ようやくウクライナの首都キーウ近辺からロシア軍が撤退したが、そこにのこされていたのは、民間人の虐殺死体であった。それも現在判明しているのは、氷山の一角であると・・・
ロシア軍のおぞましいまでの悪行は非難されて当然であるが、この光景を画像や映像でみて想起するのは、寒冷化とペストによって「第1次グローバリゼーション」終焉後のヨーロッパ大陸世界である。
「ドイツ三十年戦争」の悲惨さを見よ!
21世紀の現在が、17世紀とよく似ていると思わないだろうか? そういう感想をもった人は、ぜひ拙著『世界史から読み解く「コロナ後」の現代』(佐藤けんいち、ディスカヴァー携書、2021)をご覧いただきたい。
「コロナ後」とは、言い換えれば「グローバリゼーション終焉後」とおなじ意味と考えていただいて、まったく問題ない。混乱状態が40年つづくか50年つづくかわからないが、短期的に終わるものだと考えないほうがいい。
「ウクライナ戦争」は、グローバリゼーションの帰結というべきだ。ソ連崩壊後にグローバル資本主義の草刈場となったロシアと中東欧。NATOをツールとした米欧はロシアを追い込みすぎたのである。17世紀のドイツは、21世紀のロシアである。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は、今回の「ウクライナ戦争」に現れている。どうやら、プーチンは「自己隔離期間中」に「独りよがりな妄想」を膨らませたらしい気配が濃厚だ。これは、間接的な影響といえるだろう。
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