さて、今回は同様に日本のいたるところに存在する、足元の「G」のマークに注目していただくこととしよう。
先のブログ記事では「十字」を取り上げたことから、読者のなかには「G」といえば例のあれだな、とすぐにピンと人も来る少なくないだろう。
結論を先に述べておくと、足元の G は Gas(ガス)の G である。つまりガス管がこの下に埋まってますよという標識だ。フリーメーソンに登場するGではないので念のため(笑)。
道路工事をする際に問題になるのが、地下になにが埋まっているのかじっさいに掘ってみないと正確にはわからないことがあるということだ。地下には水道管や下水道管、NTTの通信ケーブルなどさまざまな管が埋められている。近年は電線地下化の動きもあるので、道路の下はさらに複雑化する傾向にある。
地下埋設物のなかでも、もっとも危険なのがガス管だ。ガス管を切断してしまったっりするとガス漏れが発生し、火災や爆発事故にもつながりかねない。だから、ガス管の存在を示すための標識が道路に設置されているのである。
ガス管を示す G は、だからそれほど重要な存在なのである。
さきにフリーメソンの G のマークについて言及したが、フリーメーソンにおいても G の存在はきわめて大きく重要なものがある。
(フリーメーソンのシンボルマーク wikipediaより)
フリーメーソン(Freemason)というと秘密結社というイメージだけが一人歩きしているが、もともと中世ヨーロッパの建築ギルドであったフリーメソンは、建築に必要な計測のための定規とコンパスをシンボルにしている。メーソン(Mason)とは石工職人のことである。
中央の「G」は至高存在を意味し、大文字で始まる神(God)と幾何学(Geometry)、栄光(Glory)、寛容(Grandeur)なども意味しているという。さらにはグノーシス(Gnosis)の意味も込められているという説もある。グノーシスは霊と肉体の二元論を説く古代宗教で、キリスト教世界では異端とされてきた。
フリーメーソンは啓蒙主義の担い手として、フランス革命においては大きな役割を果たしたことも知っておくべきことだ。啓蒙主義は近代を方向づけた思想である。
連想ついでに記しておくが、まんなかにGのマークがくるのは、プロ野球の読売ジャイアンツロゴデザインもそうである。読売ジャイアンツのロゴは読売(Yomiuri)の「Y]とジャイアンツ(Giants)の「G」を組み合わせたもので、おそらく大リーグのニューヨーク・ジャイアンツの真似だと思うが、奇しくもフリーメーソンのシンボルマークと似ているのは不思議なことだ。
(読売ジャイアンツのロゴ wikipediaより)
本年度は優勝できなかったとはいえ、「巨人軍」もまた野球界に君臨する存在である。「G」というグレート(Great)で至高の存在(?)に対する強いこだわりが、潜在意識のなかに存在するのかもしれない、かな? 足元を引っ張る作用の重力(Gravity)もまた「G」であるしね。
そんなことを想起しながら、足元を見ながら歩いてみると面白いかもしれない。とはいえ、足元に気を取られてると危険ですよ。くれぐれも前方には気をつけるように!
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