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2016年5月23日月曜日

『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社新書、2016)は、「いまこの国でひそかに進行していること」を「見える化」した必読の労作だ!


『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社新書、2016)という本がある。ことし2016年4月末の新刊だ。「いまこの国でひそかに進行していること」を知りたい人は必ず読みべきだと強く推奨したい一冊だ。

当の「日本会議」から、出版直後に出版差し止め要請が出版社あてに提出されたらしい。このニュースが話題になって、その結果、売り切れ書店が続出しているらしい。わたしは出版日の前からアマゾンに予約を入れていたのだが、出版直後に在庫切れとなり、増刷され入手できるまでしばし待たされた。

そういう状況であるから増刷につぐ増刷の状況にあるのだが、書店で見つけたら即買うべし、アマゾンに在庫があるうちに即買うべし。悪いこと言わない。それだけの価値ある中身の濃いオリジナルな本なのだ。

帯のオモテには、「「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか?」、とある。

帯のウラには、「市民運動が嘲笑の対象にさえなった80年代以降の日本で、めげずに、愚直に、地道に、そして極めて民主的な、市民運動の王道を歩んできた「一群の人々」によって日本の民主主義は殺されるだろう--」、とある。

「一群の人々」とは、「日本会議」(にっぽんかいぎ)の中核をなす「プロ市民」の活動家たちのことだ。「特殊な思想をもった極右団体が宗教を利用して、宗教をテコにして政治を動かしてる」(著者)のである。

日本会議とは、1997年に設立された政策提言を目的とした国民運動団体のことである。神社神道や新宗教をはじめとした多数の宗教団体によって支えられているだけでなく、さらに日本全国の「草の根保守」のネットワークが広い裾野として下支えしているのだ。だが、そうした草の根の人たちと運動の中核にいる活動家をイコールに考えていいのか、と。

日本会議の中核メンバーたちの活動は、さかのぼれば70年安保の時代からはじまっている。大学キャンパスの左傾化と戦うという右派の立場からの運動が原点にある。左派リベラル派が自壊していくなか、日本会議が存在感を示すにいたった理由は、運動方針の首尾一貫性と、左派の市民活動の手法を忠実に換骨奪胎したことにある。

注目すべきなのは、「安倍政権が進める改憲路線と「日本会議」とその周辺が進める改憲運動は、見事に連動している」(著者)ということにある。

その「改憲」の中身だが、憲法9条改正よりも、むしろ「非常事態条項」と「家族保護条項」を盛り込むことを最大の目標としているという。「条項」の文言だけをみれば何が悪いのかという気がしないでもないだろうが、「条項」の内容が問題なのである。「非常事態条項」と「家族保護条項」にかんする問題点については、本書を読んで確認していただきたいと思う。

本書の著者は元サラリーマン。「保守」を自認する著者にとってさえ奇異にうつる「日本会議」を、たんねんな調査であぶりだした。「ハーバー・ビジネス・オンライン」(・・じつに紛らわしい名前だ)の連載「草の根保守の蠢動(しゅんどう)」を書籍化したものである。わたしはこの連載を最初からすべて読んでいるが、書籍版のほうがはるかに読みやすいといっておこう。

出版社の扶桑社は「保守」の牙城のフジサンケイグループの出版社。著者もまた「保守」のスタンスであり、著者と出版元の姿勢を考慮にいれれば、本書に書かれている事がいかに奇異なことか理解できるはずだ。リベラル派の立場からの発言ではないのだ。

著者の基本認識は「はじめに」に記された文章に表現されている。

社会全体として右傾化したとはいいがたいにもかかわらず、政権担当者周辺と路上の跳ね返りどもだけが、急速に右傾化している・・・・。これはなんとも不思議だ。

この時代認識は、わたしも同感だ。ヘイトスピーチに代表される状況は異常としかいいようがないもので、およそ「保守」とは程遠いものだ。左派による偏向から正道あるいは中道に戻すための「正常化」は推進すべきだと考えているが、こんな「右傾化」には絶対に賛成できない

著者は、サラリーマン時代には品質管理の責任者として仕事に従事していたと「はじめに」に記している。その際に身に着けた「偏り」や「ばらつき」を生む根本原因を突き詰める品質管の手法を応用したのだと「はじめに」で記している。「異様ともいえるバラツキのなさ」が日本会議に行き着いたというわかなのだ。その成果が、本書にまとめらた一年間の取材と研究内容である。

もういちど繰り返しておこう。「いまこの国でひそかに進行していること」を知りたい人は必ず読むべき本だ。

最後に、本書刊行後も連載がつづている「草の根保守の蠢動」に掲載された文章から著者のコトバを引用しておこう。

安倍首相がなぜそこまで改憲にこだわるのか、その改憲案の裏側にはどんな人々の思惑が蠢いているのか、ぜひ、書籍版『日本会議の研究』を手にして、確認して貰いたい。

だからこそ、いま読むべき本なのだ。





目 次

はじめに
第1章 日本会議とは何か
第2章 歴史
第3章 憲法
第4章 草の根
第5章 「一群の人々」
第6章 淵源
むすびにかえて
参考文献

著者プロフィール

菅野完(すがの・たもつ)
著述家。1974年、奈良県生まれ。一般企業のサラリーマンとして勤務するかたわら執筆活動を開始。退職後の2015年より主に政経分野の記事を雑誌やオンラインメディアに提供する活動を本格化させる。同年2月から扶桑社系webメディア「ハーバービジネスオンライン(http:hbol.jp)にてスタートした連載「草の根保守の蠢動」は大きな話題を呼び、本書刊行の元となった。著書に『保守の本分』(単著・noiehoie名義・扶桑社新書、2013)など。(出版社サイトに本書記載の情報を付加)





<関連サイト>

菅野完(noiehoie) | Facebook

連載「草の根保守の運動」(「ハーバー・ビジネス・オンライン」)
・・現在も連載は継続中。最新記事はこのサイトで。単行本化されていない対談はこのサイトで読むべし。以下は、宗教社会学者で國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所の助教・塚田穂高(つかだほたか)氏との対談。『宗教と政治の転轍点-保守合同と政教一致の宗教社会学-』(花伝社、2015)の著者である。

⇒ なぜ宗教と政治は惹かれ合うのか?――シリーズ【草の根保守の蠢動】特別企画「宗教と政治の交わるところ」第一回

⇒ 素朴な「郷土愛」を利用される信者たち――シリーズ【草の根保守の蠢動】特別企画「宗教と政治の交わるところ 第二回






安倍政権を支える右翼組織「日本会議」の行動原理(上) 「日本会議の研究」著者・菅野完氏インタビュ-(2016年5月20日)
・・「発売日には、出版元の扶桑社に日本会議から出版差し止めの申し入れがあったことも明らかになり、さらに話題に火がついた。」そうだ。 マスコミが避けて触れようとしないテーマの本だ(・・たんなる怠慢かもしれないが)。
安倍政権を支える右翼組織「日本会議」の行動原理(下)「日本会議の研究」著者・菅野完氏インタビュー(2016年5月20日)
・・

政権に近い保守団体が出版停止を要求 話題の本「日本会議の研究」(BuzzFeed News、2016年5月4日)
・・「4月28日、出版社「扶桑社」にFAXで申入書が届いた。差出人は「日本会議事務総長 椛島有三」。扶桑社から出たばかりの菅野完さん著『日本会議の研究』の出版停止を求めるものだった。(・・中略・・) 申入書とは別に『日本会議の研究』に登場する人物から、代理人を通じて出版差し止めを求める法的文書が扶桑社に送られているという。BuzzFeed Newsの取材に対し、複数の関係者が認めた。」

対「全学連」の右派学生組織がルーツ宗政一体の運動で「改憲」に王手寸前 (菅野完、WEB RONZA、2016年5月18日)

憲法改正の先行き左右する「日本会議」の正体 彼らの運動はつい最近始まったものではない ( 幻冬舎plus 2016年5月5日)

「フジ系」扶桑社から「日本会議」批判本 話題の新書めぐる騒動に「保守の内ゲバ」説も (J-CAST、2016年5月10日)

話題書『日本会議の研究』に関係者激怒「トンデモ本ですよ」(NEWSポストセブン、2016年5月27日)
・・それだけ急所を突かれたということだろう

緊急事態条項の実態は「内閣独裁権条項」である 自民党草案の問題点を考える (木村草太、WEBRONZA、2016年3月14日)
・・「国会承認は事後でも良いとされていて、手続き的な歯止めはかなり緩い。これでは、内閣が緊急事態宣言が必要だと考えさえすれば、かなり恣意的に緊急事態宣言を出せることになってしまう・・中略・・他の先進国の憲法と比較して見えてくるのは、自民党草案の提案する緊急事態条項は、緊急時に独裁権を与えるに等しい内容だ」。 ワイマール憲法下のドイツ、ナチス党が悪用した「緊急事態条項」を想起せよ!

安倍政権の黒幕!? 右派団体「日本会議」とは何か その起源から動員力の秘密まで(魚住 昭、現代ビジネス、 2016年6月5日)

日本最大の右派団体「日本会議」と安倍政権のただならぬ関係-なんと閣僚の8割が所属みんな、そこでつながっている(魚住 昭、現代ビジネス、 2015年7月2日)
・・「(憲法学者の)小林名誉教授「私は日本会議にはたくさん知人がいる。彼らに共通する思いは、第二次大戦での敗戦を受け入れがたい、だからその前の日本に戻したいということ。日本が明治憲法下で軍事5大国だったときのように、米国とともに世界に進軍したいという思いの人が集まっている。よく見ると、明治憲法下でエスタブリッシュメントだった人の子孫が多い。そう考えるとメイク・センス(理解できる)でしょ」

安倍政権の背後にいる右派団体「日本会議」のルーツ(魚住 昭、現代ビジネス、 2015年7月19日)

「戦後50年決議」をめぐる右派団体「日本会議」の暗躍そして戦後70年の今、彼らは何をしようとしているか?(魚住 昭、現代ビジネス、 2015年7月26日)
・・「私の見るところでは、彼らにとって憲法改正は戦前の大日本帝国の“栄光”を取り戻すための一里塚にすぎない。その先にどんな未来があるか。想像しただけで背筋が寒くなる。」

「日本会議は中身空っぽ」 異色の著述家・菅野完氏が解明 (日刊ゲンダイ、2016年6月6日)
・・インタビュー記事

日本会議産みの親「生長の家」が安倍政権と日本会議の右翼路線を徹底批判!  「日本会議の元信者たちは原理主義」(リテラ、2016年6月10日)

現代「保守」言説における救済の物語 (平野直子、SYNODOS、2016年7月11日)

著者インタビュー 『日本会議の研究』菅野完著(プレジデント、2016年11月23日

(2016年5月29日・31日、6月5日・11日、7月11日、11月24日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

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・・三島由紀夫をどう捉えるか

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・・ネトウヨは保守とはまったく無縁の存在

(2016年9月18日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)







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