ドラマのなかで、マルクス・アウレリウスの『自省録』が大きな意味をもつ設定となっていることを知ったのは、放送が始まってからのことだ。
(岩波文庫がここまでやるとは! 某書店にて筆者撮影)
原作は、田村由美による同名のマンガ作品『ミステリと言う勿れ』(小学館)。少女まんが誌の「月刊flowers(フラワーズ)」の連載で現在も継続中。単行本は10巻まで発売されている。
版元の小学館のサイトには、「解読解決青年・久能整(くのう・ととのう)が謎も人の心も解きほぐす、新感覚ストーリー」、とある。
大いに気になったので、さっそく原作のマンガを読み始めてみたら、あまりにも面白いので、あっという間に思わず引き込まれてしまった。
(マンガ『ミステリと言う勿れ』第4巻より)
目の前の現実に違和感を感じていても、フツーの人ならあえて口にはしないものだ。だが、主人公の青年は、ほとんど空気を読まず、忖度なしにしゃべってしまう。
主人公のセリフは、論理的で知的であり、かつ面白い。その他の登場人物とのやりとりは、妙なちぐはぐ感があって、読みながらついつい笑ってしまうが、最後はどんでん返しでミステリが解決する。
■原作マンガの第4巻に『自省録』が登場!
『自省録』が登場するのは、単行本の第4巻だ。
ミステリの解決後に入院を余儀なくされた主人公が、同室の老人から『自省録』の話を聞かされるシーンである。
(ドラマ「ミステリと言う勿れ」予告編よりキャプチャ)
大学2年生にしては、「雑学王」ともいうべき幅広い知識の持ち主である主人公もまた、岩波文庫の神谷美恵子訳の『自省録』(*2007年改版バージョン)を読んでいて、ときどき拾い読みするらしい。・・・
<関連サイト>
【編訳者篇】『ミステリと言う勿れ』と『自省録』引用解説(佐藤けんいち 2022年2月7日 ディスカヴァー・トゥエンティワン社のサイト)
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