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2014年8月26日火曜日

「実るほど こうべを垂れる ヒマワリかな」-ヒマワリの原産地は北米だった!


ことしも8月が終わりに近づいてきた。ことしの8月は全国各地で季節はずれの台風や豪雨の被害があいついでいるが、その一方で、「年々歳々、花相(あい)似たり。歳々年々、人同じからず」でもある。

この時期になると、ヒマワリの花も盛りを過ぎて、タネがぎっしり詰まったヒマワリは、ガクンと頭(こうべ)を垂れている。

実るほど 頭(こうべ)を垂れる ヒマワリかな

おそらく多くの人が、花の盛りを過ぎたヒマワリをみて、ふとクチにしてみたくなるのではないだろうか。ヒマワリは夏の季語なので、俳句の要件は満たしている。字余りだが(笑)

だが、オリジナルはこれだ。

実ほど 頭(こうべ)を垂れる 稲穂かな

この17文字は誰の作かは知らないが、まさにその通りとしかいいようがない。

文字通りの意味は、収穫の秋が近づいた稲穂は米粒がギッシリと詰まって重そうである。まるで人間が頭を垂れているように、ということになる。転じて、偉い人ほど謙虚であるということを意味した表現として引用されることも多い。

英語にも、The more noble, the more humble.(偉い人ほど偉ぶらない)という対句表現で韻を踏んだ慣用句がある。洋の東西を問わず、ホンモノはみなそうだ、ということだろう。


話題にしたいのは、稲穂ではない。ヒマワリである。

ヒマワリは、お日様に向かって花が回るという意味から「日回り」と名付けられたようだ。漢字で向日葵と書くのはそのためだ。英語ではサンフラワー(sunflower)という。発想は同じである。

ヒマワリというと、まずはイタリア映画の『ひまわり』を想起してしまう。1970年公開の映画だから、もう44年も前の作品だ。マストロヤンニとソフィア・ローレンが主演。第二次世界大戦末期、枢軸国のイタリアはソ連戦線への出兵を余儀なくされ、主人公は新婚の妻を残して出征。そしてその後の長い月日ののち・・・という、戦争の悲劇を描いた映画だが、スクリーン一面に拡がるヒマワリ畑のシーンが印象的な映画だ。


映画 『ひまわり』のロケは、欧州の穀倉地帯ウクライナで撮影されたらしい(・・上記のチラシを参照)。映画を見たのはもうずいぶん昔のことだが、『ひまわり』はソ連というイメージが往年の映画ファンにはできあがっているのではないだろうか。

ヒマワリというと、狂気の天才画家ゴッホの『ひまわり』を想起する。ゴッホはオランダ人である。日本の浮世絵にベタ惚れしていたことは有名だが、ゴッホの『ひまわり』7点のうち1点が、当時50億円超という高額で日本の安田生命保険が落札したときは大きなニュースになった。現在は損保ジャパンとなっているが、東京・新宿の損保ジャパン東郷青児美術館の目玉となっている特別展示品である。

(損保ジャパン東郷青児美術館所蔵の「ひまわり」 wikipediaより)

日本とのからみでいうと、美輪明宏が絶賛しているデザイナーの中原淳一は、『それいゆ』や『ひまわり』といった少女向けのスタイルブックを出していた人として有名だ。中原淳一については、「生誕100周年記念 中原淳一展」(横浜そごう)にいってきた(2013年6月15日)-「装う、暮らす、生きる。すべてに "美" を求めた芸術家」に書いているのでご参照いただきたい。中原淳一作品を販売するショップは、「ひまわり屋」という。


ファッションといえば、奇抜なファッションで人の目を驚かせていた世紀末英国の耽美主義の作家オスカー・ワイルドは、スーツの襟にヒマワリの花を挿して社交界に出入りしていたという。ワイルドもまた日本美術だけでなく日本に惚れこんでいた人だが、残念ながら一度も来日することなく世を去った

(英国の雑誌『パンチ』に掲載されたワイルドの風刺画 wikipediaより)

ファッションからいきなり話題を転じるが、ヒマワリはそもそも鑑賞用として栽培されているわけではない。タネを取るために栽培されているのである。ある意味では穀物のたぐいである。

ヒマワリのタネは、日本ではもっぱらオウムの餌とされているが、中国人のスナックでもある。彼らは、ナマのままヒマワリのタネをかじっている。ヒマワリのタネには油分が多く、ナッツでもあるわけだ。ヒマワリ油(Sunflower Oil)はコレステロール増加防止としててんぷら油として使用されているので、日本人にもなじみ深い。

(ヒマワリのタネ wikipedia ロシア語版より)


以上、旧ソ連のウクライナ、オランダ、日本、中国と、ヒマワリ関連の話題を見てきたが、原産地はぞのいずれでもないのである。

原産地はなんと北米である。高さは3メートルにもなるらしい。花をみればわかるようにキク科の植物である。wikipedia日本語版には以下の記述がある。

ヒマワリの原産地は北アメリカ大陸西部であると考えられている。既に紀元前からインディアンの食用作物として重要な位置を占めていた1510年、スペイン人がヒマワリの種を持ち帰り、マドリード植物園で栽培を開始した。マドリード植物園はダリアやコスモスが最初に栽培されたことでも有名である。ヒマワリがスペイン国外に持ち出されるまで100年近くを要し、ようやく17世紀に至りフランス、次にロシアに伝わった。ロシアに到達してはじめて、その種子に大きな価値が認められた。正教会は大斎の40日間は食物品目の制限による斎(ものいみ)を行う。19世紀の初期にはほとんど全ての油脂食品が禁止食品のリストに載っていた。しかしヒマワリは教会の法学者に知られていなかったのか、そのリストにはなかったのである。こうした事情から、正教徒の多いロシア人たちは教会法と矛盾なく食用可能なヒマワリ種子を常食としたのであった。そして、19世紀半ばには民衆に普及し、ロシアが食用ヒマワリ生産の世界の先進国となったのであった。日本には17世紀に伝来している。

なるほど、北米 ⇒ スペイン ⇒ フランス ⇒ ロシアというルートで広まったのであったか! なるほど、これでロシアないしはウクライナがヒマワリの一大栽培地帯になっている理由がよく理解できるわけだ。

日本にもそんな早い時期に伝来されていたとは知らなかったが、まさに「大航海時代」という第一次グローバリゼーションのなせるわざであったことがわかる。

ナスやトマトが南米アンデス原産であることは、比較的よく知られていると思うが、ヒマワリは北米原産だったのだ。いずれもヨーロッパ経由の右回りで極東の日本までやってきたことになる。

そんなことを考えながらヒマワリを見ると、なんだか不思議な感じもするのは、わたしだけではないだろう。

そしてまた冒頭の一句をクチにしてみる。

実るほど 頭(こうべ)を垂れる ヒマワリかな

字余りでしタネ。







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(2012年7月3日発売の拙著です)









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