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2012年10月14日日曜日

書評 『誰も語らなかった防衛産業 増補版』(桜林美佐、並木書房、2012)-国防問題を国内産業の現状から考えてみる




国防をめぐっては、ますます状況が厳しさを増していることは、本日(2012年10月14日)の海上自衛隊観艦式で首相も訓辞しているとおりであります。

しかしながら、武器弾薬や装備品の調達という兵站(ロジスティクス)に目をむけると、それはもう、お寒い限りの現状

それが、『誰も語らなかった防衛産業 増補版』(桜林美佐、並木書房、2012)を読んでの率直な感想です。

防衛関連産業は安定しているどころか、防衛予算の削減はとどまるところをしらず、予算の制約からあらたな調達もままならない状況です。

こんなお寒い状況で、果たして国境線防衛のみならず、国土防衛もできるのか? 疑問を感じてしまいます。

ライセンス生産では肝心要の部分がブラックボックスであることは、同盟国アメリカの兵器についても例外ではなく、また武器弾薬を輸入に依存することは有事の際に大きなボトルネックとなりかねない。

だからこそ、防衛産業にかんしては「国産」にこだわる必要があるのですが、経済原則だけを貫くと、それはきわめて困難な課題であることは言うまでもないでしょう。

自動車産業と同様、最終製品のアッセンブリー段階にいたるまでの一次下請け、二次下請け、三次下請けが存在するのが防衛産業の実態。ひとつの製品(=武器)の製造に、約1,000社以上がかかわっています。

予算が削減されるので仕事が減る、仕事が減ると失敗は許されないのでどうしても熟練工に頼ってしまう、したがって若い人が育つ機会が失われている・・・。この悪循環は、こと防衛産業だけでなく、日本のものづくり全般にあてはまることだと言っても言いすぎではありません。

わたしの前職は機械部品、とくに「ばね」関連でしたが、ライフルに使用される「ばね」も供給しておりました。実際問題、けっしてうま味のあるビジネスではなかったということは、業界内部では「常識」なのです。しかし、国防に関与できているという「誇り」がありました。

本書の著者は、「防衛生産・技術基盤研究会」の委員もつとめた軍事ジャーナリストです。

防衛産業がかかえる「苦境」についての問題提起となっている本書は、ルポルタージュ的な取り組みによって、防衛産業にかかわる中小零細企業、とくに機械関連産業についての実態について書かれた本でもあります。

ぜひ、みなさまも問題について共有していただきたいと思い、紹介させていただいた次第です。






目 次

はじめに
第1章 国防を支える企業が減っている
第2章 国家と運命をともに
第3章 戦車乗りは何でも自分でやる
第4章 戦車製造の最前線
第5章 武器輸出三原則の見直し
第6章 日本を守る「盾」作り
第7章 富士学校と武器学校
第8章 刀鍛冶のいる工場
第9章 女性が支える「匠の技」
第10章 日本の技術者をどう守るか
第11章 国内唯一の小口径弾薬メーカー
まとめ 防衛装備品調達の諸問題
コラム 自衛隊の装備品開発の流れ
コラム 世界の武器輸出戦略
増補1 国産装備と輸入装備
増補2 君塚陸幕長インタビュー
おわりに


著者プロフィール 
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
  
昭和45年(1970年)、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作した後、ジャーナリストに。ニッポン放送『上柳昌彦のお早う Good Day』「ザ・特集」にリポーターとして出演。「フジサンケイビジネスアイ」に『防衛産業のいま』を連載。国防問題などを中心に取材・執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


<関連サイト>

防衛ジャーナリスト・桜林美佐オフィシャルウェブサイト

桜林美佐の新・国防日記


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(2014年6月18日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)





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