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2012年6月19日火曜日

書評 『「イギリス社会」入門 -日本人に伝えたい本当の英国-』(コリン・ジョイス、森田浩之訳、NHK出版新書、2011)-イギリス人が書いたイギリスあれこれ


イギリス人が書いたイギリスあれこれ

英国人のフリージャ-ナリストが書いた随筆のような作品。

階級、天気、国旗、住宅、料理、王室、結婚、表現、蘊蓄(うんちく)、英雄、私淑、紅茶、飲酒、酒場、歴史、留学、風物、伝統、品格という全19章。

1970年生まれでオックスフォード大学卒業の著者が書く「最近の英国」は、日本と米国で過ごした18年間の不在を取り戻すプロセスのなかで考察されたものだ。異邦人の目でもって。

むかし、高校時代に英語の教科書で、ジョージ・ミケシュ(George Mikes)の "How to be an Alien" という英国と英国人論を読まされた記憶があるが、ハンガリー人のミケシュは英国に惚れ込んだ異邦人であった。著者は英国人であって、かつ異邦人の目ももっているのが特色である。

あるものは廃れ、あるものはあたらしく生まれ、しかしほとんど大半は変わらぬイングランド。現在の王室がドイツ出身など学校でならっているはずなのに意外と知られていない事実から、階級社会にかんする日本人の思い込みを戒め、ユニオンジャックの秘密から、多民族国家の英国の現状まで語られる。

ストレートに語らない語り口は、まさに英国的としかいいようがない。

冗談や皮肉、人を食ったようなユーモアや韜晦(とうかい)の多い、あまり素直ではない語り口は、「入門」としてはいかがと思う人もいるだろうが、これぞ英国的だと思うべきだろう。海外生活が長いとはいえ、著者はやはり英国人である。

英国でしか放送されないローカルなTV番組がいろいろ紹介されているので、見てみたいという気も起こるが、おそらく英国人しか面白いとは思わない内容なのだろう。英語のコトワザでも英国でしかつかわれないものは、使い道はないが読んでいると興味深い。

もはや世界の覇権国の地位から降りて60年以上、衰退した英国はユーラシア大陸西端の島国として、世界標準としての「文明」としての要素もさることながら、本来の「文化」としての要素が面白い。イングランドの文化は、日本人の目から見てもかなり変わっている。日本に入って定着したものは、文化ではなく。普遍性がある文明なのだということが逆説的に理解できるのである。

GMT(グリニッジ標準時間)など、英国文明は現代文明のすみずみにまで刻印されているとはいえ、特定の分野をのぞいては、今後あらたに普遍的に世界全体をリードするものがでてくることはなさそうだ。英国ですら、アメリカ文明の前には抵抗できないのが現在の姿だからだ。その意味では極東の日本とは、おもしろい好対照なのかもしれない。

アメリカの影響でストレートな語りも増えた日本ではあるが、たまにはこの英国人著者のような語り口も悪くない。なんだか、ややぬるくなった英国ビールのようでもあるが。




目 次


異邦人の目で見た母国イギリス
1. 階級-みすぼらしい上流、目立ちたがる労働者
2. 天気-今日も「くもり時々雨、時々晴れ」
3. 国旗-ユニオン・ジャックは優れた輸出品だ
4. 住宅-イギリス人がいちばん好きな話題
5. 料理-フランス人にはわからない独創性
6. 王室-昔、英語を話せない国王がいた
7. 結婚-ロイヤル・ウェディングの新常識
8. 表現-スズメバチをかんでいるブルドッグ
9. 蘊蓄-てっとり早くイギリス通になる方法
10. 英雄-「偉大」なイギリス人
11. 私淑-敬愛するジョージ・オーウェル
12. 紅茶-お茶は世界を生き返らせる
13. 飲酒-酔っぱらいはこうして生まれる
14. 酒場-パブは歴史、文化、伝説の宝庫だ
15. 歴史-ぼくのお気に入り英国史
16. 風物-好事家向けスポーツカレンダー
17. 伝統-ニュー&オールド・ブリテン
18. 品格-これぞ、イギリス
著者あとがき
訳者あとがき


著者プロフィール   
コリン・ジョイス(Colin Joyce)
1970年、ロンドン東部のロムフォード生まれ。オックスフォード大学で古代史と近代史を専攻。1992年来日し、高校の英語教師、『ニューズウィーク日本版』記者、英紙『デイリーテレグラフ』東京特派員を経て、フリージャーナリストに。2007年に渡米し、2010年に英国に帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
森田浩之(もりた・ひろゆき)
ジャーナリスト。立教大学兼任講師。早稲田大学政経学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)メディア学修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<書評への付記>

英国的ユーモアについては、『笑う大英帝国-文化としてのユーモア-』(冨山多佳夫、岩波新書、2006)をあわせて読むことをすすめたい。国王や王族すら笑い飛ばす英国人の笑いは、けっして最近のことではないことがわかる。それもまた「伝統」なのだ。英国人以外には、きわめてわかりにくいものだが・・・。

著者には、おなじくNHK出版から出ている 『ニッポン社会入門-英国人記者の抱腹レポート』(谷岡健彦訳、生活人新書、2006)がある。観察力と見る視点の面白さは、日本社会レポートも、英国社会レポートにも共通している。




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(2017年6月19日 情報追加)




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