「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2024 禁無断転載!



2024年6月25日火曜日

高校時代に購入して読んで、大いに感心した『サーカスが来た! ー アメリカ大衆文化覚え書き』(亀井俊介、文春文庫、1980)は、いまなおアメリカを知るための必読書だ 

 

高校時代の1980年に購入して読んで、大いに感心したのがこの『サーカスが来た! アメリカ大衆文化覚え書き』(亀井俊介、文春文庫、1980)という本だ。  

「19世紀アメリカの大衆文化」について書かれた本だが、21世紀の現在も、アメリカがこの時代の延長線上にあることがわかる、すぐれた内容の名著である。 

なんといっても北米大陸は広い。わたしも滞米中には東海岸から西海岸まで鉄道(=アムトラック)とバス(=グレイハウンド)をつかって陸路で「大陸横断」を2回行っているが、じつに広大なのである。 

このような広大な大陸で、移動式のエンタメであるサーカスや、文字ではなく「しゃべり」の文化である巡回講演会が発展したのは北米ならではなのである。巡回講演会は現在でも各種のセミナーの原型である。巡回講演会の講師は、エマソンのようにキリスト教の牧師から転身した人も少なくない。 

先日のことだが、ひさびさに必要があって引っ張り出してきて、44年ぶり(!・・それだけ持ち続ける価値のある本なのだ)、その一部を読んだ。 

大筋はさておき、もちろん細かい内容などまったく記憶から消えていたが、事実関係の究明に徹した詳細な記述はじつに濃いものがあることが読んでいてわかった。人名などの固有名詞は、聞いたことのないようなものばかりである。忘れてしまって当然である。 

「あとがき」によれば、もともと原本は1976年に東京大学出版会から出たものだそうだから、基本的に専門書なのである。だからこそ、濃い記述が一貫しているのであろう。

とはいえ、学術書でありながら、一般書として読めるものとなっているのは、文春文庫として再刊されたことからも、それは明らかだとわかる。 

日本とは違って、歴史のきわめて短いアメリカではあるが、そうはいっても現在は過去の延長線上にあり、もちろん未来も現在の延長線上にある。 

歴史を知ることは現在を知ることであり、未来を考えることでもある。19世紀の痕跡は建築物などのハードだけではなく、さまざまな制度やその他ソフト関連として、いまでもいたるところに発見できるはずだ。 

この本をはじめて読んだ頃は、まずは大学に入ることが最優先事項であり、海外留学など考えたこともなかったが、実際に留学が実現してアメリカで暮らし、休暇中には旅をしていた頃、この本の知見は自分の「ものの見方」に大いに役だったのである。 

著者の亀井俊介氏はアメリカ文化研究の泰斗ともいうべき人だが、90歳を越えたいまなお現役で著作を出し続けている。すごいことだなと感心するばかりだ。 



PS その後、岩波同時代ライブラリーから復刊され、現在は2013年に復刊された平凡社ライブラリー版が流通している。 


画像をクリック!


目 次(文春文庫版) 
サーカスが来た! ― 世界の驚異を運ぶ機関 
オペラ・ハウスで今夜 ― 大衆演芸の世界 
さすらいの教師たち ― にぎやかな講演運動 
ガンファイターへの夢 ― ダイム・ノヴェルから西部劇へ 
ターザンの栄光と憂鬱 ― 二十世紀のヒーロー 
ハリウッド、ハリウッド ― 希望の星かがやく「聖林」 
ジープに乗って山こえて ― わがアメリカ大衆文化 
あとがき 
解説(鶴見俊輔) 


<ブログ内関連記事>


書評『反知性主義 ー アメリカが生んだ「熱病」の正体』(森本あんり、新潮選書、2015)ー アメリカを健全たらしめている精神の根幹に「反・知性主義」がある


(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end