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2010年11月9日火曜日

書評 『ユダヤ人エグゼクティブ「魂の朝礼」-たった5分で生き方が変わる!-』(アラン・ルーリー、峯村利哉訳、徳間書店、2010)-仕事をつうじて魂を磨く!




現代社会に生きるビジネスパーソンのためのスピリチュアル・リーダーシップのすすめ

 不動産コンサルティング会社のエグゼクティブで、かつユダヤ教の精神的指導者(導師)であるラビが、生き馬の眼を抜くニューヨークでビジネスに従事するエグゼクティブたちに、毎週月曜日の朝に行ってきた訓話から30話を集めて一冊にまとめたもの。

 現代社会に生きるビジネスパーソンのための、スピリチュアル・リーダーシップのすすめとでもいうべき内容の本である。ニューヨークで話題のビジネス書だという。

 ときに倫理道徳から外れがちなこともある営利事業としてのビジネスを、いかに道徳的、倫理的に進めていくべきか。ビジネスと倫理道徳の両者のあいだに生じるコンフリクトを、けっして二者択一という安直な道をえらぶことなく、自分のアタマで考えぬいて意志決定して行動する、つまり「仕事をつうじて魂を磨くこと」が重要であること、バランスある人生を送り、偶然性を活かすことが、不確実性に充ち満ちたこの世の中で生きて行く知恵であることが語られる。

 数々の身近な実例や、自らの失敗談も交えながら語る訓話は、けっして上から目線のお説教ではない。賢明で思慮深いリーダーになるための行動指針とは何か、それを考えるための素材がつまった知恵の宝石箱のような本である。


 ラビである著者は、旧約聖書やタルムードなど、ユダヤ教の聖典から多くの引用を行っているが、禅仏教やチベット仏教、老子道徳経など東洋の叡智からの引用も多い。
 
 だが、この本の読者はとくにユダヤ人に限られる必要はない。現代社会に生きるビジネスパーソンが日々直面している普遍的なテーマについて語っているからだ。

 旧約聖書からの引用は多いが、キリスト教臭さがないので、むしろフツーの日本人には違和感なく読める本になっていると思う。訳文は正確で、こなれていているのでたいへん読みやすい。

 ビジネスパーソンに限らず、仕事をしている人なら誰でも、最後まで自問自答しながら読むことを奨めたい。


<初出情報>

■bk1書評「現代社会に生きるビジネスパーソンのためのスピリチュアル・リーダーシップのすすめ」投稿掲載(2010年10月18日)
■amazon書評「現代社会に生きるビジネスパーソンのためのスピリチュアル・リーダーシップのすすめ」投稿掲載(2010年10月18日)




著者プロフィール

アラン・ルーリー(Alan Lurie)

ユダヤ教のラビであり、ニューヨークの不動産コンサルティング会社の取締役。毎週月曜日の朝5分間、同社の社員の前で朝礼を行う。ビジネスと倫理を融合させたアドバイスは示唆に富み、ニューヨークで大評判になって講演依頼も殺到(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。





<書評への付記>

 ニューヨーク(New York)は、ジューヨーク(Jew York)ともいわれることもあるのは、ユダヤ系市民が多く居住しているからだが、おそらく著者がエグゼクティブとして在籍している会社もユダヤ系だろう。

 原題は、Alan Lurie, Five Minutes on Mondays: Finding Unexpected Purpose, Peace, and Fulfillment at Work, 2009 直訳すると、『毎週月曜日の5分間-仕事の場で探す、予期せざる目的と平和そして達成について』。

 ルーリー(Lurie)というファミリーネームは、16世紀の有名なカバリスト(=ユダヤ神秘主義のカッバラー主義者)のイサアク・ルリヤ(Isaac Luria)を想起させる。日本語の記述がまだないが、英語版の wikipedia の記述を参照。『離散するユダヤ人-イスラエルへの旅から-』(小岸 昭、岩波新書、1997)に、ルリヤにかんする記述があるので参考まで。

 「ユダヤ人ビジネスマン」というステレオタイプでモノをみないほうがよい。読めばそういう感想をもつと思う。

 「日米経済戦争」の1980年代後半の熱い時代には、ユダヤ関連のトンデモ本が出版されることが多かった。近年では、こいった「陰謀本」が大幅に減ったことは喜ばしいが、一方ではあまりユダヤ関連のビジネス書が出版されなくなっているという副作用もある。

 本書は、かなり良心的な内容の本で、かつ翻訳もすぐれているので、一読を薦めたい。



<ブログ内関連記事>

書評 『日本型プロフェッショナルの条件-アメリカ的論理思考では問題は解決できない-』(安永雄彦、ダイヤモンド社、2009)
・・日本でも、現役のビジネスマンでかつ浄土真宗の僧籍をもった人による「ビジネス法話集」がある。読み比べてみるのも面白いだろう。

本の紹介 『ユダヤ感覚を盗め!-世界の中で、どう生き残るか-』(ハルペン・ジャック、徳間書店、1987)・・1980年代に出版された「ユダヤ本」のなかでは例外的にすぐれた内容の本。著者は日本人のペンネームではなく、実在の人物が日本語で書き下ろしたもの。絶版状態が惜しい。

「宗教と経済の関係」についての入門書でもある 『金融恐慌とユダヤ・キリスト教』(島田裕巳、文春新書、2009) を読む
・・ユダヤ教、キリスト教とビジネスの関係について、ユダヤ教とキリスト教を区分して考えるべきことを私が解説。「ユダヤ・キリスト教」という表現は、誤解を生みやすい。

書評 『緑の資本論』(中沢新一、ちくま学芸文庫、2009)・・ユダヤ教とそれを源流とする、キリスト教、イスラームという一神教の経済倫理について

「稲盛哲学」 は 「拝金社会主義中国」を変えることができるか?
・・「魂の哲学」を説く京セラ創業者の稲盛和夫の「哲学」は、「仕事をつうじて魂を磨くこと」

書評 『稲盛和夫流・意識改革 心は変えられる-自分、人、会社-全員で成し遂げた「JAL再生」40のフィロソフィー』(原 英次郎、ダイヤモンド社、2013)-メンバーの一人ひとりが「当事者意識」を持つことができれば組織は変わる

(2014年2月2日 情報追加)






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