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2011年2月5日土曜日

映画 『ウォール・ストリート』(Wall Street : Money Never Sleeps) を見て、23年ぶりの続編に思うこと




 昨日(2011年2月4日)、映画 『ウォール・ストリート』(Wall Street Money Never Sleeps)を見てきた。「マネーは眠らない」という副題が効いている。20世紀フォクス、2010年製作、127分。

 ここのところ、公開初日にハリウッド映画を見るのが習慣(?)になっている私である。この映画も続編とはいえ、リメイクではないオリジナルの脚本の映画である。だがそれだけが理由ではない。

 前作の 『ウォール街』(Wall Street)以来23年ぶりの続編である。
 もちろん、私はこの映画を見ている。日本公開は 1987年、社会人になったから3年目、ときはまさにバブルの真っ最中であった。
 金融系コンサルティング会社に在籍して、日本の金融街のど真ん中である大手町で勤務していた私は、広い意味で金融界の末端にいたことになる。その頃はまだ米国には一度もいったことがなかった。

 『ウォール街』は、日本経済新聞社の試写会の券があたって、日経の本社ビルのイベントスペースで観た記憶がある。むかしの日経ビルのほうである。

 時代がアドレナリンで充満していた時代だった。そんな時代の『ウォール街』である。この映画を見て興奮しなかった金融マンはいなかったことだろう。監督の製作意図は読み取らずに。


23年後の『ウォール・ストリート』

 今回の続編も、監督は同じくオリバー・ストーン。主演のゴードンゲッコー役はマイケル・ダグラスで変わらず。1993年にインサイダー・トレードのため起訴され、8年間投獄されていたという設定になっている。

 映画の冒頭は、出獄したゲッコーに収監の際に取り上げられていた持ち物が返還されるシーンから始まるが、なんといってもモバイルフォンのでかさには笑わされる。
 娑婆の世界はドッグイヤーで進行いていたのに対して、獄中では時間が止まっていたということだ。

 前作では、カウンターパートとなる正義感あふれる若い金融マンはチャーリー・シーンが演じていたが、今回はシャイア・ラブーフが演じている。
 面白いのは、その婚約者がゲッコーの娘となっていることだ。演じるのはキャリー・マラガン。

 前作では、主人公の若手金融マンは、父親が航空機製造に従事するエンジニアとなっていたが、今回はリーマン・ブラザーズをモデルにしたと思われる投資銀行(≒証券会社)でエネルギー投資を専門にしているという設定だ。しかも従来型の石油や天然ガスなどではなく、新エネルギー開発に従事する研究開発型ベンチャーを金融で支援するという志(こころざし)ある役柄である。

 若手金融マンがチャールズ・シュワッブを思わせる投資銀行に移ったのち出席したチャリティー・パーティーのシーンで、なんだか恰幅がよくなったチャーリー・シーンが登場してマイケル・ダグラスと立ち話するシーンがあるが、このシーンは前作を見たことのある人は、セリフ内容も含めてひそかに笑えるだろう。

 なんせ前作から 23年、マイケル・ダグラスも歳を取り、オリバー・ストーンも歳を取り、私も歳を取った(・・ため息)。マイケル・ダグラスも、父親のカーク・ダグラスそっくりの風貌になってきた。

 ゲッコーが出獄後、新たに執筆した著書のプロモーションで大学で講演するシーンが最初のほうにある。マイケル・ダグラスはベテランの俳優だから当然だが、プレゼンテーションや講演というものは、ああゆう風にやりたいものだという羨望のまなざしで私は映画を見ていた。

 講演のなかで、大学生たちに向かって「君たちは NINJA Generation だ」と、いきなり一発かましている。NINJA Generation なるほど、No Income, No Job, No Asset の頭文字をとって NINJA。ninja(忍者)は 英語になっているから、学生たちも自分のことを言われながら、耳できいただけで理解できるというわけだ。

 日本語でいえば、「無収入、無職、無資産」の「三無世代」といったところだろうか?


1987年の「Greed」(貪欲)と 2008年の「Greed」(貪欲)

 前作では「greed」(貪欲)を高らかに歌いあげるゴードン・ゲッコーは、インサイダートレードで逮捕投獄されたアイヴァン・ボウスキーがモデルだ。ボウスキーはその当時、日本経済新聞社から著書の日本語訳がでるほど伝説のトレーダーだったが、なんのことはない、インサイダートレーダーだったわけだ。

 出獄後は 「Greed is good. Now seems me it's legal.」と語って、2008年当時の米国の金融界の滅茶苦茶ぶりを皮肉る役回りに転じている。
 そのゴードン・ゲッコーがこの映画でどういう意味をもつのかは、ネタバレになるので書かないが、まあ一筋縄ではいかない人物であることは確かである。

 何よりも説得力があるのは、「Money よりも Time のほうが大事だ」と語るゲッコーのセリフである。これはいうまでもなく米国人なら知らない人のない、ベン・フランクリンの 「Time is Money」(時はカネなり)を踏まえたものだが、このセリフがこの映画でもつ意味も大きい。

 なんせ前作から 23年後だ。23年間経過しただけでなく、主人公のゲッコーにも残された時間はそう多くはないということを意味しているからだ。

 このほか、面白いと思ったセリフは、チャールズ・シュワッブとおぼしき投資銀行の会長から、「君は idealist か capitalist か?」と問われた若手金融マンが「自分は realist だ」と答えるセリフ。

 主人公ゲッコーの「It's like a monkey dancing on razor blade.」というセリフ。面白い表現だと思ったのでメモっておいた。


左派リベラルのオリバー・ストーン監督について

 オリバー・ストーンは、1980年代には『プラトーン』でベトナム戦争、『ウォール街』で金融界、『サルヴァドル』では中南米の独裁政権、そのほか『トーク・ラジオ』その他、社会派のどちらかというとやや左派リベラルよりの映画を制作してきた監督である。そもそも徴兵ではなく、自ら志願してベトナム戦争に参加したという経歴が人生の出発点にある。

 そういう左派リベラルの思想の持ち主でも映画製作が可能な、ハリウッドというシステムは非常に興味深い。
 オリバー・ストーン自身、名前からもわかるとおり父親がユダヤ系なので、ユダヤ系が主流で民主党支持者の多いのハリウッドではアウトサイダーではないということだろう。ただし本人はユダヤ教徒ではない。

 現在の米国映画界では、オリバー・ストーンはマイケル・ムーアと並ぶ存在であると、勝手に私はみなしている。
 ムーアは「アポなし突撃取材スタイル」のツポルタージュ形式、ストーンは、あくまでもエンターテインメントという形式にはこだわっている。フィクションによって、社会を撃つというやり方である。
 ちなみにマイケル・ムーアは労働者階級出身でカトリックである。

 前作の『ウォール街』も金融界には批判的な内容だったが、今回の『ウォール・ストリート』もまた批判的な内容になっている。だがオリバー・ストーン自身が金融を否定しているわけでないだろう。そこはマイケル・ムーアとはだいぶ違う点だ。

 批判するためには、批判する対象にリアリティがなければならない。そのためには徹底的に取材してディテールまで細かに描きこんでいることが評価できる。

 米国の中央銀行である FED(=連邦準備銀行)の「奥の院」での、政治家をまじえた意志決定のシーンがでてくるが、まず一般ピープルは体験できない時空間である。このシーンを見るだけでも、この映画を見る価値があるといっていいのではないか?

 映画そのものはハッピーエンドで終わるハリウッド映画で、ちょっと物足りないなあと思うのは私だけではないかもしれない。まあ、安心してみることのできる娯楽映画ではある。純粋に楽しめばいい。





<関連サイト>

『ウォール・ストリート』日本版公式サイト

Official Trailer: Wall Street - Money Never Sleeps 『ウォール・ストリート』米国版トレーラー(英語、字幕なし)

Official Trailer: Wall Street 『ウォール街』(1987年) 米国版トレーラー(英語、字幕なし)


<ブログ内関連記事>

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書評 『超・格差社会アメリカの真実』(小林由美、文春文庫、2009)

月刊誌「クーリエ・ジャポン COURRiER Japon」 (講談社)2010年3月号の特集「オバマ大統領就任から1年 貧困大国の真実」(責任編集・堤 未果)を読む





(2012年7月3日発売の拙著です)








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