ところで、「東国三社」の位置関係は、じつに興味深い。幾何学的に美しい配置となっているのだ。(*上掲の画像を参照)
底辺の両サイドに香取神宮と鹿島神宮という2つの「神宮」を置き、頂点に息栖(いきす)神社のある「直角二等辺三角形」で表示できることがわかっている。
この配置は、どうやら太陽の道もその一つである「レイライン」(leyline)にもとづくもののようだ。古代人の叡智である。さらに、古代大和政権にとっての軍事的最前線という意味合いもあったようだ。
さすがに利根川という大河川など、さまざまな自然障害があるため直線で突っ切って歩くことはできないが、GoogleMap で調べてみると、香取神宮から息栖神社を経由して鹿島神宮まで歩くと、ノンストップで約6時間の時間距離であることがわかる。
直角二等辺三角形であるから、香取神宮から息栖神社まで約3時間、息栖神社から鹿島神宮まで約3時間となる。
■香取神宮から息栖神社まで歩くと想定以上に遠かった
佐原駅から香取神宮までは序の口というかイントロで、香取神宮から息栖神社までが前半戦となるわけだ。
この前半戦では3時間をぶっ通しで歩いたが、これはけっこうきつかった。
(水田の一角で栽培されるカキツバタ 筆者撮影。以下同様)
ところが、田植えの済んだばかりの水田のあぜ道では、誰一人として出会う人もいない。野生動物が出現するのではないかと身構えながら、早足で駆け抜けるため、ここでまず消耗してしまった。
利根川沿いの街道筋にでてからも、誰一人としてすれ違う人もいない。そうだ、これが地方の現状なのだな。地方都市においては市街地であっても、歩いて移動するという考えなど皆無なのだ。クルマ社会であるからだが、それにしても廃業したガソリンスタンドが目に付く。
(田んぼの向こう側は利根川)
スマホでナビを稼働させながら、同時に写真も撮りながら歩いていると、電池の消耗がえらく早い。
コンビニの駐車場で一休みしながら、持参したモバイルバッテリーで充電しようとしたら、なんと困ったことに接続ケーブルがない! コンビニで調達しようと思ったが、サイズがわからないので購入断念。
コンビニの店員さんに聞いたら、「ドコモショップがマクドナルドの先にあったはずだ」というので、お礼をいって歩き始める。
バッテリー消耗との勝負戦となってきた。 ところが、歩けど歩けどドコモショップは見えてこない。そうだな、コンビニの店員さんも、クルマの感覚が常識となっているのだと気がついた(汗)
ドコモショップの位置をナビで確認しながら歩くこと1時間強で、ようやくドコモショップを発見。そこで接続ケーブルを購入し、ついでに充電させてもらいながら休憩。
エアコンの効いた室内で、どっと汗が噴き出てきた。
■利根川下流域は大河のような広さ
さて、ドコモショップで30分ほど充電休憩したあと、13時前になっていたが、「東国三社」で、わたしがまだ参詣したことのなかった息栖神社に向けて歩くことを再開。
まずは、利根川に向かって歩く。息栖神社まであと1時間くらいだ。
当然のことながら、橋を渡って歩く人など皆無だが、水面を伝わって吹いて風が涼しくて心地よい。冬は寒いだろうなあ。利根川につづいて常陸利根川を渡ることになる。
常陸利根川を渡ったあとは、常陸利根川沿いに北上する。あと20分ほどだが、すでに暑さも加わって、足取りの軽さもなくなってきていた。
(つづく)
*「東国三社の位置関係」の図は、『地図で楽しむ本当にすごい千葉』(都道府県研究会、宝島社、2020)より
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