『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』というTVアニメがいい。すごく気に入っている。2026年7月から始まって、現在は11話まで公開中。
TVerでTBSのドラマ『VIVIANT』を視聴していると、毎回CMにでてくるのですごく気になっていた。『VIVANT』第2シーズンの前半が終わったこともあり、今週になってから検索してみると、ABEMA で全話が無料視聴できることがわかった。さっそく視聴してみたら、すっかりはまってしまったのだ。
(PV第1弾)
職場の激務で疲れて社畜化している40歳台半ばの営業マンと、接客業という感情労働に疲れている24歳のスーパのレジ打ち店員の女性。いずれもストレスフルな仕事ライフである。
憩いの手段である喫煙がままならない世の中。そんな状況になって肩身の思いをしている男女が、スーパーのバックヤードに設けられた喫煙場所で出会うことになるという設定。本当の自分、素の自分を出すことができる「場」である。もちろん、それぞれの内面は、また別であるが。
すれ違い系のラブコメなわけだが、仕事ものアニメでもあり、いまという時代の空気感を感じさせる秀逸な設定だ。
(韓国では Netflix Korea が字幕つきで配信中)
(このトレーラーはPV第2弾)
(このトレーラーはPV第2弾)
わたし自身はタバコは吸わないが、組織に帰属していた元サラリーマンとして、喫煙者の気持ちがわからないわけではない。いまやマイノリティとなった喫煙者どうしの連帯感は、ある意味ではうらやましい(?)と感じることすらある。
どんどん続けて見たくなってしまうので、禁欲的に1日2本、もとい2話に限定していたが、第7話から第10話までつづけて見てしまった。それくらい面白いのだ。嗜好品のなせるわざだな、中毒性があるということか(^_^; と、書いてから最新の第11話を視聴。
(公式サイト より)
いまのアニメは「異世界転生もの」ばかりで、正直いってあまり食指が動かないのだが、『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は例外だ。
年の差20歳の独身男女の、恋人どうしではなく、友だちというわけでもないが、知り合い以上ではある、そんな微妙で不思議な関係性。人間関係の機微、人を大切に思う気持ちが描かれたこのアニメは、大人も楽しめるアニメとして大いにおすすめしたい。
次回の9月24日放送の第12話で最終回となる。深夜時間に放送されるTVアニメなので、TVer か ABEMA で翌日視聴することにしよう。これを書いていてわかったが、 amazon prime でも視聴できるようだ。ただし、最新話がアップされるのが遅いのは難点だな。
最終話がどういう形で終わるのか、これを書いている現時点では「予告編」しか見てないのでわからないが、マンガが原作のこのアニメは、ぜひ「第2シーズン」につながることを期待している。
アニメ版はもちろんいいが、原作のマンガも面白い。アニメ版には省略されているエピソードもある。とりあえず kindle版で 3巻まで読んだ。
(原作のマンガ 画像をクリック!)
PS 最終話となる第12話
最終話となる第12話は、エンディングテーマが終わったあとにつづきがあるのだが、そこでの主人公のサラリーマン佐々木と田山の会話は、ぜんぶが息の合った声優ふたりのアドリブで、そのやりとりに絵をつけたのだ、と。いちおう第12話で終わりだが、その後につづくような余韻を残した演出であった。このアニメは声優たちの貢献もきわめて大きい。 (2026年9月27日 記す)
PS2 原作のマンガを最新の第9巻まで読んでみたら・・・
TVアニメの『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、地主(じぬし)氏による原作マンガの第3巻までを材料にしているが、第4巻以降を読んでいくとアニメで受ける印象とは違う展開を示していくことに気がつく。
アニメ版は、ある意味「大人のファンタジー」的な要素が強いのだが、原作マンガは、ラブコメでギャグマンガ的要素があるものの、話の展開のなかでだんだんシリアスな要素もでてきてテイストが変わってくる。
主人公ふたりの絆は深まっていくが、それぞれの思っていてもクチに出せない「内面の声」のウェイトが大きくなってくるからだ。
読者は俯瞰的な立場にあるので両者の思いはわかるが、マンガのなかでは一方の思いは相手には伝わっていない、伝えることができないというもどかしさ。主人公ふたりが、思っていることを互いに言えない状況は、読者の心も苦しくさせる。「内面の声」をふたりぶん聞かなくてはならないから。
(第7巻の表紙は「スーパーの裏」ではない)
最初はギャグマンガ的要素の強いラブコメでありながら、だんだんシリアスな展開を示していった少女マンガ的要素のあるマンガだな、と。
ああそういえば、そんなマンガがむかしあったなと、ふと思い出したのは、柳沢きみおの『翔んだカップル』である。1970年代後半から1980年台にかけての連載マンガだ。
このマンガから、少年マンガに少女マンガ的要素が取り入れられていったと、『サブカルチャー神話解体 ― 少女・音楽・マンガ・性の30年とコミュニケーションの現在』(宮台真司他、PARCO、1993)で指摘されている。
原作マンガの『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が、これからどんな展開をして、どういう形で終わるのかわからないが(・・まだまだジグザグ状態が続くだろうから、だいぶ先の話になるのだろうか?)、アニメ版の「シーズン2」があるとすれば、どんな形になるのだろうかと考えてしまう、きょうこの頃である。
(2026年10月14日 記す)
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