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2010年8月19日木曜日

書評 『わたしはコンシェルジュ-けっして NO とは言えない職業-』(阿部 佳、講談社文庫、2010 単行本初版 2001)-「コンシェルジュ」という「ホスピタリティ」の仕事と「サービス」の違いとは?




「コンシェルジュ」の仕事-「サービス」と「ホスピタリティ」の違いとは?

 コンシェルジュ(concierge)という仕事がどういうものか。このコトバが日本語でも使われるようになってきたので、単行本初版がでた2001年当時とはだいぶ状況が変化したのではないだろうか。

 お客様の要望にはどんなものでも応えるというコンシェルジュが、「けっして NO とは言えない職業」として、比喩的な意味で使われることもしばしばある。

 しかし一方、コトバは拡がっても、実際に日本国内でコンシェルジュのお世話になることがあまりないのは、外資系ホテルが増えたとはいえ、まだまだコンシェルジュの絶対数が日本では少ないからだろう。日本を一歩出れば、私もいつもコンシェルジュのお世話になっているのだが。

 その意味で、「コンシェルジュ」という「ホスピタリティ」の仕事がどういうもので、そのために必要な能力は何が求められるのかについて語った本書は、現在でも貴重な一冊である。

 「サービス」と「ホスピタリティ」の違いについては、直接読んで確かめてほしい。

 著者は、コンシェルジュに憧れながらも、まだその職種が日本になかったため断念、10年間別の仕事を経験してからヨコハマ・グランド・インターコンチネンタルで念願のコンシェルジュに就くことができた人である(・・現在はグランド・ハイアット東京のチーフ・コンシェルジュ)。この回り道が、実は意味があったことも本書で十分に語られている。

 コンシェルジュとは、お客様のばくぜんとした要望を限られた質問内容から感じ取り、イメージし、的確で具体的な解答を説得力をもて提示する仕事だからである。

 そのためには、好奇心を全開にして、五感をフルに活動させて、実にさまざまな事を実際に自分で見て、体験しておく必要があるわけなのだ。広く浅くでいいから何でも知っておくことが重要。つまり「引き出し」や「ポケット」はたくさんあればあるに越したことはないということ。

 そして何よりも、すぐに電話で聞ける人脈をもっていることも不可欠であるという。

 本書はコンシエルジュになりたい人、コンシエルジュをもっと知ってみたい人だけでなく、人に接する仕事には何が必要なのかヒントを得たい人にもひろく薦めたい。



<初出情報>

■bk1書評「「コンシェルジュ」の仕事-「サービス」と「ホスピタリティ」の違いとは?」投稿掲載(2010年6月23日)
■amazon書評「「コンシェルジュ」の仕事-「サービス」と「ホスピタリティ」の違いとは?」投稿掲載(2010年6月23日)

*再録にあたって加筆した。




<書評への付記>

 コンシェルジュ(concierge)は、もともと門番とか管理人という意味であったが、現在はもっぱらホテルの専門職として、顧客の要望になんでも応える係という意味で、日本でも知られるようになった。

 どうしてもフランス語読みしてしまう私は、書くときにコンシエルジュとしていまい、検索に引っかからないことが多くて困っている。さらに正確に表記すると、コンスィエルジュ だろうか。

 サービス(service)は、もともと神に仕える(serve)という意味から派生したコトバ。日曜礼拝(Sunday morning service)や軍務(military service)という表現で使われる「サービス」は、かなり原義に近い用法である。ビジネス用語として使う「サービス」は、もっとも新しい用法である。

 日本語のガソリンスタンドを意味するサービス・ステーションは、米語では gas station というが、フランス語では une station service(スタシオン・セルヴィス)というので、まったく間違っているわけではない。

 日本人が一般に使っているサービスは、いわゆる第三次産業の一つである「サービス産業」の意味合いが強い。さすがに無料の意味で「サービス」しておきます、とクチにすることは減ったのは、「フリー」というコトバが普及したためだろうか。

 米国を中心に「サーバント・リーダーシップ」(Servant Leadership)というコンセプトが生まれているが、これは service や serve の原義である「神に仕える」にもっとも近い意味で使用されている。神の僕(しもべ)が神に仕えるように、顧客や従業員に使えるリーダーシップ・スタイルということである。

 ホスピタリティ(hospitality)は、日本語でいえば「おもてなし」にあたる。遠来からきたお客さんを、あたかも友達のように歓待し、もてなすことを指した表現である。

 病院のホスピタル(hospital)から派生したコトバである。ホテル(hotel)は、ホスピタルから分離した、というよりも、もともとホスピタルとホテルは同じだった。

 私はホスピタルとコトバには、どうしても十字軍時代のニュアンスを感じてしまうのだが・・・


 サービスとホスピタリティの違いは、その二つを区分して使用する人によって、かなりバラエティがあるのだが、ニュアンスの違いはなんとなく理解していただけただろうか。

 「仕える」サービス「もてなす」ホスピタリティ
 あえていえば、目線と位置の違い、ということになろうか。

 いずれにせよ、西欧文明の根幹をなすキリスト教文化が背景にがあることは、十分に知っておいたほうがいいだろう。

 かつて作家専業の頃の田中康夫は何度もサービスとは何か、というテーマで書き、発言していた。両親が敬虔なカトリックであることが影響していたようである。



<関連サイト>

「もてなしの心、いつまでも コンシェルジュ 阿部圭」(NHK プロフェッショナル、2015年2月16日放送)
・・「コンシェルジュデスクに寄せられる依頼は、1日300件以上。「花火が見えるすし屋を紹介してほしい」「サムライがいる場所に行きたい」「パスポートを落とした」など、想定外の依頼も多い。客に向き合うとき、阿部が大切にするのは、「言葉の向こうの“心”を読む」ことだ・・(後略)・・」

(2015年2月18日 項目新設)






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(2014年11月4日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)







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