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2019年10月9日水曜日

書評『インドクリスタル』(篠田節子、角川書店、2014)-インドの闇の深さとがっぷり四つに取り組んだ重厚な大作


小説はあまり読まないのだが、この週末はひさびさに長編小説を読んだ。『インドクリスタル』(篠田節子、角川書店、2014)である。タイトルは、インドのクリスタル(水晶)産業用素材として使用される、鉱物資源の水晶をめぐるビジネスものでもある。

「群盲象をなでる」というフレーズをすぐにも想起するのが「巨像インド」だが、聖俗の二面性が当たり前のように存在するインド懐の深さ、混沌としたその闇の深さ、濃厚で悪魔的魅力といったものを、がっぷりと四つに取り組んで、余すことなく描ききった大作だ。国際ビジネス小説であり、はらはらさせるストーリー展開のスリラー小説でもある。

単行本の初版は、二段組みでぎっちり活字が詰まった540ページもあるが、構成がしっかりしていて、しかもディテールの描き込み方がすごいので、最後まで飽きることなく読める。そうとう調べに調べた上で書いているなあ、という感想。政治・経済・ビジネス、旧植民地支配者の英国もからむNGO、宗教、不可食賎民、先住民その他もろもろにわたっており、歴史も踏まえていて、日本人もインド人も個性的な登場人物の人物描写もすぐれている

2014年の出版当時、インドビジネス関係者必読みたいなことが言われていたが、現在まで積ん読状態だった。読んでみて思うのは、出版から5年後の現在でも読む価値ありということだ。

インドはじつに複雑で捉えにくい存在だ。だが、この大作小説の作者は、複雑なものを複雑なまま受け止めるという姿勢の持ち主のようだ。けっして単純なストーリーに落とし込もうとせず、ストーリー自体にさらなるストーリーを展開させるという複雑な構成も、魅力的な(もちろん善悪両面にかんしてだ)登場人物の存在が軸になって読み進めることを可能にしている。

エンターテインメント小説ならではの娯楽性も備えたこの小説で、週末を大いに楽しませてもらった。


<ブログ内関連記事>

書評 『巨象インドの憂鬱-赤の回廊と宗教テロル-』(武藤友治、出帆新社、2010)-複雑きわまりないインドを、インドが抱える内政・外交上の諸問題から考察

書評 『インド 宗教の坩堝(るつぼ)』(武藤友治、勉誠出版、2005)-戦後インドについての「生き字引的」存在が宗教を軸に描く「分断と統一のインド」

書評 『グローバル・ジハード』(松本光弘、講談社、2008)-対テロリズム実務参考書であり、「ネットワーク組織論」としても読み応えあり

映画『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年、英国)-この感動の映画の主人公は現代インド社会ではマイノリティのムスリムだ

(2023年9月30日 情報追加)


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