「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2026 禁無断転載!



2026年8月12日水曜日

書評『国商 最後のフィクサー 葛西敬之』(森 功、講談社文庫、2026)―「国鉄分割民営化」から40年。「国士」であった経営者の実像を知る

 

『国商 最後のフィクサー 葛西敬之』(森 功、講談社文庫、2026)を読了。2022年に単行本がでたとき読みたかったが、文庫化されるのを待っていた。文庫版の解説者に原武史氏を選んだのは適任だ。  


タイトルの「国商」とは聞き慣れない表現だが、ノンフィクション作家である著者の造語だ。政治と密着した事業家のことを「政商」とよぶことが多いが、保守派で右派的な信条の持ち主として安倍政権の誕生に貢献し、その後見役として政治権力と密着していた葛西氏は、政商ではない。 

葛西氏は本質的に「国士」であって、民間企業の経営者となってからも、近代日本の屋台骨を支えてきた「国鉄官僚」としてのマインドを最初から最後まで持ち続けた人だ。そんな人は「国商」とよぶのがふさわしい、著者はそう考えたようだ。 

副題には「最後のフィクサー」という、ややネガティブな響きの文言があるが、基本的に冷静で公平な記述が一貫している。

関係者へのインタビューも好意的な人だけでなく、そうではない人の見解も行っており、葛西敬之という高名であるが、意外と知られることの少なかったなかった人物を、立体的に浮かび上がらせることに成功している。 

「国鉄民営化」が実現したのは1987年であり、すでに40年前のことになっている。

民営化前の赤字体質で問題山積みの「国鉄」も、中曽根政権における民営化の政治的プロセスも、進行中の同時代の出来事として観察してきた。著者と同世代のわたしは、就活の一環として、民営化前の国鉄本社を会社訪問したこともある。 

葛西氏がみずから執筆している『未完の「国鉄改革」』(東洋経済新報社、2001)と、『国鉄改革の真実-「宮廷革命」と「啓蒙運動」』(中央公論新社、2007)の二部作を読んでいることもあり、ビジネスマンであるわたしは「組織変革」の観点から葛西氏には好意的な印象をもってきた。

「反共」にもとづく「反ソ」「反中」にかんしても同様だ。新幹線の中国への輸出にかんしては、葛西氏が頑強に反対していた理由は、現在なら納得する人も少なくないだろう。 

 とはいえ、「国鉄民営化」から40年、民営化の功罪、その光と影については、抜本的に検証する時期にきていることは間違いない。葛西氏についても、称賛するだけでなく、問題点についてもただしく認識することが重要だ。公共メディアへの介入とリニア新幹線については、とくに批判的に検証する必要がある。 

「国士としての経営者」は、純然たる民間企業の出身ではなく、誇り高き「国鉄官僚」の使命感があったからこそあり得たというべきであろう。

東大法学部出身の葛西氏が尊敬する人物は山県有朋。近代日本の官僚制を構築し、絶大な権力を行使した軍人で政治家である。その意味するものがなにであるかは、本書を通読すれば手に取るように理解できる。

その心は、国家権力とはなにか、国家のためにみずからのもつ権力をいかに行使すべきかにある。その点が、近代日本が生み出した渋沢栄一松下幸之助、出光佐三といった、民間出身の経営者とは異なる点であることを確認することができた。松下幸之助や出光佐三は、国家意識を強くもちながらも、あくまでも企業経営者に徹していた。

だからこそ、葛西氏のような人物は、今後はでてこないといってよいのである。





目 次
葛西敬之 政官財界人脈図 
文庫版まえがき 
序章 国策づくり 
第1章 鉄道人生の原点 
第2章 国鉄改革三人組それぞれの闘い 
第3章 「革マル」松崎明との蜜月時代 
第4章 動労切り 
第5章 ドル箱「東海道新幹線」の飛躍 
第6章 安倍政権に送り込んだ「官邸官僚」たち 
第7章 首相官邸と通じたメディア支配 
第8章 美しい国づくりを目指した国家観 
第9章 リニア新幹線実現への執念 
第10章 「最後の夢」リニア計画に垂れ込める暗雲 
第11章 覚悟の死 
終章 国益とビジネスの結合 
おわりに 
年表 
解説 原武史

著者プロフィール
森功(もり・いさお) 
1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、「週刊新潮」編集部などを経て、2003年に独立。2008年、2009年に2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。2018年に『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史』など著書多数。(出版者サイトより) 



<ブログ内関連記事>
・・出光佐三には『日本人に帰れ』という著書がある

松下幸之助の 「理念経営」 の原点- 「使命」を知った日のこと
・・「産業報国」をモットーにした松下幸之助

・・つねに日本全体を考えていた渋沢栄一





(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどう
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end