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2011年8月18日木曜日

『うずまき』(伊藤潤二、小学館、1998-1999)-猛暑で寝苦しい夜にはホラー漫画でもいかが?


 このホラー漫画の主題と主人公は「うずまき」そのものである。

 「うずまき」とは漢字で書けば「渦(うず)巻き」である。

 自然界に存在する「うずまき」が。これでもか、これでもかと登場して、人間の主人公・五島桐江(ごしま・きりえ)とその周辺の登場人物が、つぎからつぎへと「うずまき」に巻き込まれていくというホラー物語だ。

 よこぞこれだけ「うずまき」だけで、20話も描いたと思うのだが、読んでいるうちに、こちらもだんだんと目が回って気分が悪くなってくる。

 マンガに登場する「うずまき」は、自然に存在する物でいえば、植物のぜんまい、かたつむりなどの巻き貝、蛇のとぐろ、人間の耳の内耳(ないじ)。自然現象としては竜巻に台風、鳴門の渦潮(うずしお)など。

 人工物なら、カールした長い髪の毛、ばね(=スプリング)やぜんまい(金属製)、灯台のらせん階段もまた自然界を模倣したものだ。

 赤塚不二夫の『天才バカボン』の主人公バカボンのほっぺたにも「うずまき」が! だが、残念ながら(・・いや当然ながら?)、このマンガにはでてこない。また、「アース渦巻」という商品もあったが、なぜか、蚊取り線香はこのマンガにはでてこない。


「うずまき」に巻き込まれていく感覚、吸い込まれていく感覚

 自然界に存在する「うずまき」でもっとも危険なものといえば、鳴門の渦潮や竜巻や台風だろうが、周辺から中心にむかってらせん状に巻き込まれていくのが、ホラー(恐怖)が発生する源泉なのだ。中心に吸い込まれていくという感覚

 そうそう、「うずまき」を描いた作品といえば、米国の詩人で小説家 エドガー・アラン・ポー(Edgar Alan Poe)に「メールストローム」(Maelstrom)というホラー短編小説がある。ノルウェーの沖に発生する渦潮の恐怖を扱った作品だ。ちなみに、エドガー・アラン・ポーから江戸川乱歩というペンネームがつくられた。

 逆にいえば、うずまきは、中心かららせん状に回転しながら拡大していく構造をもっているのだが、その中心はじつは固定しているわけではなく、中心そのものが連続的に発生してくる。泉の水がわき出てくるように。

 そう、うずまきはカオスである。混沌という訳語がつけられがちなギリシア語のカオス(Χάος : chaos)は、反秩序を意味するアンチ・コスモスではなく、そこからすべてのもの生成してくる原点である。

 物理学のカオス理論でいえば、ベナール対流というやつだ。このマンガの主人公の男友達の父親のように、試みにコップのななの水をおはしをつかってかき混ぜてみたらいい。すぐに渦が生成されるのを目撃することになるだろう。

 うずまき(渦巻き)を意味する英語は vortex(ヴォルテックス)という。渦巻きや旋風を意味するコトバだが、転じて社会運動などの渦巻きも意味するようになっている。He was drawn into the vortex of politics [revolution, war]. 彼は政争[革命, 戦乱]の渦中に巻き込まれた. という例文が『研究社 新英和中辞典』 にあがっている。


マンガの解説は初出情報などの書誌以外は不要ではないか?

 わたしが読んだ『うずまき』は、2010年に刊行された合冊版だが、巻末の佐藤優による解説は不要だろう。

 ムリヤリ資本論と格差社会に結びつけようとする牽強付会(けんきょうふかい)な文章で、こういう文章は黙殺していっこうにかまわない。こういう解釈でマンガを読むのはひとつの読み方ではあるが、邪道というものではないか?解釈の幅があまりにも狭すぎるからだ。版元の小学館もどうかしているのではないか?

 そもそもマンガであれ小説であれ、意図的にプロットを設定して執筆に取りかかったところで、作者自身のうちなる無意識が作用して、かってにキャラクターが動いてゆくものだ。いったん作者の手を離れたら、作品をどう読もうが読者の勝手である。

 だから、資本主義うんぬんよりも、集合無意識の世界観を描いた作品とうけとるのが素直な態度だろう。

 うずまきは自然界にフツーに存在するものあるのにかかわらず、気になりだすと、すべてのうずまきに追いかけられるようになっていく。催眠術のように。


巻き込むとは? 巻き込まれるとは? 

 むしろ現在では、意識的に「巻き込む」ことの意味さえ考えたくなるのが、ソーシャルネットワーク時代に生きるわれわれである。一方的に巻き込まれているというわけではないだろう。あるいは「マキコミ」とカタカナ書きで表記することもある「巻き込み」

 有名なものでは、デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」(TED Youtube 映像)がある。これは、鳩山前首相が首相を辞任した直後のツイートで、「裸踊り」として有名になった映像。ある一人のイノベーターからフォロワーが生まれていくプロセスを映像にしたものだ。


 『うずまき』はホラーといえども、なんだか不思議な笑いを含んだ作品である。読者は純粋に恐怖と覚えると同時に、こんなのあり得ないことだと、笑いつつ突き放して読めばよい

 そういうわたしも、ちょっと余計なことを書きすぎたようだ。まずは、先入観なしで読んで恐怖を感じることだろう。きょうみたいな、猛暑日で寝苦しい夜には。




<関連サイト>

デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」(TED Youtube 映像)
・・鳩山前首相が「裸踊り」としてツイートして有名になった映像。人の「巻き込み方」とは?-これをある一人のイノベーターからフォロワーが生まれていくプロセスを映像にしたもの

天才バカボン 入り口 - 赤塚不二夫公認サイト これでいいのだ!!
・・バカボンとはじめちゃんのほっぺたに「うずまき」が!(笑)


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(2014年8月29日 情報追加)



(2012年7月3日発売の拙著です)








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