『岩合光昭の世界ネコ歩き』なんてTV番組をもち、ネコ写真で有名な写真家・岩合光昭さん。
でも、被写体はネコだけではない。イヌもまた被写体であり、写真集さえある。
それが『ニッポンの犬』(岩合光昭、平凡社、1998)だ。20年前の出版だが、現在でも毎年販売されるカレンダーに登場する。
イヌは日本犬に限る。日本ではペットとしての洋犬が多いが、なんといってもイヌは日本犬に限る。そう断言したい。
写真集の表紙に 「カワイイ、りりしい、たのもしい」 という宣伝シールが貼ってあるが、まさにそのとおり。この本に登場する犬の顔が実にいい。思わずほおずりしたくなるような犬、ほれぼれとするような表情をした犬、犬、犬・・・。
何度眺めてもうれしい本だ。
日本犬の原型は、もともと縄文時代から飼育されてきた狩猟犬にさかのぼる。主人と認めた人にはよくなつくが、それ以外の人にはなつかない。だから「吠える飼い犬」として絶大な信頼を受けてきた。秋田犬も柴犬も土佐犬も、その他の日本犬もみなそうだ。闘犬である。
(Shiba Inu - Wikipediaより)
世界的に有名な忠犬ハチ公(Hachi)もそうであるが、秋田犬(あきた・いぬ akita dog)が世界的に人気があることはよく知られているかもしれない。じつは日本犬といったらすぐに思い浮かぶ柴犬(しば・いぬ)もまた、世界中で人気らしい。
柴犬は Shiba inu というローマ字表記になる。すでに英語になっているようだ。主人とその家族には忠実だという点がという点が評価されているらしい。
日本犬の世界的な人気。うれしいことではありませんか!
ことし2018年はイヌ年。今年もよろしくお願いします。
<関連サイト>
海外でも人気な柴犬 「サムライ」のような性格が心を掴んでいる?(2017年12月18日)
・・「海外で、柴犬を飼っている人の多くは、「柴犬は賢い」「柴犬は忠実」「柴犬は、飼い主や家族には忠実で、限りなく優しい。だが、警戒心が強いので、番犬にもなる」「穏やかで頭がよく、忠実でまるで日本人のよう」と手放しで絶賛しています。これは、ヨーロッパや英語圏で多く買われている犬種は、もとは狩猟や牧羊などのための使役犬であったのを、愛玩犬として改良した犬種がほとんどでした。けれども、「柴犬」や「秋田犬」などの日本犬は、ずっと人間のために番犬や狩猟犬として存在し、愛玩犬としての改良など全く行われていません。さらに柴犬は、洋犬の狩猟犬のように「鳥を追い立てる」「狐を穴から追い出す」と言った狩猟のサポートをするタイプではなく、クマやイノシシに直接戦いを挑んでいくタイプの狩猟犬でした。そういった勇ましい歴史もあり、そのため、「誰にでも懐く」「人に対して警戒心が薄い」ということもなく、「警戒心は強いけれど、家族、主人には忠実」「利口で我慢強い」と言った性格が受け継がれてきたのでしょう。
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猛暑の夏の自然観察 (3) 身近な生物を観察する動物行動学-ユクスキュルの「環世界」(Umwelt)
・・動物生態学者コンラート・ローレンツの『人、イヌに会う』を紹介
「縄文多空間 船橋市飛ノ台史跡公園博物館」(船橋市海神)にはじめていってみた(2016年5月21日)-海辺の小高い丘に居住していた縄文人たちの痕跡。7000年前の「縄文早期」に思いをめぐらす
・・「縄文犬は日本犬の原型であるが、この遺跡の発掘からわかったのは、縄文人たちはイヌを大事に扱っていたという事実だ。脚の骨を折った老犬を丁重に葬っていることから明らかになった。」
(2018年1月2日・7日 情報追加)
(2017年5月18日発売の拙著です)
(2012年7月3日発売の拙著です)
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