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2014年1月18日土曜日

書評『地獄へようこそ ― タイ刑務所/2700日の恐怖』(コリン・マーティン、一木久生訳、作品社、2008)― 無実の罪で投獄された白人ビジネスマンが手記につづるタイの刑務所の恐るべき実態



『地獄へようこそ  ―  タイ刑務所/2700日の恐怖』(コリン・マーティン、一木久生訳、作品社、2008)の原題は Welcome to Hell : One Man's Fight For Life Inside The Bangkok Hilton,  by Colin Martin, 2005.

日本語訳タイトルは原著の直訳であるが、副題は「ある男のバンコク・ヒルトン内部で人生を賭けた闘い」である。まさにそれが「生存をかけ闘い」であることは本書を読むのが一番である。

バンコク・ヒルトン(The Bangkok Hilton)というスラングが英語にはある。もっぱらバンコク在住の「ファラン」たちのあいだで使われている。ファランとはタイ語で白人のことだが、フランス人を意味するフランセが語源だ。

もちろん、「バンコク・ヒルトン」は外資系高級ホテルのヒルトンのことではない。バンコク刑務所のことを指している。そこでは「快適な生活」が保障されるということだ。

著者は無実の罪で逮捕され、バンコクのツーリスト・ポリスで拷問を受け、投獄されたあげく、地獄のような環境のなかで2700日、すなわち約8年(!)の月日を持ちこたえたことを記している。

著者はアイルランド人ビジネスマン。タイのバンコクに本拠を置く詐欺組織に騙され、全財産を失っただけでなく、自力で犯人グループを追うなかで、その一人と取っ組み合いになって殴り殺してしまう。正当防衛ゆえの過失(?)と著者は主張するのだが・・・。

本書の前半は、著者の申告どおり受け取るにはやや疑問がなくはないのだが、白人が白人に騙されるケースもあるのだと知ることは意味のあることだと思う。というのも、バンコクでは日本人が日本人に騙されるケースが後を絶たないからだ。どうしても同じようなバックグラウンドをもっていて同じコトバをしゃべる同朋に安心してしまうのは洋の東西を問わないようだ。

著者を騙してカネを巻き上げた白人男もいくつもの偽名をつかっており、その「不良白人」ぶりには読んでいてあっけにとられる思いをする。

本書の後半は、「バンコク・ヒルトン」の内部での著者の体験を赤裸々に記したものだ。

読んでいて思うのは、これはインサイダーとして体験した者にしか書けないものだなということだ。ディテールの描写がこれでもかこれでもかと続きウンザリしなくもないのだが、タイの監獄の腐敗と不正ぶりにはなんともやってられない気分になる。まるで江戸時代の牢屋のような印象を受ける。

また、おざなりな裁判制度、法治国家ではあるが末端の組織では法律が法律として機能していない。すべてが見て見ぬ振りされているという実態・・・。

とにかくカネがすべてなのである。刑務所向けの予算がついてもすべて獄吏に着服されて受刑者にはいきわたらない現実。なにかあればカネ、カネ。カネさえあれば刑期さえ短くなる可能性もある。「地獄の沙汰もカネ次第」とはまさにこのことだ。

この本に書かれたことがただしいかどうかはわたしには判断しかねるが、もしただしいのであるならば、とにかくタイでは逮捕されないこと、投獄されないこと。犯罪を犯さないことはもちろん、事件に巻き込まれないこともきわめて重要だ。商売敵(がたき)に陥れられるケースは少なくない。

著者も刑務所のなかから裁判を起こしているが、日本よりもスピードがはるかに遅く、かつ真剣さの欠ける法律関係者のため、裁判で勝つのは容易ではない。ましてや外国人であればなおさらであろう。

日本は欧米先進国にくらべて人権後進国だとよく批判されるが、タイの現状はその比ではない。タイ以外の発展途上国もまた似て寄ったりというべきだろう。

読んでいて不快感を覚える描写もなくはないが、こういう本を読んでおくことは、自衛というセキュリティ感覚を向上させるために必要である。「バンコク・ヒルトン」の快適さは、生半可なものではないのだ。


(画像をクリック!)


目 次

序章 賄賂と投獄の選択
第1章 生い立ち
第2章 詐欺の全貌
第3章 執念の捜索
第4章 首謀者を追い詰める
第5章 意外な展開-用心棒の死
第6章 恐怖の拷問
第7章 果たして殺人か?
第8章 地獄への一歩
第9章 刑務所-ジャングルの掟
第10章 初公判
第11章 悪の巣窟-暴力・ギャンブル・レイプ
第12章 刑務所からの告発
第13章 判決
第14章 看守の暴力支配
第15章 結核との闘い
第16章 ムエタイとの出会い
第17章 敗北と恩赦
第18章 過去との決別
終章 明日に向かって
謝辞
訳者解説


著者プロフィール  

コリン・マーティン(Colin Martin)
イギリス生まれのアイルランド人。15歳でアイルランドに戻り、その後再びイギリスに渡って溶接工として働く。結婚し、2人の子供を得たのちにオランダで「スペクタック溶接建設」を起こす。1994年にタイに拠点をおく「海外建設サービス(OCS)」と取り引きをするためにタイに渡航。しかし、これは完全な詐欺で、全財産を騙し取られてしまう。以降、犯人グループ、タイ警察・裁判所・監獄システムの腐敗と7年半に渡って戦う (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
翻訳者:一木久生(いちき・ひさお)早稲田大学文学部西洋史学科卒業。出版社勤務を経てフリージャーナリストへ。カンボジア内戦のとき、タイのカンボジア難民キャンプ、ラオス難民キャンプ等を取材。その後、教職を経て再びフリージャーナリストとしてアイルランド各地を回り一年半滞在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

タイ映画 『わすれな歌』(英語タイトル:Mon-Rak Transistor)に、主人公の田舎のタイ青年が収監されて臭い飯を食うシーンがある



PS タイの監獄に収容されていた日本人元死刑囚の手記が出た

『求刑死刑 タイ・重罪犯専用刑務所から生還した男』(竹澤恒男、彩図社、2017)という本がそれだ。

著者プロフィールには、「栃木県O市でアジア雑貨店を経営。仕入れのために日本とタイを行き来するうちに、ヤーバー(錠剤型覚せい剤)の密輸に手を染めるようになる。2002年12月、バンコクのドンムアン空港で逮捕され、一審で求刑死刑、判決終身刑。二審で懲役30年に減刑され、タイのバンクワン刑務所に服役する。2016年9月、服役14年で、特赦により釈放帰国。」とある。

ぜひ、『地獄へようこそ-タイ刑務所/2700日の恐怖-』(コリン・マーティン、一木久生訳、作品社、2008)と内容を読み比べてみたいものだ。(2017年9月14日 記す)






<ブログ内関連記事>

書評 『タイに渡った鑑識捜査官-妻がくれた第二の人生-』(戸島国雄、並木書房、2011)-「鑑識36年」の著者がタイで体験したマッチョで無茶な生き様

タイのあれこれ (23) DVDで視聴可能なタイの映画-① ムエタイもの、② バイオレンス・アクションもの

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い

アジア進出に際しては「失敗事例」を押さえたうえで「成功方法」を考えよう-『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?』 と 『アジアで成功する企業家の知恵』を読む

タイのあれこれ 総目次 (1)~(26)+番外編


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2009年12月4日金曜日

タイのあれこれ (26) タイ好きなら絶対に必携のサブカル写真集 Very Thai (とってもタイ)




 バンコク在住の日本人は、タイ語はもちろんのこと英語の書籍も読む人は少ないでしょうが、 Very Thai: Everyday Popular Culture は絶対のイチオシですね!!

 著者 Philip Cornwell-Smith も写真家 John Goss もファラン(=白人)ですが、実にタイ社会のなかに入り込んで、タイの大衆文化を網羅的に拾い上げて、一冊の百科事典のようなビジュアル本に仕立て上げました。

 2005年にタイで初版がでたこの本は、バンコクでは紀伊国屋書店でも、Asia Books でも英語書籍を扱っている書店なら、山のように平積みになっているので、すぐににわかります。

 価格はB995、日本円で3,000円弱ですが、カラー写真が満載で、これ一冊でタイのサブカルチャーはすべて網羅している、といってもいいでしょう。

 タイ・サブカルチャー百科事典といってもいいような本に仕上がっています。写真集として眺めるだけでもいいでしょう。amazon.co.jp から購入することも可能です。

 『美しき日本の残像』(新潮社、1993 現在は朝日文庫 2000)の著者アレックス・カー(Alex Kerr)が序文のなかで、「この本こそ、私がタイにはじめて来たとき欲しかった本だ。この本を読むことで長年の疑問が氷解した」といってるほどの内容です。

 日本で育ち、米国の大学で美術史を学んだ後、京都の亀岡に住んでいた、アジア美術愛好家のアレックス・カーは、もはや住む場所としては日本を見限って(?)、タイ北部・旧ランナー王国の古都チェンマイに移住しましたが、現在は京都とバンコクを拠点に活動しているようです。おそらくこのアメリカ人は、日本とタイに相通じるものを見いだしているのでしょう。

 そんなアレックス・カーの新著が、Bangkok Found: Reflections on the City, River Books, 2010 です。バンコクの英文出版社からの出版なので、来年初頭にも店頭に並ぶことでしょう。楽しみです。

 『とってもタイ-大衆文化百科事典-』とでも日本語版タイトルをつけておきましょうか、本書はアレッス・カーのいうように、私の長年もっていた疑問にほぼすべて答えてくれる内容をっています。こういう本がなぜ日本人には書けないのか?不思議ですねー。

 前書きによれば、本書の成り立ちと構成は、写真家が自分の興味のままに撮影した大量の写真に、著者が項目を整理し、解説文をつけたものとのことです。二人ともバンコクに立ち寄ったが最後、タイのとりこになってしまい、以後ずっとバンコクに在住しているようです。

 項目をあげておきましょう。大項目は、Street(ストリート)、Personal(パーソナル)、Ritual(儀礼)、Sanuk(サヌック:タイ語で心地よさ、の意味) の4つ。
小項目は66項目、せっかくなので、小項目のタイトルを日本語に訳して紹介しておきましょう。

 
◆ストリート
  ●串ものの食事-ストリート・フードはいつも手近なところにある
  ●ビニール袋につめたドリンク-のどの渇きはジュース、お茶、ハーバル風味で
  ●シュガー-甘さに充ち満ちた国
  ●ピンクのティッシュ-説明されたテーブルトップ
  ●虫の楽しみ-農民にとってのタンパク源が都市住民のスナックに
  ●屋台の小売-屋台は動き、経済も動く
  ●ロングテール・ボートとバージ-水上生活の民の本能が地上生活を導く
  ●トラック・アートとバス・アート-車輌をカスタマイズして美化し、防御する
  ●モーターサイのジャケット-バイクでホップし、交通渋滞をビートする
  ●トゥクトゥク-モーター駆動の三輪車は国宝モノ
  ●フェアリー・ライト-キラキラ光る電球と蛍光灯で夜を彩る
  ●グレコローマン様式の建築-クラシックな上品さでタイをドレスアップ
  ●ゲートと鉄格子-境界線を美しくマーキングする
  ●守衛-制服を着た whistle-happy man (警笛を鳴らすのが好きな男?)
  ●盲目の音楽バンド-ストリートに喜びをもたらす
  ●路上の動物-都会の動物園:ネコ、イヌ、トリ、ヘビ、ゾウ
  ●青いパイプと垂れ下がる電線-見た目の汚染というヘンなアート
  ●ゴミのリサイクル-フリーランスのゴミ拾いが廃棄物を最大利用

 ◆パーソナル
  ●制服(ユニフォーム)-みんなと同じ格好をする喜び
  ●ハイソ-ハイソサエティの内幕:著名なファミリーと成金
  ●ニックネームと名刺-タイ人が互いをどう呼び合うかは、幸運か、リズミカルか、かわいいかは別として重要事項
  ●女性の身だしなみ-女性のドレスは非常に重要で、ある種の国家安全保障でもある
  ●男性の身だしなみ-男にとっても見た目は重要
  ●カトゥーイとトムディー-男女を超えた"仮装の天使たち"
  ●マッサージ-癒しとリラックスのための古来の技法
  ●鼻スースー(インヘイラー)-アロマセラピーは日々の習慣
  ●鼻キッス-ロマンティックだろうが、慇懃だろうが、かわいいものだろうが、hom kaem はハートを持ち上げる
  ●村落の室内装飾-枕、ジグソー、滝のポスターがタイの地方を慰める
  ●楽しみの家具-イスをリメイクする・・タイ人の座り方
  ●タイ語アルファベット表-ガイは鳥、カイは卵
  ●鉢植えガーデン-幸運とライフスタイルのための持ち運べる植物
  ●プードル・ブッシュ-ファンシーな刈り込み植物(トピアリー)と小さなロック・ガーデン
  ●かわいい-マンガのマスコットというサブカルチャー
  ●タイ・ドリーム-タイ人のライフスタイルはショッピング・モールへ、郊外へ、ゴルフ場へ
  
 ◆儀礼
  ●ロイヤル・ポートレート-歴代の国王と現国王の肖像画がタイ人のアイデンティティ感覚を表現している
  ●ガルーダ(神鳥)-王室の認可のもと、鳥人間が銀行を、会社を、電柱を装飾する
  ●曜日ごとのテーマ-曜日の色と八曜日を生き抜くためのガイド
  ●タンブン・セット-スーパーマーケットの聖なるコーナーにある、お布施のためのお買い物
  ●お守り収集家-幸運のお守りはライフスタイル
  ●タクシーの祭壇-自動車保険としてのカラフルなスピリチュアル・ワールド
  ●マジカル・タットゥー-肌に刻んだ呪文が無敵にする
  ●パラッ・キッ(Palad Khik)-男根の形をした魔除けのもつ永遠のチカラ
  ●商売繁盛のお守り-商売人はマジックを使ってお金を使わせる
  ●ナン・クワッ(Nang Kwak)-手招きレディー人形が商売繁盛と愛をもたらす
  ●ラッキーナンバー9-数字学はデジタル時代に進化する
  ●運勢占い-星占い、カード占い、ほくろ占いで知る運勢
  ●霊媒とシャマン-超能力をもったコンサルタントは古代の癒しを現代社会にもちこむ
  ●ゴースト・ストーリー-幽霊屋敷、休らかでない魂と超自然的メロドラマ
  ●モダンな祠-精霊は現代生活のテンポにペースをあわせる

 ◆サヌック(・・タイ語で楽しいことを意味する名詞)
  ●お寺の市(いち)-一切合切すべてが集まる場所
  ●お祭り-古代の祭式、作られた伝統、パーティ用に輸入されたもの
  ●賭博-富くじ、ポーカー賭博にサッカー賭博
  ●動物コンテスト-水牛、カブトムシ、闘鶏、サカナ
  ●ムエタイ-タイのキックボクシングはリングサイドの儀式からグローバルなポップ・カルチャーの偶像へと蹴り込み、殴り込む
  ●ビューティー・クイーン-一日一回以上開催されるページェント、美は真剣勝負
  ●ルーク・トゥン(タイ演歌)とモーラム(民謡)-タイのカントリー・ミュージックは古代の歌謡スタイルをラスヴェガス風にけばけばしく
  ●コメディ・カフェ-"微笑みの国"を微笑ませるものは
  ●ウィスキー・ミキサー-ナイトライフのエチケット:シェアするドリンク、クラブ、壁のないバー
  ●レッド・ブル-スタミナドリンクが国中を燃料補給
  ●ヤア・ドン(Yaa Dong)-葉っぱ系ドラッグとアルコールとセックスが一本の瓶のなかに
  ●海辺のサヌック-ビーチの人生
  ●マルチ・タレントのセレブたち-ファッション、ポップ、演技・・・すべて同時に有名になる方法
  ●ソープ・オペラ-お決まりの内容の連ドラがタイのシークレット・ライフを明るみに出す
  ●生活の歌(=タイのロックバンド「カラバオ」)-1970年の学生反乱のサウンドトラック、タイのフォーク・ブルースは関連をつづける
  ●インディー化するT-Pop-いかにして大衆向けエンターテインメントはポップに向かい、サブカルチャーを産みだし、アートになろうとしているか


 以上で紹介を終わります。詳細にみていくと日本の大衆文化との共通性や違いがわかって、非常に興味深いがあります。
 タイ好きな人には、この写真集は必携です。ぜひ家庭に一冊!

 また、これをもって、長々と描き続けてきた 「タイのあれこれ」 は、とりあえず終了といたします。

 タイはもちろん好きで、おそらく一生かかわることになると思いますが、当面は遊びに行く場所とのみとし、仕事をする場所とはしないつもりです。

 そう、お気楽なサバーイ・サバーイな"タイ大好き人間"として、今後はとくに北部の辺境地帯を中心にいろいろ回ってみたい、とうのが現在の私の夢です。

 とはいっても先立つものはカネとヒマ、当面はこの両者ともになさそうですが・・・

 「タイランド、遠くにありて思うもの」、でしょうかね。






<関連サイト>

Very Thai: Everyday Popular Culture - The interactive version of the bestselling book by Philip Cornwel-Smith
・・このサイトによれば、Tottemo Thai というタイトルで2008年には日本語版がでると書いてあるが、いまに至るまでその気配はない。たんなるジョークかもしれないが。(2013年1月31日 記す)


<ブログ内関連記事>

タイ好きなら絶対に見逃せない写真集 『Very Thai』(とってもタイ)の増補改訂第2版が2012年12月6日に発売
・・現時点(2013年1月31日)では出版された気配はない。
・・(追記) 2013年10月16日にでるとamazonにはあるが・・・ こののんびりペースはいかにも「とってもタイ」(Very Thai)ではありますねえ(2013年9月2日 記す)



<ブログ内関連記事>

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)





end

2009年12月3日木曜日

タイのあれこれ (25) DVDで視聴可能なタイの映画  ④人生もの=恋愛もの


        
 1997年の「アジア金融危機」の引き金を引いたタイは、IMF(国際通貨基金)の管理下におかれ、多くの国民が苦しい生活を強いられましたが、一方では経済界において新旧財閥の世代交代が一気に進行し、旧来からのエスタブリッシュメントが没落した反面、タクシン元首相などの新興財閥がのし上がってきました。

 文化面においても、ニューウェイブの映画監督が次から次へと新作を発表し、タイ映画を国際的にも確固たる位置を占めるまでに上げました。

 経済と文化における、同時並行的な現象だったといってよいでしょう

 経済的にはすでに"中進国"となり、多くの国民、とくにバンコク市民は、これまでの過ぎ来し方を振り返るノスタルジーを感じるようになってきたわけですね。高度成長が一段落したあとの日本と同じ状況になってきたといっていいでしょう。難しくいえば、ポストモダン(=後近代)的な状況になってきた、と。

 今回は、そんななかでもノスタルジーに満ちた、いまはもはや失われた、また失われつつある世界を描いた名作映画を紹介しておきましょう。

 経済的には貧しかったあの頃はよかった、という気持ちが国民のなかにでてきたとき、人生の哀歓を描いた映画が人気になってくるわけですね。人生の哀歓のなかには当然のことながら恋愛はきわめて重要な要素ですので、人生ものはイコール恋愛ものだといっても問題はないでしょう。

◆『わすれな歌』(英語タイトル:Mon-Rak Transistor) 製作公開2001年 178分 
 監督・脚本:ペンエーグ・ラッタナルアーン 製作:ノンスィー・ニミブット、ドゥアンガモン・リムジャルーン
 タイ版トレーラー YouTubeに英語字幕つきの映像を14分割で日本人によるアップあり


 日本でいえば昭和30年代といった雰囲気に充ち満ちた世界。流れるのはルーク・トゥン(タイ演歌)、地方の一般庶民の人生の泣き笑い、この手の映画のなかでは最高にいいですね。

 田舎に帰りたい、徴兵のため置いてきた妻に早く会いたい、という気持ちが強まれば強まるほど、結果として主人公はとんでもない回り道の、数奇なオディッセイを強いられることになり・・・

 ノスタルジックな映像と現実のバンコクとの対比、バンコク以外のタイ人の人生を知るには映像資料としても素晴らしい作品になっています。笑えて、しかもしみじみした気分になれる、何度もみたい映画の1つですね。最後は、まあある意味ではハッピーエンドで終わるので安心してみてください。日本版のタイトルがまた素晴らしいですねえ。本当に優れものです。

 先に②バイオレンス・アクションもので紹介した『6ixtynin9』のペンエーグ監督の作品。この人は本当に才人ですね。


◆『フェーンチャン 僕の恋人』 製作公開2005年 108分
 監督・脚本:コムグリット・ドゥリーウィモン他
 日本版公式サイト(トレーラも用意されています)
 タイ版トレーラー
 YouTube に11分割で日本語字幕版がアップされています。

 最近の新しい傾向の、ノスタルジックな少年時代の淡い思い出の物語。

 タイ版の『小さな恋のメロディ』というコピーがつけられていますが、まったくそのとおりの内容。日本で大ヒットした、ビージーズによる主題歌 Melody Fair を思い出して懐かしいですねー

 内容は「小さな恋のメロディ」、舞台は1970年代初めの英国から1980年代のタイの地方都市に移動。しかし、どちらかというと日本のマンガでアニメの「ドラえもん」の世界そのものに思えます。のび太にしずかちゃん、ジャイアン・・・

 ちょっと甘くて、ちょっと切ない、アジア人には実に懐かしい世界を描いていますね。台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『恋恋風塵』とは風合いの違う作品ですが。


◆『クー・ガム』(日本語タイトル:「メナムの残照」) 製作公開1996年 
 監督:ユッタナー・ムクダーサニット 
 ドラマ版(1990)のオープニング映像

 『クー・ガム』とは運命の二人という意味、トムヤンティ原作の定番のメロドラマ。

 大東亜戦争時、タイに駐留していた日本軍の軍人とタイ人女性との悲恋もの。当時、日本は同盟国タイに軍隊を駐留させる許可をえて拠点とし、英国の植民地であったビルマで英軍と死闘を演じたことは、私もこのブログで何度もふれています。

 主人公のコボリ(小堀)海軍中尉は、恋人が「自由タイ運動」にかかわったまま行方不明となっていたタイ人のアンスマリンと反発し合いながらも惹かれあい、ついには結婚することになります。しかし、敗戦間近の日本軍は英軍によるバンコク空爆で打撃を被り、海軍軍人であったコボリも・・・

 何度も繰り返し製作されていますが、ここではタイの国民歌手バード・トンチャイがコボリ役を演じた、1995年製作のものを紹介しておきましょう。1990年のドラマを1995年に映画版として製作したものです。คู่กรรม Sunset at Chaopraya 1(英語字幕つき)

 セリフの半分くらいは日本語で、主役を演じたバードのセリフも多くは吹き替えのようですが、主題歌はタイ語と日本語で歌っています。

 タイででていたVCD版も廃盤(?)のようで残念ですね。日タイ友好のため、こういう作品こそ日本でDVD販売すべきだと思うのですが・・

 それはさておき、もしあなたが小堀という名字の男性なら、タイでは間違いなくモテモテですよ。


◆『ジャン・ダラ』(晩嬢 Jan Dara) 製作公開2001年 113分  
 監督:ノンスィー・ニミブット 
 トレーラーがみつからないのでミュージック・ビデオあげておきます。
 YouTubeに英語字幕つきの映像が2から7までアップされてます。いつ記されるかわかりませんが。


 日本公開の際もR-18指定となった、どろどろとした愛憎と濁った血の支配する、アジア的情念の世界を描いた映画。原作の小説は、タイでは大きな物議を醸したという文学作品とのこと。

 こちらは20世紀初頭の貴族の世界、複雑な家庭環境のなか少年時代を過ごした主人公は、父親(・・実の父親ではないことがのちにわかる)との生涯にわたる激しい葛藤のなか大人となって家をでることになるが、父親が死んで自分が家を継いでから再び、父親が背負ったカルマ(業)を繰り返すことになるに・・・輪廻は続く。

 まあこういった内容でしょうか。ほんとうにどろどろとした人間関係、エロチックな爛れた生活・・とよくここまでタイで映像化できたな、と思わされます。

 文学的な映画が好きな人にはおすすめですね。後味はあまりよくはないかもしれませんが。


 なお、⑤カトゥーイ×スポーツもの では、『ビューティフル・ボーイ』と『アッタク・ナンバーハーフ』を紹介しましたが、これも広い意味では「人生もの」にしてもいいかもしれません。
 ⑥怪奇映画 では、『ナンナーク』、『フェート(双生児)』、『心霊写真』を紹介済みですので、そちらをご参照願います。このジャンルには、日本で公開されていないような作品がまだまだたくさんありそうです。

 タイ映画にかんしては、インターネットのウェブサイトやブログ以外では情報がないのは困ったことですが、現在入手可能な、ほぼ唯一の日本語文献が下記のものです。

 『パーフェクト・タイムービー・ガイド』(アジンコート出版、2003)  残念ながら一般書店ではまず見ないし、 amazon などのネット書店での取り扱いもありません。東京なら神保町のアジア文庫にて購入可能です(通販も可能)。

 昨年2008年に東京・六本木で開催された東京・六本木で開催された映画祭「タイ式シネマ☆パラダイス」で上映された映画が、今年になって次々とDVD化されているのはうれしい限りです。それだけ、タイ映画も確固たる位置を日本人のなかに見いだしたということでしょうか。

 タイ国内でVCD(=Video CD)で入手可能な作品もありますが、日本語でも英語でもサブタイトル(=字幕)がついていないのが当たり前です。それでも見てみたいということであれば、インターネット上のタイCD&DVD専門店は複数あるので、そちらから購入するとよいでしょう。

 ほかにもまだまだ素晴らしいタイ映画もありますが、きりがないのでこれくらいで終わりにしておきましょう。

             

* タイのあれこれも、いよいよ次回(26)が最終回




<ブログ内関連記事>

タイのあれこれ (23) DVDで視聴可能なタイの映画-① ムエタイもの、② バイオレンス・アクションもの

タイのあれこれ (24) DVDで視聴可能なタイの映画-③ 歴史もの

書評 『怪奇映画天国アジア』(四方田犬彦、白水社、2009)-タイのあれこれ 番外編-

タイのあれこれ (19) カトゥーイ(=トランスジェンダー)の存在感
・・カトゥーイものの映画2本を紹介


「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)





end

2009年12月1日火曜日

タイのあれこれ (23) DVDで視聴可能なタイの映画-① ムエタイもの、② バイオレンス・アクションもの


    
 これまで「タイのあれこれ」と題して、ガイドブックには載っていないようなネタを中心に取り上げ、それぞれのテーマに関連する映画の紹介も行ってきました。今回は「タイの映画」と題して、まとめて紹介を行っておきましょう。以下のテーマでジャンルを分類しておきましょう。
  
① ムエタイもの
② バイオレンス・アクションもの
③ 歴史もの
④ 人生もの(恋愛もの含む)
⑤ カトゥーイ×スポーツもの:「タイのあれこれ (19)」
⑥ 怪奇映画:「書評『怪奇映画天国アジア』」

 すでに紹介した⑤と⑥を除き、①から④までを、これから3回にわけて紹介します。
 基本的に、日本でDVDが発売されているものを中心に、映画祭などで過去に上映された作品も加えておきます。


① ムエタイもの

◆『マッハ!!!』(原題:オン・バク Ong Bak) 製作公開2004年 監督・製作:プラチャヤー・ピンゲーオ、主演:トニー・ジャー
◆『トム・ヤム・クン』(英語タイトル:The Protector)製作公開2005年 同上


 個人的に格闘技好きなので、何よりもまず、ムエタイ映画をあげておきましょう。ムエタイは一時期日本では、キックボクシングといわれたこともありますが、タイの国技です。

 ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リーと続いた香港・中国出身のカンフー映画に、中華文明圏以外からは初めて(・・まあタイも広い意味では中華文明圏といえるのかな)でてきたのが、この2つの映画で主役を演じた、タイのトニー・ジャーです。

 ちなみに、ブルース・リーの一つである 『ドラゴン危機一髪』(1971年 原題:唐山大兄 The Big Boss)の舞台設定が、中国人の出稼ぎ先であるバンコクを舞台にしているのも、何かしら感慨深いものがありますね。

 タイではすべての若者が、ムエタイの心得があるわけではありません。日本人がすべて空手の心得があるのではないのと同じです。主にイサーンなど地方出身の若者が一攫千金を狙って精進しているものです。ムエタイの試合を見に行った人は知っていると思いますが、たとえばルンピニ・スタジアムなどでも、観客は試合内容そのものではなく、ギャンブルとして観戦しているのが実態です。試合自体、大技がでることはまずありません。

 その点、とくに『マッハ』では、もともとが白兵戦において実戦使用された人間兵器である、古式ムエタイの技が次から次へと繰り出されるので、格闘技ファンにはたまりませんねえ。古式ムエタイの心髄が単なる蹴り技でなく、破壊力の観点から、ヒジ打ちとヒザ蹴りにあることがわかります。


 さて、『マッハ』は、村のお寺から盗まれた仏像の頭を取り戻すためにヤクザ組織と闘う主人公の八面六臂のアクションもの。日本版トレーラー、英国版トレーラーを参照。

 『トムヤンクン』は、大事にしていた親子の象2頭をチィニーズ・マフィアの国際犯罪組織に盗まれた主人公がオーストラリアまで奪い返しにいくストーリーです。日本版トレーラー、米国版トレーラーを参照。シドニーを舞台に、アジア人どうし(タイ人 vs. ベトナム人)の抗争も交えて、なかなか見応えのある内容になっています。ただし、技にかんしては、ムエタイ+合気道といったかんじなので、『マッハ』のほうが上でしょう。

 ちなみに、『マッハ』の主演のトニー・ジャーは日本でいうと織田裕二みたいな風貌ですが、バンコクではあまり好まれない容貌です。イサーン出身の主人公という設定がされるのも、そのためでしょう。どちらかというとジャニーズ系のイケメンが好まれるのは、韓国や最近の日本(・・いや一時期個性がもてはやされた時期を除けば一貫して)と同じですね。  

 また相方を務めるのは、イラストレーターの南伸坊を顔を少し小さくしたようなペットターイ・ウォンカムラオ(愛称マム)は、タイのTVによくでている有名なコメディアンですね。

 映画のなかでトニー・ジャーが、白人の大男どもををぶちかますーンに溜飲がさげるのは、全アジア人男性共通の感想でしょう。

 ムエタイものは、広い意味ではアクションもの、バイオレンス・アクションものといえるかもしれませんが、あえて別分類としておきました。


② バイオレンス・アクションもの

◆『レイン』(原題:Bangkok Dangerous) 製作公開1999年 製作:ノンスィー・ニミブット、監督・脚本・編集:オクサイド&ダニー・パン 米国版トレーラー
◆『6ixtynin9 シックスティナイン』 製作公開1999年 監督・製作・脚本:ペンエーグ・ラッタナルアーン タイ版トレーラー
◆『デッド・アウェイ-バンコク大捜査線-』 製作公開1999年 監督:チャルーム・ウォンピム


 BKK(バンコク)はL.A.(ロサンゼルス)なのか!? という気にさせられる、バイオレンス・アクションものも、ひとつの大きな映画ジャンルです。

 日本人がタイに抱いているイメージは、依然として"微笑みの国"でしょうが、実際のタイは、"犯罪発生率"(・・あくまでも発生率です、発生件数ではありません)は実に日本の約7倍(!)、とくに銃器を使用した犯罪は日常茶飯事というのが実態です。毎日のように殺人事件の話が新聞にのっています。

 なんせ、タクシー運転手でも護身のためにピストルをもっているものさえいます。バイオレンスは決して映画のなかだけではないのです。米国とかわりません。

 もちろん、バンコクは夜中歩けないなんてことはありませんが、凶悪犯罪が多いのも否定できない事実です。麻薬(クスリ)がらみの犯罪、ディスコでの発砲事件、若者どうしの銃撃戦、深夜未明のカーチェイス、強姦事件・・・なんでもありですね。とくにラチャダー・ソイ4といえば、東京だと新宿・歌舞伎町のイメージでしょうか。

 なんで仏教国のタイが、なぜそんなに犯罪が多いのか、殺人は仏教の"殺生戒"に反するのではないか・・・なんて考えてみたところで、詮ない話でしょう。弱きもの、なんじの名は人間というのが、仏教世界のみならず、どの国でも偽らざる実態であります。

 しかしそうはいっても、見境なく人を殺したり、いとも簡単に銃を発砲する輩が少なくないのも事実です。"微笑みの国"の住民であるタイ人は、普段は虫も殺さぬようなおとなしさを示していますが、いったんスイッチが入ると、ぶち切れ方は日本人の比ではないでしょう。路上でつかみ合いのケンカをしている二人の女を目撃したことがありますが、すさまじいものではありましたね。タイに限らず、東南アジア全般にいえることのようです。基本的に暑い地域ですから、血も沸騰しやすい。だから、つねに"ジャイ・ジェン・ジェン"(冷静に!落ち着け!)と諭されるわけです。

 しかし、米国や日本のように、いわゆる"無差別大量殺人"はほとんど発生していません。バンコクにいた際に、東京の秋葉原の無差別殺人事件のニュースを知りましたが、本当に背筋の凍る思いでした。バンコクではああいう事件はまず発生することはないでしょう。

 殺人事件の大半が、三角関係のもつれという個人的な事情によるものです。あとは雇われたプロの殺し屋による商売ガタキ暗殺、対立する政治家の暗殺など、因果関係の比較的明快な殺人事件が多いのもタイの特徴でしょう。基本的に外国人を巻き込んだ殺人事件は少ないので、その点は安心(?)です。

 バイオレンス・アクションものは、その意味では、リアリティがあるわけです。これからも、バンコクを舞台にして今後もまだまだ大量に製作されていくことでしょう。華人世界を通じて、アンダーグラウンドでは、バンコクは香港やその他中華圏の犯罪組織とつながっていますし、なんせ"ゴールデン・トライアングル"を抱えているので、麻薬関連の話は尽きることがありません。

 というわけで、バイオレンス・アクションものはネタが尽きることがないわけです。決して荒唐無稽なお話でもないわけですが、もちろんアクションですので誇張表現はされていますが。


 さて、日本公開時のタイトルが『レイン』となっていた映画ですが、原題は Bangkok Dangerous、昨年公開されたニコラス・ケイジ主演の『バンコク・デンジャラス』はそのリメイクです。昨年はニコラス・ケイジのものもバンコクで公開されていましたが、私は見ていないので論評しようがありません。

 内容は、耳の聞こえない青年の殺し屋が、次から次へとターゲットをヒットしていく。ふと知り合った女性と自分の正体を隠して付き合うが・・・。バイオレンス・アクションものでは、最高にクールな作品です。何度も見たい映画の1つですね。

 『6ixtynin9 シックスティナイン』ときいて、エロと想像する人がいたら、それは違うことを考えてますよ(笑)。内容は、リストラされた女性社員に偶然もたらされた大金をめぐって、次から次へと起こる不条理な事件に巻き込まれていくという、緊迫する展開のバイオレンス・アクション。これも脚本が実によく練られていて、見るものをぐいぐい引き込んでゆく内容です。これも記憶に残る作品。


 『デッド・アウェイ-バンコク大捜査線-』は、スケールの大きなバイオレンス。アクションもの。麻薬組織へのおとり捜査をする警察特殊部隊と犯罪組織との死闘を描く。エンターテインメントとしては、前二者にくらべると、趣味性が強くないので、一般的な観客にもわかりやすい内容といえるでしょう。

 バイオレンス・アクションものは大量に製作されています。タイの連ドラ(=連続ドラマ:タイ語でラコーン)でもこのテーマは多いですね。

 「DVDで視聴可能なタイの映画 ③ 歴史もの」に続きます。

 





<ブログ内関連記事>

タイのあれこれ (24) DVDで視聴可能なタイの映画-③ 歴史もの

タイのあれこれ (25) DVDで視聴可能なタイの映画 ④人生もの=恋愛もの

書評 『怪奇映画天国アジア』(四方田犬彦、白水社、2009)-タイのあれこれ 番外編-

タイのあれこれ (19) カトゥーイ(=トランスジェンダー)の存在感
・・カトゥーイものの映画2本を紹介

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)








(2012年7月3日発売の拙著です)









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2009年11月28日土曜日

タイのあれこれ (22) タイのCMにみる日本などなど




 かたい話が続いたので、ここらへんでちょっとCMタイムといたしましょうか。

 バンコクでTVをローカル放送のチャンネルでつけっぱなしにしたまま他のしていると、突然日本語の音声が流れてきてびっくりすることがあるんですねー

 ある日、いきなりアニメの「一休さんのテーマ曲」が日本語歌詞のまま流れてきてります。なんと、アニメの放送ではなく、CMだったのでした。

 タイのTVで、「ウルトラマン・タロウのテーマ曲」を日本語で聴いたときには感動したものです。作詞は阿久悠なんですね、テーマ曲は吹き替えなしでそのまま放送してます。

 CMでもへんちくりんな日本語ではなくて、ちゃんとした日本語なので、余計にびっくりするわけです。

 そんなCMをいくつか紹介しておきましょう。笑えるのもるし、洗練されたのもある。

 こんなCMをつうじて、いまのタイ人が、とくにバンコクのタイ人が日本をどう見ているのか、よくわかると思います。

 その昔、田中角栄首相が訪タイした際に、激しい反日運動が起こったなんてこと、もう日本人もタイ人も、誰も覚えてないんでしょうか。いまから40年近く前の話です。

 日本語を全面に出しているのは、日本企業のCMが多いですが、タイ企業も日系以外の外資系企業も、なんらかの形で"日本"(イップン)をウリにしている会社や製品がありますね。

 すでに"高度消費社会"となっているバンコクの生活シーンをかいまみる、またとない素材にもなっっているといっていいでしょう。


 ではまず OISHI のCMから。「おいしい」という社名の、日本を売りにしたタイの食品会社です。日本の資本はまったく入ってません。

◆OISHI ① 
 スッゴーイ内容ですね。驚くでしょ。タイではシャブシ(=しゃぶしゃぶ+すし)で有名。
◆OISHI ② 
 OISHI製品を食べてタダで日本へ行こう!というキャンペーンCM。社長自ら機長に扮してCMにでています。目立ちたがり屋ですねえ、でも辣腕のビジネスマンです。


 では次に、日本のキリンのペットボトルお茶の製品「生茶」(なまちゃ)のCM

◆KIRIN 生茶 ①
生茶先生バージョン。パンダの生徒たちがかわいいですねー、でも中国じゃなくて日本のCM
◆KIRIN 生茶 ②
 "タイの国民歌手"バード・トンチャイが、日本旅行で温泉宿へ。

 いくつになっても美青年ぶりが崩れない、日本でいえばジャニーズ事務所のお兄さん格、元少年隊の東山のようなバードです。たしかもう50歳を過ぎてるんですがねー

 『クーガム』(1995年)で日本の海軍中尉コボリ役を演じた際は、日本語を猛特訓したとか。サントラ・アルバムのなかでは、なんと「同期の桜」を日本語で歌っています。


 今度はオランダのコーヒーメーカー MOCCONA社の製品CMから。

◆MOCCONA TRIO "タイのはにかみ王子"アイスが登場。でも、日本色を全面に出すのが目的ではないようですね。タイのアイドル・スターが日本デビューで成功、というのがタイ人にもうれしいのかな、それを狙ったもの。日本語とタイ語の違いで笑いをとります。

 では、次はがらっと変わって、かなりエグイCMを。あらかじめご了承いただきたく。

◆Salz Habu Toothpaste 
 ライオンの歯磨き粉「ザルツ」。いやあ、エグイなあ、臭ってきそうな黒田節・・・すんまへん。

◆Shokubutsu for MEN 
 同じくライオンの製品ブランド 「植物物語」、こちらはメトロ・セクシュアルな美青年で。

◆「マキアージュ」  
 資生堂の製品ブランド「マキアージュ」。伊東美咲も登場してますねー、口直しになりましたでしょうか。

◆KTC JCB カード
 金城武(?)が日本語のセリフで、カッコおいいですねー。これはかなり洗練されたCMですね。クルンタイ・カード(KTC)とJCBの合弁企業です。

 いやあ、タイのCMも実にバラエティが広くて面白いですねー
 日本を全面に出したマーケティングがこれほど有効な国もないのではないでしょうか。
 
 ついでといってもなんですが、かならずしも日本がらみでなくても、実におもしろおかしいCMが豊富にあるのがタイのTVです。

 米国流のマーケティングと日本流のマーケティングのいずれか、あるいは両方の影響がみられて面白いですね。米国流が東京風の洗練されたものだとしたら、日本流は関西ノリですね。もちろん、簡単に分類はできませんが。

 とにかく、コトバはわからなくても、笑えるCMが多い。

 タイスキのチェーン店MK(エムケイ)のコマーシャル。日本ではCOCA(コカ)が有名ですが、店舗数の数においては圧倒的にMKが一番の人気店です。MKといえば京都ではタクシー会社の名前ですがお間違えなく。

◆MK ①
 店舗編。CMにも一部でてきますが、従業員が全員で踊るショータイムがあるのもMKの面白いところです。
◆MK ②
 タイスキ・セットのホームデリバリーサービス編。タイ語で数字の5は、ハーと発音します。ダジャレ系。
◆MK ③
 MKゴールド。華人系の小金持ち階層のようですね。
◆MK CM ④
 高校生の友情編。心温まる内容です。
 
 では次にB級CMから。

◆殺蚊剤ターター
 これは笑える!のキンチョールのCMにもこんなのがあったような気が・・。30秒バージョンはもっと面白いんですが、だれかアップしてくれないかな。東南アジアでは、蚊が媒介するデング熱は要注意です。

◆のど、ハナ、スッキリ! ホールズのど飴 
 タイの庶民には、こんなかんじの太ったおばちゃんがいますね。タイの女は強し。わかりやすいCMですね。これも日本では俳優の大泉滉が夫婦ででていたCMを思い出します。貧弱な夫にふとった奥さん。ダメおやじにオバタリアン。

◆激辛スナック TWISTIE
 この極端な誇張は、わざとらしいけど笑えますねー。ヒィ~ああ辛そう。

 最後に、ネスカフェのCMを。

◆NESCAFE Three in One
 さすがに欧米風で洗練されてますね。バンコクの外資系企業(・・日系ではなく、欧米系!)のオフィスのような)にて。やや、ひねった笑い。コーヒーが飲みたくなってきましたね。

 さあて、どうだったでしょうか。

 みなさんも、タイにいったらまず、ローカル局のTVをみてみましょう。タイのおもしろCM探してみてください。

 もちろん、YouTube にもいろいろアップされてますよ。


P.S.

インターネット TV でタイの TV がリアルタイムで見れます。
このファイルをクリックして見たいTV局を選んで下さい。ただしこのサイトは英語です。
http://wwitv.com/portal.htm?http://wwitv.com/television/204.htm
(2010年1月27日)



* タイのあれこれ(23)につづく。ついでに番外編もどうぞ



<ブログ内関連記事>

タイのあれこれ (3)-新聞という活字メディア
・・タイの外資系(日系含む)ビジネスパーソンは英字新聞を読む


「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)                   
     





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2009年11月25日水曜日

タイのあれこれ (19) カトゥーイ(=トランスジェンダー)の存在感





 タイの観光地パッタヤーで開催された、「ミス・インターナショナル・クイーン2009」大会で、日本人のニューハーフ・タレント、はるな愛が優勝したというニュースが先日報道されていた。

 私はこのニュースを知るまで、Miss International Queen というニューハーフの美を競うイベントの存在そのものすら知らなかったが、何はともあれ、日本人が優勝したというのは目出度いことだ。

 この話で重要なのは、タイで開催されている、ということである。

 いわゆるニューハーフ・ショーは、パッタヤーだけでなく、バンコクでも観光客に大人気で、マンボ(Manbo)やカリプゾ(Calypso)といった常設劇場は、日本人観光客だけでなく、とくに近年は中国人団体観光客がバスを連ねて連日のように来場している。

 私は、巨大エビの看板が目印の娯楽施設にあった、いまはなきラチャダ・キャバレー(Ratchada Cabaret)に友人たちと連れだって見に行ったことがあるが、タイのニューハーフ・ショーは一言でいってすごい!

 ものすごい美貌でスタイル抜群のニューハーフがこれでもか、これでもかと登場し、ブサ系のニューハーフの演目もあいだにはさんで、大いに笑わせ、楽しませてくれるのだ。演目は観客の属性に合わせて、最近は中国ものが多いようで、劇場内の説明も漢字が多い。

 芝居がはねると劇場の前にでて撮影会がある。本来ならここに写真を掲載したいところだが、個人撮影はカネをとるとかいうので断念した。いまから思うと、けちらずに撮影しておけばよかったのだが。

 性転換手術をしている超美貌のダンサーは、ほんとうにため息のでるほどの美しさで、圧倒されてしまう。


■夜のエンターテインメントは日本モデルを踏襲

 こうしたニューハーフ・ショーも、実は日本モデルらしい。夜の歓楽街のシステムなど、バンコクの娯楽産業は圧倒的に日本モデルの影響下にある。

 有名なタニヤ(Thaniya)という歓楽街は、日本の地方都市の一昔前の雰囲気を濃厚に醸し出しており、私より上の世代の人たちには妙に懐かしいものを感じさせるらしい。隣接するパッポン(Pat Phong)は欧米風であり、エリアで顧客層の棲み分けが完全にされている。パッポンにはいわゆるボーイズクラブなるものがあるが、私はいったことはない。

 また、タイのローカル・チャンネルの芸能バラエティ番組も、日本の影響なのかどうかわからないが関西風のドツキ漫才が多く、そういう番組には必ず下品で超ブッサイクなニューハーフがでてくる。私の日本人の友人など、子供がマネして困ると嘆くほどである。

 美輪明宏という先駆者的ロールモデルをもつ日本人からしてみれば、タイのTVでの露出やショーも含めた広い意味での芸能界のニューハーフにはそれほど驚きを感じないが、バンコクでの日常生活という側面でのニューハーフは、実体以上にプレゼンスが大きいという印象をうけるのは私だけではないようだ。


■タイ社会における「ニューハーフ」の存在感

 実際、百貨店一階の化粧品売り場の美容部員の多くはニューハーフだし、レストランのウェイトレス、ホテルのフロント、サービスカウンターなど、サービス系の職場には当たり前のように存在する。

 これは、オフィスでも例外ではない。あるビルのフードコートで昼食をとっていたときのことだ。ヒラヒラのついたちょっと流行遅れのブラウスなんか着て、女の子のあいだで違和感なくおしゃべりに耽っている若者がいたのだが、なんか妙だなと思っていたらニューハーフなのであった。そんな話は別に珍しくもないのだ。

  英国人研究者によるニューハーフへの参与観察型の聞きとり調査をもとにした The Third Sex: katoey-Thailand's Ladyboys(Richard Totman, Silkworm Books, 2003)(タイトルを日本語に訳せば『第三の性:カトゥーイ-タイのレディボーイたち』。残念ながら日本語訳はない)によれば、カトゥーイはタイの全人口の約 0.3%と推計されている。

 数字だけみれば限りなくマイノリティなのだが、日本より社会進出が進んでいるので多く存在するような印象を受けるのだろう。タイ人のほうが日本人よりさらに体毛が薄いから、余計にニューハーフ候補が多いのかもしれない、などと思ってもみる。

 そもそも、蚊の泣くような、消え入るような小声でしゃべるホテルのボーイとか珍しくないし、いわゆる"男らしい"男が見あたらないのもタイの特徴ではある。そのくせ男は浮気者で仕事に不熱心、遊ぶことしか考えてないのに対して、女は強く、しかも仕事もきちんとこなすのがタイの現実だ。

 サヌック(sanuk)という快楽原則が行動原理になっているタイ人らしいといえば、それまでなのだが。


■「第三の性」である「カトゥーイ」は「トランスジェンダー」

 ここまでニューハーフという和製英語をつかってきたが、彼らのことは、タイでは「カトゥーイ」(katoey)とよんでいる。タイでは、英語で ladyboy という表現も使われるが、正確には「トランスジェンダー」(transgender)のことである。

 トランスジェンダーとは、男でも女を超えた「第三の性」。性別という枠を越境した存在なのである。男と女の中間的存在といえようか。男であって女性的なのがカトゥーイ、女であって男性的なのをトムボーイという。英語の tomboy から来ているが意味は変容している。

 トランスジェンダーは病気ではない。最近日本でも話題になる性的同一障害(sexually identity disorder)と似ているが、異なる概念である。また、ホモセクシュアルを意味するゲイとも根本的に異なる。生物学的な意味での性、すなわちセックスとしては男に生まれながらも、意識の面では社会的な性であるジェンダーとしての女に憧れるという存在。

 性転換手術を受ける者もいるが、必ずしもすべてのカトゥーイがそれを望んでいるわけではないようだ。もちろん希望者は多く、以前に The Nation という英字紙で、「年少年は早まって手術を受けないように(!)」という警告をタイの専門医がしていたのを読んだことがある。タイは男性のアレを切ったり、つないだりする外科手術にかんしては、世界トップレベルの技術をもっているといわれている。

 近年はタイ社会の欧米化にともなって、タイ人のゲイもでてきているらしいが、主流はカトゥーイのようだ。

 カトゥーイは必ずしもタイ社会では好まれている存在とはいえないが、まあそういうものだ、という感じでそのまま受け入れられているように見える。



■「カトゥーイ」を主人公にしたタイ映画とタイ北部

 ニューウェイブのタイ映画の世界的ヒット作に、003年製作の『ビューティフル・ボーイ』(英語版タイトルは Beautiful Boxer)や 2000年製作の『アタック・ナンバーハーフ』(英語タイトルは Iron Lady だが、日本語版タイトルは実に秀逸だ!)といった、実話をもとにした映画がある。世界的にヒットしたことで、タイ社会でもカトゥーイの認知にかんしては変化がでてきているらしい。




 『ビューティフル・ボーイ』は、カトゥーイのムエタイ選手(!)の半生を描いた感動的な作品、『アタック・ナンバーハーフ』は一人を除いて全員がカトゥーイというバレーボールチームの奮闘を描いたコメディである。ともに日本でも公開されておりDVD化されているので、興味があればレンタル・ビデオ店で借りて視聴してみたらいいだろう。




 面白いことに、この映画は二つともタイ北部出身者の実話で、前者はチェンマイ周辺の農村出身の少年が主人公、後者はチェンマイから近いランパーンが舞台になっている。

 タイをフィールドワークしてきた文化人類学者の綾部恒雄は、「タイ国では男女の分業があまり明確に見られ」ず、「男女差の少なさは、中部タイよりも北部タイにおいてより顕著であり」と、『タイ族-その社会と文化-』(綾部恒雄、弘文堂、1971)で指摘しており、この指摘からはカトゥーイを生みだし受け入れる土壌が、とくに北部タイにはあるらしいことが推測される。



■トランスジェンダーをめぐる日本とタイの共通点

 タイの上座仏教では、人間の現世の存在はすべて「前世のカルマ(業:ごう)」のなせるわざであるとされ、多くのタイ人はそれを当たり前として受け取っている。こうした文脈のなかでは、カトゥーイに生まれたのも輪廻転生のヒトコマと受け取るのは、けっして不自然なことではないようだ。

 話は変わるが、最近の日本の流行語に「草食男子」というものがある。「日経ビジネスオンライン」で、コラムニストで編集者の深澤真紀氏が命名した、新世代の男子の分類だが、男女の性差があいまいになってきていることを、論じている。その理由として儒教の影響が薄れてきた、といっているが、その指摘は正しくない。

 中国語ではカトゥーイのことを、なんと"人妖"と表現するが、これは陰陽原理という二項対立的な世界観をに基づき、それによっては説明できないカトゥーイを怪物視したものの見方にほかならない。あいまいな中間領域をいっさい認めない、ある意味ではきわめて抑圧的な姿勢である。

 日本はもともと支配者のロジックであっった儒教の影響は表層的なものにとどまり、知識人を除けばまったく内面化しておらず、日本人は儒教国とはとてもいえないのである。儒教の影響力が低下したのではなく、日本は本来の姿に戻ってきているというべきだと私は考えている。

 また、本人もトランスジェンダーである三橋順子氏の『女装と日本人』(講談社現代新書、2008)という画期的な内容の日本文化史によれば、男でも女でもあるというダブル・ジェンダーは、日本では女装して南九州のクマソタケル兄弟を討ちとったヤマトタケルに現れているように、神話時代から一貫して存在しているのである。女装の男、男装の女によって演じられた日本の芸能は、けっして歌舞伎にはじまるものでなく、そもそもが有史以来今日まで一貫して続くものである。

 抑圧的な儒教の影響も思ったほど大きくなく、男性原理に基づく抑圧的なキリスト教の影響も小さい日本社会は、トランスジェンダーに対する態度においてタイに近いようだ。

 西洋近代化の道を選択したものの、ともに西洋の植民地とはならず、知識階層は別にして、一般民衆の意識は最近まで前近代(=プレモダン)のまま大きな変化もなく今日まで至ったことは共通している。

 したがって、「とりわけタイと日本では、トランスジェンダー文化が色濃く残っているのは、けっして偶然のことではない」(三橋 P.328)という指摘は、まことにもって正しいのである。

 「草食男子」の一歩先にあるのは、タイのカトゥーイに限りなく近い存在だろう。一方の極には男があり、反対側の極には女があり、その中間領域にはグラデーションを描くように多様な形態が存在する。

 男女間の差異があいまいになってきたのは、最近の現象というよりも、いい意味か悪い意味かは別にして日本人にとっては先祖返り現象なのではないだろうか。

 私がこういう感想を持つのも、けっして突拍子もない発想ではなさそうだ。

 ただし、トランスジェンダーへの態度にかんしては、タイ社会のほうが現在の日本社会よりも寛容度が高いように思われる。ある一定以上の年齢の日本人男性は、明治維新以降に強化された、儒教のもつ悪しき影響から脱しきれておらず、まだまだ自らの内なる"本来の日本"というものを直視できていないのではないか、とも思われる。この点は日本人女性のほうがはるかに柔軟である。

 もちろんタイ人が日本人とは違って「個人主義者」(・・ただし欧米流の個人主義ともまた違う)であり、上座仏教の世界観の反映でもある「自力救済型」社会に生きているので、自分の利害関係から離れた事柄にかんしては無関心な傾向がある、ということも背景にあるようだが。あくまでもカトゥーイはカトゥーイ、自分は自分だ、と。
 
 タイと日本では共通性も多いが、安易な比較は禁物だ。お互い似ているが、似て非なる存在でもある。


(画像をクリック!)



PS よみやすくするために改行を増やし、小見出しを加えた。誤字脱字を修正したほか、本文の一部に加筆を行った。 (2014年1月31日 記す)



<関連サイト>

『ビューティフル・ボーイ』(Beautiful Boxer)のトレーラー(予告編 英語版)

『アタック・ナンバーハーフ』(Iron Lady)のトレーラー(予告編 英語版)

マンボー・キャバレーショー(Mambo Cabaret Show) (日本語)

カリプソ・キャバレーショー(Calypso Cabaret Show) (英語)


Genderless fashion in Japan(wikipedia 英語版)
・・いわゆるファッションのサブカルチャーにおける「ジェンダーレス男子」について。現時点では英語情報のみ(2022年6月16日現在)

(2022年6月16日 情報追加)



<ブログ内関連記事>

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)   

タイのあれこれ (26) タイ好きなら絶対に必携のサブカル写真集 Very Thai (とってもタイ)
・・カトゥーイについても当然のことながら取り上げられている
                
書評 『オーラの素顔 美輪明宏のいきかた』(豊田正義、講談社、2008)-「芸能界」と「霊能界」、そして法華経

書評 『座右の日本』(プラープダー・ユン、吉岡憲彦訳、タイフーン・ブックス・ジャパン、2008)-タイ人がみた日本、さらに米国という比較軸が加わった三点測量的な視点の面白さ

書評 『村から工場へ-東南アジア女性の近代化経験-』(平井京之介、NTT出版、2011)-タイ北部の工業団地でのフィールドワークの記録が面白い
・・タイ人と働く方法、タイ北部の社会構造がわかる

「個人と組織」の関係-「西欧型個人主義」 ではない 「アジア型個人主義」 をまずは理解することが重要!
・・アジアでは華人やコリアンは自分の家族と宗族以外は無関心。そもそもファミリーネームの存在しなかった東南アジアでは自分と家族しか関心はない

書評 『日本人は爆発しなければならない-復刻増補 日本列島文化論-』(対話 岡本太郎・泉 靖一、ミュゼ、2000)
・・日本が「儒教国」ではないことについて、対談内容を踏まえてややくわしく書いておいた

(2014年1月31日  情報追加)


(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

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(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

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(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

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