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2016年4月6日水曜日

マンガ 『桜の森の満開の下』(近藤ようこ、小学館、2009)-坂口安吾の原作をマンガ化したこの作品にからめて桜についてつれづれに



いま関東では満開の桜も、明日(2016年4月7日)の風雨でおおかた散ってしまうだろうという予想がされておりますが、そんなときに想起すべきなのは、このフレーズ。

 「花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ」(井伏鱒二)

もともとは漢詩の一節とのこと。それにしても、見事な日本語訳でありますね。

さて、「桜の森の満開の下」というフレーズは、これもおなじく作家の坂口安吾の短編小説のタイトル。それをマンガ化したのが近藤ようこの『桜の森の満開の下』

戦後の無頼派の作家の一人であった坂口安吾の短編小説『桜の森の満開の下』は、以下の文章で始まります。

桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。なぜ嘘かと申しますと、桜の花の下へ人がより集って酔っ払ってゲロを吐いて喧嘩けんかして、これは江戸時代からの話で、大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。近頃は桜の花の下といえば人間がより集って酒をのんで喧嘩していますから陽気でにぎやかだと思いこんでいますが・・(つづく)

この短編小説が発表されたのは、まさに敗戦後の昭和22年(1947年)でありますが、平成28年(2016年)の現在においても、それほど変わっていないようでありますね。変化したのは花見の時期に来日する外国人観光客が増えたということくらいでしょうか。

この文章は以下のようにつづきます。

桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になりますので、能にも、さる母親が愛児を人さらいにさらわれて子供を探して発狂して桜の花の満開の林の下へ来かかり見渡す花びらの陰に子供の幻を描いて狂い死して花びらに埋まってしまう(このところ小生の蛇足)という話もあり、桜の林の花の下に人の姿がなければ怖しいばかりです。

坂口安吾の『桜の森の満開の下』の物語の舞台は鈴鹿峠、山賊がいたころですから平安時代から室町時代のあいだでしょうか、時代背景は漠然としてわかりません。

昔、鈴鹿峠にも旅人が桜の森の花の下を通らなければならないような道になっていました。花の咲かない頃はよろしいのですが、花の季節になると、旅人はみんな森の花の下で気が変になりました。できるだけ早く花の下から逃げようと思って、青い木や枯れ木のある方へ一目散に走りだしたものです。・・(後略)・・

これ以降はネタバレとなってしまいますので、省略いたします。近藤ようこ氏のマンガ版のカバー装画からご想像いただきたく。


とはいえ、満開の桜がなぜ狂気を誘う存在であるのか、そんなことを散る前の桜に想いをはせながら考えてみるのもよろしいのではないでしょうか。

これまた日本の作家の梶井基次郎(かじい・もとじろう)の短編「桜の樹の下には」の冒頭の文章を想起してみるべきでしょう。これは1927年の作品です。

桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。 何故 ( なぜ ) って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。・・(後略)・・

現在の日本の桜の主流は、花が先に満開になるソメイヨシノですが、漢字で書けば染井吉野。花の名所の吉野を再現したというストーリーをもつソメイヨシノは、東京は巣鴨近くの染井から生まれた新品種。染井といえば染井墓地。染井墓地の桜は美しい。 その理由は・・・!?

とりたてて文学趣味をもちあわせないわたくしでありますが、桜についてつれづれと思うところがあり(・・そりゃあ、日本人ですからね!)、書き付けてみた次第。
  
もちろん、近藤ようこ氏のマンガ世界が好きだから『桜の花の満開の下』を取り上げました。






<関連サイト>

坂口安吾 桜の森の満開の下(青空文庫)
・・著作権切れのため無料で読める
「桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になりますので、能にも、さる母親が愛児を人さらいにさらわれて子供を探して発狂して桜の花の満開の林の下へ来かかり見渡す花びらの陰に子供の幻を描いて狂い死して花びらに埋まってしまう(このところ小生の蛇足だそく)という話もあり、桜の林の花の下に人の姿がなければ怖しいばかりです。」(坂口安吾)

梶井基次郎 桜の樹の下には(青空文庫)
・・著作権切れのため無料で読める
桜の樹の下には屍体したいが埋まっている! これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。



<ブログ内関連記事>

グルマン(食いしん坊)で、「料理する男」であった折口信夫
・・餓鬼阿弥とのからみで小栗判官に触れ、近藤ようこ氏の『説経 小栗判官』について取り上げている


桜関連





(2012年7月3日発売の拙著です)









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