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2021年6月13日日曜日

書評『天皇家と生物学』(毛利秀雄、朝日選書、2015)-昭和天皇以来3代にわたる生物学者の系譜。そして4代目への期待

 

精子の研究で著名な生物学研究の長老によって書かれた本だけに、生物学における昭和天皇からつづく天皇家の功績を、深い敬意のもとに的確な記述がなされている。 

天皇家の生物学者の初代は、言うまでもなく昭和天皇。

主たる研究テーマは、ヒドロゾアをはじめとする海洋生物を中心に、動植物全般に及ぶ幅広いものであった。ヒドロゾア研究で9編の専門論文を発表し、20冊以上の生物学の書籍にかかわっておられる生物学者だ。

もちろん、多忙な公務を最優先とし、研究に割くことのできる時間がきわめて限られていたことは言うまでもない。 

2代目は、明仁天皇(現在は退位されて上皇陛下)。

ハゼの分類学を中心に、昭和天皇とおなじく幅広く動植物全般にわたるもの。基本的に生物のカタチを分析する形態学の研究をなされてきたが、ミトコンドリアDNAによる研究まで踏み込まれたのは、秋篠宮の影響だそうだ。 

そして3代目は、秋篠宮(文仁親王)のニワトリとナマズの研究。ナマズの研究はよく知られているが、子どもの頃からの関心はニワトリのほうらしい。皇族でははじめて理学博士号を取得されている。 

ニワトリがいかにして家畜となったかの研究において、秋篠宮は文化人類学にも踏み込んでおり、まさに「文理融合」を実践されている。歴史と生物の両面からのアプローチは、現在の天皇陛下(徳仁親王)を含めて天皇家ならではのようだ。 

このほか常陸宮によるガンの研究、黒田清子さまの鳥類の研究にも触れられている。

著者の毛利氏は、秋篠宮のご長男の悠仁親王も生物学の道に進まれることを期待されているが、わたしもまた同様にそう思う。研究テーマをどこに絞るかは別にして、ぜひその道を進んでいただきますよう! 

ただ、著者が繰り返し漏らしているように、日本の生物学研究において基礎研究がおろそかになっていることへの警鐘に耳を貸すべきだろう。英国のような「自然史博物館」をついに持ち得なかった日本の現状が問題だ、と。

基礎分野をおろそかにしていては、いずれ応用もきかなくなってしまうのである。 




目 次
はじめに 
君主と学問
 外国の君主と学問の関係
 わが国の皇室と学問) 
第1章 初代 昭和天皇
 昭和天皇のおいたち
 東宮御学問時代
 摂政宮時代と生物学御研究室の発足
 昭和天皇はなぜ生物学を選ばれたのか
 分類学を志す昭和天皇
 ヒドロゾアとは
 変形菌と南方熊楠との出会い
 生物学御研究所
 海産生物の世界的宝庫、相模湾でのご採集
 昭和天皇の採集船今昔
 皇居の動植物と全国植樹祭
 那須、須崎での植物採集
 その他
第2章 第二代今上(明仁)天皇と常陸宮
第3章 第三代秋篠宮と黒田清子さん
第4章 国際生物学賞について
 生物学のノーベル賞を―国際生物学賞
 国際生物学賞の受賞者たち
 科学、生物学そして基礎研究に光を
おわりに
参考資料

著者プロフィール
毛利秀雄(もうり・ひでお)
1930年、東京生まれ。東京大学理学部動物学科を卒業後、三崎臨海実験所に勤務。東京大学教養学部助教授、教授を経て学部長。ついで放送大学副学長、国立基礎生物学研究所長、岡崎国立共同研究機構長を務める。元日本動物学会会長、理学博士。長年精子の研究に従事して「精子学」の確立に努める。また、真核生物の細胞内にあるタンパク質チューブリンを発見、命名した。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものに加筆)
 
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