梅雨の晴れ間(というか、すでに真夏日)の海辺を歩く。
埋め立ての進んだ東京湾では数少ない天然の浅瀬である「三番瀬」(千葉県船橋市)をひさびさに歩いてみる。
海岸を歩いて市川市までいくと、足下はカキ殻だらけだ。引き潮状態の波打ち際には、敷き詰められたようにアサリの貝殻とカキ殻が堆積している。
潮干狩りで有名な三番瀬だが、アサリの貝殻だけではない。近年ではホンビノスという北米原産の大型のハマグリのような二枚貝も特産になっているが、それだけではないのだ。代表的なカキであるマガキもまた多いことに気がつく。
カキといえば、東日本では太平洋側の宮城県、西日本では瀬戸内海の広島県が有名だが、いずれも「養殖もの」の産地であって、「天然もの」のカキは日本の沿岸のどこにでもいるわけだ。
日本海側は、私の生まれ故郷の舞鶴も含めて大粒の岩牡蠣が有名だ。山形県の酒田の市場で食べたナマの岩牡蠣はじつに美味だったことが鮮明に記憶にある。
縄文人も、日本中の海辺でカキを採集して食べていたのだろうな、と想像してみる。食べ方まではわからないが、栄養豊富な「海のミルク」は、まさに自然の恵みそのものだからね。
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