(戦場まで徒歩で移動する関東軍の歩兵たち Wikipediaより)
JBPressの連載コラム第60回は、「悲壮な肉弾戦で惨敗、「ノモンハン事件」の教訓とは-日本を破滅に導いた国境紛争、連続した世界を生きている私たち」(2019年9月10日)
⇒ https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57544
今年2019年は、「ノモンハン事件」から80年にあたる。
「ノモンハン事件」は、1939(昭和14)年5月11日に始まり、同年の9月16日に停戦交渉が成立し終結した、国境線をめぐる日ソ間の軍事衝突である。国境付近の大草原を舞台にした3次にわたる激戦で、双方ともに1万人の戦死者、2万人以上の負傷者を出している。「事件」というよりも、実質的に「戦争」であった。
反面教師としてのノモンハン事件は、現代に生きる日本人にとっても、いまだ教訓に充ち満ちた教材である。
以下の小項目に従って、ノモンハン事件について考えてみよう。
(『ノモンハン』(辻政信、毎日新聞社、1950)の表紙カバー 筆者撮影)
●朝鮮戦争との類似点
●第2次世界大戦の引き金に
●帝国陸軍が喫した「初の敗戦」
●「工業力」に大きな差があったソ連と日本
●反省すれど、教訓は活かされず
●国境紛争は全面戦争につながりやすい
(『鉄か肉か-ノモンハン秘史』(山中峯太郎、誠文堂新光社、1940)の表紙カバー 筆者撮影)
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というのはドイツ帝国の宰相ビスマルクの至言だが、ノモンハン事件は「先の大戦」にも劣らず、今後も繰り返し、繰り返し振り返り、細部にわたって検討を行うべき失敗事例なのである。
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