2011年6月12日日曜日
「3-11」から三ヶ月-再生に向けての第一ステージは終わったハズなのだが・・・
「3-11」から三ヶ月たった。再生への第一ステージは終わったハズなのだがいったい....
きょうは2011年6月12日、「3-11」から三ヶ月、翌日の「原発事故」から三ヶ月、本来なら何ごとも最初の三ヶ月、すなわち最初の100日前後で勝負は決まるといわれる。
革命政権の誕生であろうと、政権交代であろうと、新社長の就任であろうと、最初の三ヶ月はだれもが比較的あたたかく見守るものだ。いわゆる「ハネムーン期間」というやつである。
「3-11」は未曾有(みぞう)の大災害であり、翌日12日に明らかになった「原発事故」もまた未曾有(みぞう)の人災であるが、衝撃度の大きさからいえば、革命政権の誕生であろうと、政権交代であろうと、新社長の就任などとは根本的に異なる。ある意味では、大東亜戦争の敗戦とも大きく異なるものがある。
それは、「3-11」が突然訪れた大災害であったからだ。革命でも、政権交代でも、新社長就任でも、戦争の敗北でも、かならずその前にはその事件が発生する前兆やプロセスがあるのに対し、今回の大災害は、あとから考えれば数日前から比較的規模の大きな地震が東北地方を震源地として起こっていたことも思い出すが、あまりにも突然であった、われわれはまったく虚をつかれたのであった。
これは寺田寅彦が「天災と国防」で指摘したとおりだ。これについては、「天災は忘れた頃にやってくる」で有名な寺田寅彦が書いた随筆 「天災と国防」(1934年)を読んでみるに書いておいた。
しかし、いかなる事態であろうと、沈着冷静に事態の進捗状況を把握し、粛々と対応していくのが、事件発生後の第一ステージにおけるトップリーダーの責務である。ここでいうトップリーダーとは、一国の首相のことである。
ところが、本来ならすでに終了しているはずの第一ステージが終わらないどころか、危機管理能力を欠く首相のもと政治は空転し、肝心要の被災地の復興が進まないだけでなく、「原発事故」の終息のメドすらたたない。いったいどうなっているのか?
一方では、みずから無謀なデッドラインを設定し、退陣に追い込まれた首相がいる。これは現在の首相の前任者だ。本日(2010年6月2日)鳩山首相が退陣-「デッドライン」の意味について にも書いておいた。
こんどは、「メド」というあいまいな日本語表現で目くらましのデッドラインを設定した首相がいる。現首相の菅直人だ。日本語のメドという表現がきわめてあいまいなものであることは、試みに英訳してみたらすぐにわかることだ。具体的な日取りや達成目標を明示しないで「メド」とするのはよくあることではあるが、その解釈をめぐって誤解と混乱が生じるのは当然である。
本来は、それこそロードマップ(工程表)を明示して、特定の政策目的が達成できれば、それをもってミッション完了とすべきだろう。そのためには、正確なロードマップと達成基準の設定が必要だ。
一般論としては、デッドラインを意識していれば、やることはおのずから決まってくる。何を優先順位の上位にあげて、何を後回しにするか。つまりプライオリティをつけるということだ。
自分のキャパシティを正確に把握することなくデッドラインを設定して、有言不実行のため自滅した前首相、あいまいなデッドライン設定をクチにして醜い様をさらしている現首相。いずれも、マネジメント能力を著しく欠いているといわざるを得ない。
格言めいた表現に「三日三月三年」(みっか・みつき・さんねん)というものがある。このブログでもすでに書いたことが、最初の三日はさておき、つぎの三ヶ月は約100日、三年は約1,000日に該当する。人間は、このタイムスパンを無意識のうちに自覚する体内時計のようなものをもっているという時間感覚のことだ。100は10の二乗、1,000は10の三乗である
震災被害者の救出も、地震発生後の最初の72時間、すなわち3日間がカギだといわれている。
最初の三ヶ月のあと、つぎに 3が意識されるのは三年目だ。果たして三年後の 2014年3月11日には、再生のメドはついているのだろうか?
それとも... いや、そんなことはあってはならない!
<ブログ内関連記事>
三日三月三年(みっか・みつき・さんねん)
「天災は忘れた頃にやってくる」で有名な寺田寅彦が書いた随筆 「天災と国防」(1934年)を読んでみる
石川啄木 『時代閉塞の現状』(1910)から100年たったいま、再び「閉塞状況」に陥ったままの日本に生きることとは・・・
本日(2010年6月2日)鳩山首相が退陣-「デッドライン」の意味について
(2012年7月3日発売の拙著です)
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