JBPress連載コラム第53回目は、「古代ローマの人生訓と合気道精神はこんなに似ている- 日本人だからこそ理解できるローマ皇帝の『自省録』」(2019年6月4日公開)
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私の個人的な関心ではあるが、合気道という20世紀の日本生まれの武道が、意外なことに『自省録』を貫く精神に相通じるものがあることを見ていきたいと思う。
というのも、大学に入学した18歳のとき、ひょんなことから合気道を始めることになった私は、大学学部時代は体育会合気道部に所属して、合気会師範の有川定輝先生の指導を受けて主将を務め、社会人になってからの米国留学中には、大学キャンパスでアメリカ人学生たちに英語で "AIKIDO" を指導した経験をもっているからだ。
(『マルクス・アウレリウス 自省録』と『合気道開祖植芝盛平 語録』 筆者撮影)
合気道開祖の植芝盛平が、マルクス・アウレリウスの『自省録』やストア派哲学のことを知っていたかどうかはわからない。おそらく知らなかったと思うが、生涯をかけた武道探求を通じてたどり着いた思想が、偶然のことながらマルクス・アウレリウスの思想とじつによく似ていることに、私は不思議さを感じるのである。
『超訳自省録』からの引用をもとに、マルクス・アウレリウスの思想と合気道開祖・植芝盛平の思想に類似性があることを見ていきたいと思う。
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