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2009年10月15日木曜日

お神楽(かぐら)を見に行ってきた(船橋市 高根神明社)(2009年10月15日)



(「天の岩戸舞」)

 船橋市内の神社でお神楽をやっているという情報を入手していたので、見に行ってきた。毎年10月15日にお神楽の奉納があるという。昨日は季節外れの雷雨だたが、本日は快晴で星もきれいな夜であった。

 神社の名前は高根神明社、千葉県船橋市内の農村地帯にある神社である。

 このお神楽は明治4年からの伝統だそうだ。なんだ明治か・・って気もしないではないが、明治4年といえば1872年、いまからもう127年前のことになる。この期間、農村地帯とはいっても農家人口が減少しながらも、絶えることなく伝承されてきたこと自体、継続は力なり、と思わされる。

 もちろん明治4年に始まったといっても、別の神社の神楽を習って受け継いだわけだから、もともとの源流がどこにあるか流れをさかのぼれば、それこそ神代の時代にまで行き着くのであろう。


 前日14日が御輿(みこし)の渡御、本日は例大祭のあと、夕方からお神楽というスケジュールは毎年きまっているようなので、本日のお神楽をみるために午後7時から神社にいってみた。

 神社自体はこんもりとした森のなかにあるのだが、すでに御祭礼の提灯の明かりが照らされていたので、道に迷うことはなかった。

 神社の御祭礼につきものの夜店もちゃんと店を出している。大判焼き、たこ焼き、あんず飴、チョコバナナ、お面、おもちゃ、などなど。テキ屋という商売がある限り、古き良き日本の秋祭りは安泰だろう。


(子どもにはお神楽よりも夜店の露天!?)

 いわゆる産土神(うぶすながみ)としての農村コミュニティの核になった神社である。神社の氏子の、氏子による、氏子のための御祭礼で、観光化していないのが、魅力といえば魅力であるといえる。

 もちろん、普段は農家やサラリーマンをしている人たちが、週末に何回か練習して本番に臨んでいる、いわば素人集団であるから、民俗芸能とはいえ、芸能としての完成度は必ずしも高くはないかもしれない。

 しかし、芸能の起源は神事にある、という民俗学者・折口信夫の説が、こういった観光化されていない神社のお神楽をみるとき、心から納得することになるのだ。芸能の起源が神事にあることは日本や、古代ギリシアのみならず、全世界的なものだといってよいだろう。今回見たお神楽も、演目によっては能狂言に近いものもある。

 また、お神楽を演じている俳優たちが、仮面をとってしまえば、顔見知りの人たちであるというのも、こういった観光化されていない、ローカルな農村コミュニティならではのものだといえるだろう。もちろん私は地元の住民ではない、単なるよそ者の観察者にすぎないが。

 よそ行きではない、普段着の世界の延長線上にありながら、しかし注連縄(しめなわ)が結界となって、向こう側の神楽殿が神籬(ひもろぎ)となり、神聖空間として彼岸と断絶されるというのは、日本の神社神道の空間構造にかんする興味深い側面である。この側面はユダヤ教の幕屋(まくや)と共通するものがある。

 日本人は宗教心はないと誤解されがちだが、こういった形の信仰形態をもっているというのが正確なところである。

 仏教と神道を同時に信仰することは、一神教的な世界観からはまことにけしからんということになるのだろうが、アジアでもイスラーム圏以外ではむしろ一般的な姿であるといえる(・・実際はインドネシアの場合も、イスラームの下層には先行するヒンドゥー教や大乗仏教が堆積しており、それを嫌うのが最近目立つ原理主義者である)。


 さて肝心のお神楽だが、本来は全部で14座が伝承されて毎年演じられるらしいが、今年は何らかのアクシデントで12演目のみの奉納となったそうだ。おかげで夜の10時過ぎには完全に終了したので、早く帰宅することができたので正直いって助かった。例年終わるのは夜の11時過ぎらしい。
 地元の人間ではないので、なれない夜道を帰るのは不安がつきものである。実際、帰宅の際、道に迷ってしまい、少しあせったのは事実である。でもなんとか帰り道をみつけることができたのでほっとした。


 私が見たのは順番に、"神明之舞"、"日本武尊(やまとたけるのみこと)之舞"、"翁(おきな)舞"、"剣打ち之舞"、"大蛇(おろち)之舞"、"恵比壽(えびす)之舞"、"ぎおん舞"、そしてフィナーレが"天の岩戸舞"、以上10演目である。

(「大蛇(おろち)之舞」)

 全般的に古事記神話に題材をとったものが大半で、いずれも所作が日本の芸能の源流にあたるものであり、たいへんわかりやすい。ヤマトタケル、スサノヲの八岐大蛇(やまたのおろち)退治とクシナダヒメ救出、アマテラスとアメノウズメなど日本神話の代表的存在である。

(フィナーレの「天の岩戸舞」)

 恵比寿舞のエビスやぎおん舞にでてくるヒョットコも実は神話に連なる存在で、エビスは古事記にでてくるヒルコであることは確かで、ひょっとこは火男のなまりであるが実は起源は明かではない。ちなみにヒョットコの対になるオカメは、アマテラスを岩戸から引き出したアメノウズメらしい。

 お神楽を見るものにとって何よりの楽しみは、ヒョットコなどの俳優が見物客に向かってばら撒くお餅のようだ。子供の頃、新築家屋の棟上げ式でばら撒かれたお餅を争って奪い合う経験をしたことがあるが、今回も主役は子供たちである。私も幸いなことに3つゲットしたが、つきたての丸餅は農村らしい風物詩ともいえようか。



 継続は力なり、こういってしまうのは簡単だ。

 観光化されていない、氏子のための民俗芸能がいつまでも伝承されることを望みたいが、日本各地で人口減少による後継者不足が問題になっているという。

 最近、農村に移住して農業を始める人たちも増えているらしいが、こういった新農家もある意味、地域の民俗芸能の担い手となれば、後世に伝承を引き継ぐこともできるのではないだろうか。


 続いているが故にありがたい、これは日本を日本たらしめている天皇家も同じである。

 天皇家も、国民が意識して存続させていかないと、消滅してしまうかもしれない。そんなことになったのでは、もったいないではないか。

 こういう話をするのは、天皇にとってもっとも大事なのが、日本という国を安泰ならしめるための数々の神道祭祀(さいし)だからである。この事実は、もっと国民一般に知られてしかるべきだろう(・・NHKの天皇皇后両陛下ご成婚50年記念番組で、宮中祭祀に向かう衣冠束帯姿の天皇陛下の映像が放送されたのは画期的であった)。

 地域の神社のお神楽と天皇家の祭祀もまったく無縁の存在ではないのだ。

 その証拠に、来る11月の天皇陛下御即位二十年奉祝の際、奉祝曲を演奏するのは EXILE という日本人バンドである。御即位十年奉祝は YOSHIKI であった。

 これはある意味で、芸能としての神事と考えるべきなのである。
  


<付記>

 YouTube に神楽の映像を2本アップしましたので、ご覧いただきたく。ただし、高根神明社のものではなく、船橋大神宮のものです(2009年11月20日)

 ① アメノウズメの舞
 ② 山神舞

     

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(2012年7月3日発売の拙著です)






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