『韓国消滅の危機 ― 人口減少社会のリアル』(菅野朋子、角川新書、2025)をというショッキングなタイトルの本を読んだ。
ソウル在住20年以上のフリーライターによるこのレポートには、日本に先行して急速に進行する直視したくない「近未来図」がある。
韓国にかんしては、隣国であるがゆえに好き嫌いが極端に現れる傾向があるが、否定的なものであれ、肯定的なものであれ、一部だけをとりあげて論じるケースが多い。 左右によるとらえ方の違いもはなはだしい。
ところが、韓国社会の「いま」を中立的な立場から、しかも全体的な視点でとらえたものは、思ったより少ないような気がする。
タイトルにある「韓国消滅の危機」は、けっして奇をてらったものではない。副題にある「人口減少社会のリアル」が、目に見えるように描かれているからだ。
すでに出生率が「0.75」と、人口面での再生産を可能とする水準である「2.07」をはるかに下回っている韓国。ちなみに日本は現在「1.15」である。日本より急速に少子化が加速しているのである。
人口減少の結果、国防のかなめである徴兵による常備兵が確保できず、ソウル一極化が極端なまでにすすんだ結果、第二の都市であるプサンまで「消滅水準」となっているとは衝撃的だ。
経済成長によって「一人当たりGDP」が日本を超えたといっても、極端なまでの格差社会であり、高齢者の貧困問題が解決されることもなく、しかも人口減少に拍車がかかっている状態。こんな状態がはたして賞賛に値するものなのかどうか?
いや、むしろ、韓国のこの現状から想像される「近未来図」は、けっして対岸の火事ではない。
人口減少にかんしては、日本もまた韓国を後追いしているのであり、他山の石として日本国民は真剣に受け止めるべきではないか?
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目 次はじめに第1章 消える学校、綻ぶ韓国軍 ― 今、この国で何が起きているのか学校、保育施設がもう続かない/誰が国を守るのか―安全保障の危機/国土を覆う「消滅危険地域」第2章 SNSが加速させた超競争社会若者たちの現実/IMFショックと88万ウォン世代/子どもたちの生存競争/SNSが比較文化を暴走させる第3章 激変する男女の意識 ― ジェンダー対立の深層“赤い薬”が女性たちを目覚めさせた/分断と「非婚主義」第4章 結婚を止める親たち ― 伝統的家族観のゆらぎ人口爆発の時代/苦悩する「サンドイッチ世代」第5章 空回りする280兆ウォン ― 少子化対策の実態肝いり育児支援策の顛末/揺れる移民政策/華川郡最新レポート:“異次元”の教育支援とは/破格の育児支援、非婚出産……社会は揺れ動くおわりに主要参考文献一覧
著者プロフィール菅野朋子(かんの・ともこ)1963年生まれ。中央大学文学部卒業。カナダ、韓国に留学後、出版社勤務、「週刊文春」記者を経て現在はフリーライター。2004年より韓国に在住し、韓国社会の「本音」を日本に発信し続けている。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)
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