(船橋大神宮の本殿前にて 筆者撮影)
というわけで本日(1月2日)に初詣。久々に初詣で船橋大神宮にいってきました。
船橋大神宮の正式名称は、意富比神社(おほひ・じんじゃ)。ずいぶん変わった名称ですね!
公式ウェブサイトによれば、古代の太陽神信仰にさかのぼることが可能なのだとか。のちに皇室の先祖神である天照大神の信仰と結びついたようです。したがって、意富比神社の御祭神は、天照皇大御神(あまてらすすめおおみかみ)となっているわけですが、そもそもはそうではなかったわけですね。きわめて古代的な信仰を残存させているわけです。
船橋大神宮は、「大神宮」という名称で知られていますが、敷地面積は広いとは言えません。由緒ある「世界最小の大神宮」(?)というべきでありましょう。
(社務所に貼ってあったポスター 筆者撮影)
わたくしは、日本以外では対外的には面倒なので「ブディスト」(=仏教徒。文字通りの意味は仏陀主義者)で通してますが、ごく普通の日本人ですので当然のことながら神社にもお参りする。日本人としては当たり前でも、日本人以外には理解しにくいでしょうけどね。
(沿道にはケバブなど各種の露天が並ぶ 筆者撮影)
正月の船橋大神宮は、神社の境内には露天が大量に出店。なんだか縁日みたいな感じです。
なんとケバブの露天が2店も出店。靖國神社にすら韓国チヂミの露天が出てますが、トルコのドネウケバブもねえ。なんと「伝統の味」と書いてあります。神社の境内の縁日風景は、移り変わる日本人の消費の実体を現してますね。
まあ、これが日本というものでしょう。いっけん排他的でありながら、気に入ったものはなんでも受け入れて融合してしまう。日本古来の民族宗教とされる神道(しんとう)も、じつはそういうものなのです。宗教学でいうシンクレティズム(折衷主義)という現象です。神道の起源が日本以外だという節も濃厚です。
(白梅と見まごう?おみくじの花 筆者撮影)
太陽神信仰は、日本の伊勢神宮だけでなく、朝鮮半島でも古代から存在します。北朝鮮の金日成(キム・イルソン)の「日」(イル)、金正日(キム・ジョンイル)の「日」(イル)は、政治的正当性を現すために太陽神信仰を体現した象徴的ネーミングなのだとか。三代目の金正恩(キム・ジョンウン)には、「日」(イル)がでてきませが、その理由はいかに?
この意富比神社(おほひ・じんじゃ)も、もともとは太陽神信仰から始まったもの。初日の出やご来光という形で、日本人の無意識レベルにも浸透している太陽神信仰。
政治的に整理される以前の、アジア全域にわたる古代的な信仰を残しているといえそうです。たまにはそんなことを考えてみるのも、いいかもしれませんね。
<関連サイト>
意富比神社(船橋大神宮)について (公式サイトの項目)
・・「意富比の古い読みは「おほひ」であり、上代特殊仮名遣いの上から「日」は「比」等で表され、「火」は「肥」等で表される点を考慮し、さらに歴史的にみても意富比神社が古くから太陽信仰と深い関係をもっていたことを考察に加えて、意富比神は「大日神」すなわち「偉大な太陽神」が原義であるとする説(三橋健「意富比神考」)が登場します。つまり中世から幕末までは一般に「船橋神明」と称され、主祭神を天照皇大御神とする意富比神社も、原初は古代のこの地方最大の太陽神であったとするもので、現時点では最有力な説となっています。」
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