「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2026 禁無断転載!



ラベル 民営化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 民営化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年11月30日土曜日

「大勲位」の「大往生」― 戦後最大の名宰相であった中曽根康弘元首相が逝く(2019年11月30日)



中曽根康弘元首相が亡くなったというニュースが飛び込んできた。享年101歳。まさに大往生であろう。ご冥福を祈ります。合掌

「人生百年時代」というキャッチフレーズが声高に叫ばれる現在だが、実際に100歳を超えて生きる日本人は、それほど多いわけではない。しかも、100歳すぎて頭脳明晰というケースはさらに少ない

「大勲位」の「大往生」である。大勲位とは、日本国家と社会に勲功のあった人に与えられる最高位の勲等のことだ。これは普通名詞だが、中曽根康弘元首相は生前は「大勲位」と呼ばれていた。実際、名実ともに、それに値する戦後最大の名宰相であったといってよい。「国葬」をもって応じるに相応しい。戦後に「国葬」となったのは1967年の吉田茂元首相だけだが、中曽根康弘元首相もそうすべきではないだろうか。

中曽根氏が首相だったのは、1982年から1987年までの足かけ7年間。在職期間は戦後5位になるという。ちなみに、現在の安倍晋三首相は、憲政史上1位の在職期間を更新中である。

中曽根時代は、ちょうどわたしの大学時代(1981~1985年)のことであった。内政面での最大の功績は、「国鉄民営化」を筆頭に「電電公社」と「専売公社」を「民営化」したことであろう。時代は、民営化と規制緩和(よりただしくは規制撤廃)が始まった時代である。英国のサッチャー首相、米国のレーガン大統領と同時代であり、政治経済にかんしては思想的にも同期していたのであった。

終活、もとい就活を行ったのは大学4年生のとき、正確にいえば1984年の夏のことであったが、なかなか就職が決まらなかったので、国鉄と電電公社と電源開発も回ってみた。それは、民営化になる前の最後の年であった。

「国鉄民営化」の最大の成果は、「労組」弱体化であったことは、JR東海の社長を歴任した葛西敬之氏の著書を読めばわかる。民営化して地域別に分解し、資産と債務は国鉄清算事業団に移管するという方式は、社会人になってからだが、なかなか巧みなものであったことが理解できた。

当時はまだ「左翼」が「サヨク」になりつつあったころで(小説のタイトルである)、中曽根流の改革には強い反対があったことが記憶に強く残っている。キャンパスでは「産学協同反対」が叫ばれ、マスコミでは「浮沈空母」発言が叩かれていた。サッチャーやレーガンと同じく、不退転の決意で改革を断行した中曽根氏の功績は、功罪相半ばするといっていいかもしれない。そもそも、改革には抵抗はつきものである。

外政面に目を転じたら、中曽根時代はまだ「冷戦」時代であり、ソ連崩壊(1991年)はまだ絵空事と思われていた。日米関係ではロンヤス関係であった。この件については、何度も繰り返しマスコミで取り上げられて回顧されているが、経済関係においては対立することも多々あったことには触れなくてはならない。

日韓関係は、いまからは考えられないほど蜜月の時代であった。まだ植民地朝鮮と満洲時代の日本語人脈が生きていた時代のことだ。元大本営参謀で伊藤忠商事の会長を歴任した瀬島龍三氏が韓国に特使として派遣された。初の外遊先に米国でなく韓国を選んでいる。韓国からは全斗煥大統領が来日して、都心は厳重な警戒態勢にあった。そんな暑い8月の日に、就職活動中にスーツを脱いで日比谷公園で休憩をとっていた光景がイメージ画像として自分の記憶にある。

日中関係もまた、蜜月であった。とはいえ、胡耀邦主席との蜜月は、それがあだとなって中国共産党内の権力闘争を生み出し、胡耀邦氏は失脚しただけでなく、中曽根首相が靖国参拝を自粛したことが、現在の靖国問題に尾を引いていることに触れないわけにはいかない。ちなみに、胡耀邦氏は死して「招魂」され、天安門事件のキッカケになっている。

中曽根康弘元首相の時代は、高度成長時代が終わって成熟時代に入り、日本が世界に打って出ようとしていた時代であった。1980年代について語る際、バブル経済だけでなく、中曽根康弘元首相の政治について避けてとおるわけにはいかないのである。

ただし、功罪のうち罪については1つ記しておかねばならない。それは、中曽根氏が「海軍善玉論」をまき散らしたことだ。職業軍人ではなく学徒兵として主計将校として海軍に身を置いた中曽根氏は、作家の阿川弘之氏などが拡散した「陸軍悪玉論」をかついだ一人であった。現在では、大東亜戦争は陸軍は海軍に引きずられたという見解が主流になっている。これが中曽根康弘元首相の「罪」の最たるものであると、わたしは考えている。

いずれにせよ、中曽根康弘元首相の死去によって、中曽根時代は「歴史」となる


画像をクリック!



<ブログ内関連記事>

■アジアの巨星

巨星墜つ リー・クアンユー氏逝く(2015年3月23日)-「シンガポール建国の父」は「アジアの賢人」でもあった

タイ王国のラーマ9世プミポン国王が崩御(2016年10月13日)-つひにゆく道とはかねて聞きしかど・・・

タイのラーマ9世プミポン前国王の「火葬の儀」がバンコクで行われた(2017年10月26日)

シハヌーク前カンボジア国王逝去 享年89歳(2012年10月15日)-そしてまた東南アジアの歴史の生き証人が一人去った

■中曽根改革

書評 『未完の「国鉄改革」』(葛西敬之、東洋経済新報社、2001)-JALが会社更生法に基づく法的整理対象となり、改革への「最後の一歩」を踏み出したいまこそ読むべき本

■日米関係

日米関係がいまでは考えられないほど熱い愛憎関係にあった頃・・・(続編)-『マンガ 日本経済入門』の英語版 JAPAN INC.が米国でも出版されていた


(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどう
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end

2014年12月29日月曜日

書評『鉄道王たちの近現代史』(小川裕夫、イースト新書、2014)ー「社会インフラ」としての鉄道は日本近代化」の主導役を担ってきた



「乗り鉄」や「撮り鉄」など、鉄道ファンや鉄道マニアの鉄道へのかかわりかたはさまざまな形があるが、日本の鉄道の歴史はきちんと押さえておきたいものだ。

なぜなら、社会インフラとしての鉄道は、戦後のモータリゼーション時代を迎えるまでは、電気・ガス・水道といったライフラインにかかわる社会インフラの中核をなすものであったからだ。

もちろん現在でも鉄道がきわめて重要な位置を占めているが、歴史を振り返ってみれば、幕末から明治維新後の「日本近代化」の140年の歴史しかないことに気がつくのである。

本書『鉄道王たちの近現代史』(小川裕夫、イースト新書、2014)は、現在では当たり前のように張り巡らされた鉄道ネットワークをつくったのが、小林一三、堤康次郎、五島慶太、渋沢栄一など「鉄道王」と呼ばれた民間の実業家たちであったことを、あらためて思い知らせてくれる内容の本である。

近代化に不可欠な鉄道だが、新政府には十分な財源がなく、民間活力をフルに発揮させるしかなかったのだ。

民間主導の鉄道ビジネスに一大変化がもたらされたのは、いまから108年前に成立した「鉄道国有法」である。日清・日露戦争を経て兵員輸送のための鉄道利用という軍事的意味が増大したこともあり、社会主義国家ではなかったのに、鉄道事業の多くが「国有化」された(!)のである。

結果として、統一軌道による全国ネットワークが完成したわけだが、鉄道事業を興した実業家や株主にとっては、事業売却というエクシットによってキャピタルゲインを得ることになったわけだから、かならずしも悪い話ではなかったようだ。

「国有化」される以前の民間主導の鉄道、「国有化」以後に国鉄(・・現在の「民営化」後のJR各社)と棲み分ける形で発展した私鉄の経営者たちと、かれらが展開した鉄道会社のビジネスが、動力源としての「電力」、現在の鉄道ビジネスとは不即不離の「都市計画」・「百貨店」・「リゾート」・「エンタテインメント」・「旅行」といったテーマでまとめられている。鉄道が「主」か、鉄道は「従」か、各社の戦略によってビジネスモデルのあり方は異なるが。

「鉄道王」たちの活躍を人物伝として描いたというよりも、日本の鉄道史にかんする事実を正確にかつ淡々と述べているので、やや無味乾燥のきらいがあるかもしれないが、意外と盲点となっている視点でカバーしている箇所もあり、読んで損はない内容である。

とくに重要だと思われるのは、「第2章 鉄道と原発」である。やや奇をてらったタイトルだが、要は電車は電気で走っているという、当たり前だがふだんはほとんど失念している事実にあらためて喚起していることに意味があるのだ。

電車は電気で走る。その電気のすくなからぬ部分は原子力発電によって担われているのである。本書には、鉄道会社が自社でもつ発電施設から生み出された電力の売電や、発電会社が需要拡大のために鉄道ビジネスに関与したケースなどが記述されている。現在の「9電力会社体制」が確立する以前の姿に、現時点の「常識」でものを考えることの落とし穴に気がつかせてくれるのである。

鉄道ネットワークは「日本近代化」の完成とともに、現在ではすでに確立した「この国のかたち」となっている。「はじめに」で言及されている起業家の孫正義氏は、この上にさらにインターネットという社会インフラの構築に携わったわけである。

日本の鉄道が、社会インフラとして大東亜戦争の敗戦当日(=1945年8月15日)にも動いていた(!)ことを考えれば、たとえ戦争や自然災害によって国土が壊滅的破壊を受けても大きな変化はない。むしろ、高度成長期のモータリゼーションの進展、とくに高速道路ネットワークの完成によって、鉄道の意味合いが縮小したことにこそ注目しなくてはならない。

社会インフラにかかわるビジネスは、歴史の変わり目にしか大規模な新規参入をともなうビジンスチャンスが発生しない事業分野である以上、著者の思いには反するが、日本近代に登場したスケールをもつ「鉄道王」たちが登場することは、もはやないだろう。だが、日本の鉄道を鉄道史というかたちで歴史的に振り返ると、ビジネスパーソンではなくても、いろいろなヒントが見つかることもたしかである。

その意味では、鉄道史を読むという、「読み鉄」という楽しみ方もあっていいのかなと思うのである。



目 次

はじめに
第1章 鉄道王がつくった「この国のかたち」
第2章 鉄道と原発
第3章 鉄道と都市計画
第4章 鉄道と百貨店
第5章 鉄道とリゾート
第6章 鉄道と地方開発
第7章 鉄道とエンタテインメント
第8章 鉄道と旅行ビジネス


著者プロフィール

小川裕夫(おがわ・ひろお)
1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーランスライター。取材テーマは地方自治、都市計画、内務省、総務省、鉄道。著書に『踏切天国』(秀和システム)、『全国私鉄特急の旅』(平凡社新書)、『都電跡を歩く』(祥伝社新書)、『封印された鉄道史』『封印された東京の謎』(彩図社)、編著に『日本全国路面電車の旅』(平凡社新書)、監修に『都電が走っていた懐かしの東京』(PHP研究所)がある。



<ブログ内関連記事>

書評 『「鉄学」概論-車窓から眺める日本近現代史-』(原 武史、新潮文庫、2011)-「高度成長期」の 1960年代前後に大きな断絶が生じた
・・「読み鉄」のためのはずせない一冊

書評 『高度成長-日本を変えた6000日-』(吉川洋、中公文庫、2012 初版単行本 1997)-1960年代の「高度成長」を境に日本は根底から変化した

梅棹忠夫の幻の名著 『日本探検』(1960年)が、単行本未収録の作品も含めて 2014年9月 ついに文庫化!
・・高速道路の文明史的意味について名神高速の建設時に指摘

『貨物列車のひみつ』(PHP研究所編、PHP、2013)は、貨物列車好きにはたまらないビジュアル本だ!

書評 『「夢の超特急」、走る!-新幹線を作った男たち-』(碇 義朗、文春文庫、2007 単行本初版 1993)-新幹線開発という巨大プロジェクトの全体像を人物中心に描いた傑作ノンフィクション

祝 新幹線開通から50年!-わが少年時代の愛読書 『スピード物語-夢をひらく技術-(ちくま少年図書館7)』(石山光秋、筑摩書房、1970)を紹介

「私鉄沿線」からアプローチする「日本近現代史」-永江雅和教授による姉妹作 『小田急沿線の近現代史』(2016年)と『京王沿線の近現代史』(2017年)を読む

書評 『京成電鉄-昭和の記憶-』(三好好三、彩流社、2012)-かつて京成には行商専用列車があった!

『新京成電鉄-駅と電車の半世紀-』(白土貞夫=編著、彩流社、2012)で、「戦後史」を振り返る

「企画展 成田へ-江戸の旅・近代の旅-(鉄道歴史展示室 東京・汐留 )にいってみた
・・神社仏閣参詣客の輸送需要に目を付けた鉄道事業者たち

書評 『渋沢栄一 上下』(鹿島茂、文春文庫、2013 初版単行本 2010)-19世紀フランスというキーワードで "日本資本主義の父" 渋沢栄一を読み解いた評伝

西日本に集中している「路面電車の走る城下町」-路面電車関連の新書本を読んで高齢化社会日本の「未来型都市交通」について考える

(2017年8月10日 情報追加)


(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end