「馬」年の2014年の初頭から「馬」についての話題をブログにずっと書いているのに、なぜモンゴルがでてこないのか? そういう疑問は当然だと思います。
その理由は、わたしがまだモンゴルには行ったことがないから・・・。残念ながらモンゴルで馬を見たこともないし、モンゴルで馬に乗ったこともないからです。
中国国内の「内モンゴル」やロシア国内のバイカル湖近くの「ブリヤート」には、シベリア鉄道で通過したことはありますが、モンゴル国には残念ながらまだ足を踏み込んだことがありません。いつの日か必ず・・・。
というわけで、絵本に描かれたモンゴルの馬を紹介しておきましょう。
『スーホの白い馬』(大塚勇三=再話、赤羽末吉=画、福音館書店、1967)、です。
内容は、モンゴルの民族楽器である馬頭琴(ばとうきん)の起源を語った民話の日本の子ども向けの再話です。絵本ですから、もちろん絵がすばらしい。赤羽末吉(あかばね・すえきち 1910~1990)さんには、『かさじぞう』など日本の民話を題材にした絵本がたくさんあります。
良質な絵本は、戦後日本民主主義の遺産。「日本を取り戻す」などと息巻いて、「戦後」を全否定しようとしている政治家の言動が目立ちますが、わたしはその姿勢には一部は賛成するものの、全面的に賛成するわけではありません。儒教そのものの「教育勅語」復活など、まったくもって論外。
「昭和」は「戦前」だけではないのです。「戦中」も「戦後」もまた昭和です。そしてその「戦前」だって、いいものはいいし、悪いものは悪い。「戦後」だって、いいものはいいし、悪いものは悪い。
いいものは残し、悪いものは改めるという姿勢が重要です。なにごとも是々非々(ぜぜひひ)の姿勢で臨みたいもの。
そのなかでもとりわけ「良質な絵本」は「昭和遺産」として大事にしていきたいものです。「アンパンマン」(やなせたかし)以外にも、「良質な絵本」はたくさんあるのです。
赤羽末吉 - ちひろ美術館
・・いわさきちひろ もまた大事に記憶していきたい絵本作家
馬頭琴ばとうきん モンゴル語でモリンホール) wikipedia日本版
モンゴルの人間国宝の馬頭琴演奏 (YouTube)
<ブログ内関連記事>
「赤羽末吉スケッチ写真 モンゴル・1943年」(JCIIフォトサロン 東京・半蔵門)に立ち寄ってきた(2016年6月18日)-絵本作家の赤羽末吉が撮影した戦前の内蒙古
■「馬」関連
書評 『回想のモンゴル』(梅棹忠夫、中公文庫、2011 初版 1991)-ウメサオタダオの原点はモンゴルにあった!
・・戦前の内蒙古におけるフィールドワークの記録。馬についての生物学、生態学、人類学的な記述がある
書評 『馬の世界史』(本村凌二、中公文庫、2013、講談社現代新書 2001)-ユーラシア大陸を馬で東西に駆け巡る壮大な人類史
書評 『チベットに舞う日本刀-モンゴル騎兵の現代史-』(楊海英、文藝春秋、2014)-モンゴルは現在に至るまで「分断民族」となっているという事実を直視せよ!
『新版 河童駒引考-比較民族学的研究-』(石田英一郎、岩波文庫、1994)は、日本人がユーラシア視点でものを見るための視野を提供してくれる本
ユーラシア大陸における「馬」は、東南アジアにおいては「象」に該当する
ハンガリーの大平原プスタに「人馬一体」の馬術ショーを見にいこう!
■「昭和遺産」関連
子どもの歌 「こんめえ馬」は「戦後民主主義」が生んだきわめて良質な遺産
「移動図書館」-これもまたぜひ後世に遺したい戦後日本の「昭和遺産」だ!
これがバキュームカーだ!-下水道が整備される以前の「昭和遺産」である
電気をつかわないシンプルな機械(マシン)は美しい-手動式ポンプをひさびさに発見して思うこと
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