 

『日本人だけが知らない 世界基準の質問力』だけでも読むことを薦めたいが、自分自身のステージをさらに上げるためには、背伸びしてでも『懐に入る英語』も読むべきだろう。 



著者プロフィール
大野和基(おおの・かずもと) 
国際ジャーナリスト。1955年生まれ、兵庫県西宮市出身。東京外国語大学英米学科卒業後、1979年に渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学んだ後、ジャーナリストの道に進む。『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンドほか、文春新書)などの訳書、『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』 (NHK出版新書)などインタビュー・編著多数。 



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