「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2026 禁無断転載!



ラベル 問題発見 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 問題発見 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年4月11日月曜日

書評『バチカン大使日記』(中村芳夫、小学館新書、2021)― バチカンについて知るための貴重な記録

 

『バチカン大使日記』(中村芳夫、小学館新書、2021)という本を読んだ。読みやすく面白い本だった。  

民間経済団体の経団連事務総長から、外交官未経験にもかかわらずバチカン大使になった経済人の4年間の記録。読みやすく面白かった。しかも、なかなか重要な記述が、なにげない記述として、250ページ足らずの新書本のなかにちりばめられている。

たとえば、こんな記述だ。ベテランのバチカニストから聞いた話として、「カトリックにはわからないことが3つある」というものだ。具体的にいうと、「1.世界中にいるシスターの数 2. サレジオ会の資金量 3. イエズス会士の思考」。カトリックである中村氏自身も、1と2は謎だという。3については、教皇フランシスコ自身がイエズス会士出身である。 

著者自身がカトリックであるだけに、この仕事に大きな意義を見いだして、自分が定めたミッション遂行のために尽くされたようだ。 

そのミッションとは、①教皇訪日、②空席であった日本からの枢機卿誕生、③日本バチカン国交樹立75周年事業(*)の遂行。この3つをすべてミッション・コンプリートしただけに、感慨ひとしおだという気持ちがダイレクトに伝わってくる。 

(*)バチカンは、米国の強い反対を押し切って、日米戦争中の1942年に日本との国交を樹立反共産主義の観点から満洲国を承認している。バチカンとの関係構築に昭和天皇の深い思慮も背景にあったことは、終戦工作の一環としてバチカンも想定されていたことからもわかる。「日本バチカン国交樹立75周年を迎えて」(駐バチカン日本国特命全権大使 中村 芳夫)も参照。

世界で13億人のカトリックを束ねるのが、巨大官僚機構のバチカンである。

その影響力は計り知れないものがあることは言うまでもない。 そんなバチカン市国との外交の任にあたった本人はもとより、選んだ側も(・・ただし、いかなる経緯や背景があって著者がが選任されたかは、本書からはわからないのが残念)、意義ある仕事をしたというべきだろう。 

資本主義経済のまっただなかにいた著者のような人だからこそ、「資本主義の限界」を説くフランシスコ教皇の姿勢にも共感するところが多いのだろう。それは「反資本主義」ではない。「環境問題」を重視する姿勢の反映でもある。 

異なる視点から感じる目の前の現実への違和感、この違和感が行動の原点になっていることが読んでいてよくわかった。カトリックである中村氏の、日本のカトリック教会への違和感もその一つである。

とはあれ、ビジネスパーソンのための、問題発見と問題解決の事例集と読むことも可能だろう。 





目 次
まえがき 
1. 大使の一日
2. 私的聖地ガイド
3. 昭和天皇の写真
4. 教皇から手渡された3冊
5. カトリックとの出会い 
6. スイス衛兵への敬意
7. マザー・テレサ列聖式
8. 日本のカトリック界への疑問
9. ビジネス界出身の大使として
10. 世界の宗教指導者が集う
11. スポーツと信仰
12. 日本バチカン国交樹立75周年
13. 教皇フランシスコの訪日
14. 聖職者による性的虐待
15. 中国訪問という「夢」
16. 土光敏夫会長の思い出
17.コロナとともに
あとがき

著者プロフィール
中村芳夫(なかむら・よしお)
1942年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、同大学院経済学研究科修士課程修了。1968年経団連に入局し税制を担当。米ジョージタウン大学にフルブライト奨学生として派遣され同大学院博士課程修了。1992年、米国上院財政委員会で日本の税制について証言。2010年経団連副会長・事務総長に就任。2014年第2次安倍内閣・内閣官房参与(産業政策)に。2016年駐バチカン大使(~2020年)。教皇来日を実現。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


<ブログ内関連記事>






(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2010年12月11日土曜日

書評『冬眠の謎を解く』(近藤宣昭、岩波新書、2010)ー 科学的発見の苦しみと喜びに満ちたプロセスを著者とともに追体験する




30年に及ぶ研究歴を振り返った著者がつづる科学的発見の苦しみと喜びに満ちたプロセス

 「冬眠」のメカニズムの解明に30年近く携わってきた研究者による、発見のプロセスと研究の苦労と喜びを時系列で書き記した本。

 「冬眠」している動物の観察というよりも、「冬眠」という現象のメカニズムに、薬学と遺伝子研究の観点から迫った、30年にわたる地道な研究の記録である。

 今年2010年の秋は、クマがなかなか冬眠しないので、日本全国でヒトが襲われる被害が続発している。こんなニュースが毎日のように流れているなか、軽い気持ちでこの本を読み始めた。

 ところが、本書は冬眠する動物をまんべんなく解説したものではないことが、読み始めてすぐにわかった。 実験動物として選び出したシマリスについての研究である。

 -なぜ「冬眠」するのか?
 -「冬眠」をもたらずメカニズムは何か?
 -「冬眠」とはそもそも哺乳類にとっていかなる意味をもつのか? 
 -人間にも備わっている「冬眠能力」とは? などなど、次から次へとでてくる疑問の数々に答える探求の旅の記録なのである。

 問題解決のまえに問題発見」がある。問題解決がまた次なる問題発見につながっていくという好循環。

 専門的なことは門外漢の私には判断する能力はないが、「冬眠」研究における発見プロセスの記述がきわめて面白く感じられた。研究における問題解決のためには、著者が「あとがき」でも記しているように、個人のもつ感性(個性)、突然やってくる出会いの時、答えを導く矛楯が、問題解決のために大切なことなのである。

 ほとんど手がつけられていなかったテーマを追い続けた研究は、その切り開いてきた研究領域と成果によって、無限の可能性を開きつつあるといってよい。

 「冬眠」研究の最新成果がいかにして導き出されてきたか、これを著者の記述にしたがって読んでいくと、だんだんと謎が解明されていくプロセスを再体験することができるのだ。

 結論から先に読むのではなく、著者といっしょに科学的発見の苦しみと喜びに満ちたプロセスを追体験してみたい。

 自分で問題発見して課題設定を行い、自分で問題解決していく姿勢には、科学者ではなくても、大いに学びたいものである。


<初出情報>

■bk1書評「30年に及ぶ研究歴を振り返った著者がつづる科学的発見の苦しみと喜びに満ちたプロセス」投稿掲載(2010年12月9日)
■amazon書評「30年に及ぶ研究歴を振り返った著者がつづる科学的発見の苦しみと喜びに満ちたプロセス」投稿掲載(2010年12月9日)





目 次

序章 冬眠の世界への入り口
 発想の瞬間 / 幻の冬眠物質 / 難攻不落の壁 / 体温低下は本質か
第1章 低温で生きる体の秘密
 1. 心臓の働きと細胞膜
 2. 心臓の低温保存
 3. 冬眠状態の体
 4. 冬眠できる心臓の秘密
 5. 低温に耐える細胞
 6. 新たな挑戦との出会い
第2章 冬眠物質を求めて
 1. 冬眠物質は存在するか
 2. 冬眠特異的蛋白質の発見
 3. 一年を刻む体内休眠時計
第3章 人工冬眠は可能か
 1. 冬眠の本質
 2. 中途覚醒の謎
 3. HPは冬眠物質か
 4. 人工冬眠の可能性
第4章 冬眠がもたらす長寿
 1. 常識を超えた長寿
 2. 寿命とは何か
 3. 長寿の原因
 4. 長寿を生むシステム
第5章 ヒトと冬眠
 1. ヒトは冬眠できるか
 2. 不老長寿は実現するのか
 3. 冬眠からのメッセージ
あとがき
参考文献

著者プロフィール

近藤宣昭(こんどう・のりあき)

1950年愛媛県今治市生まれ。1973年徳島大学薬学部卒業。1978年東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了、薬学博士。三菱化成(後、三菱化学)生命科学研究所主任研究員、(財)神奈川科学技術アカデミーを経て、玉川大学学術研究所特別研究員。専攻は薬理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<書評への付記>

 「第3章 人工冬眠は可能か」の議論について、人間の冷凍保存に取り組んでいるマッド・サイエンティスト(?)が米国にはいるようだが、ここでいう「人間の冬眠能力」とはそういった議論のことではない。


<ブログ内関連記事>

When Winter comes, can Spring be far behind ? (冬来たりなば春遠からじ)
・・「冬眠」できない人間は、冬のあいだに、そして夜に、何をすべきであるか

秋が深まり「どんぐり」の季節に
・・「冬眠」する哺乳類である、リスやクマが秋にどんぐりを食べるのは、どんぐりが腹持ちのいい食物だからなのだ!

成田山新勝寺「断食参籠(さんろう)修行」(三泊四日)体験記 (総目次)

「行動とは忍耐である」(三島由紀夫)・・・社会人3年目に響いたコトバ

(2014年8月22日 情報追加)


(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end