(鶴岡市から見た出羽三山)
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遅い夏休みをとって、生まれて初めて庄内地方と出羽三山を旅してきた。2010年9月1日から7日までの六泊七日間である(・・うち夜行の高速バスで車中一泊)。
こんな円高状況なのに、なんで円高メリットを享受しないで国内旅行なんかしているのか(?)、という気がしないでもないのだが・・・
恥ずかしながら、いままで仕事でもプライベートでも、庄内平野だけでなく、そもそも山形県には一度もいったことがなかったのだ。これで、東北地方はすべての県を訪れたことになる。日本国内でまだ一度もいったことのない都道府県は、愛媛県と高知県のみとなる。
大川周明や石原完爾を生んだ庄内平野の風土を、やはり身をもって体感することが必要と感じていた。すでに20年以上感じてきたことである。
このように感じていながらも機会に恵まれなかったのである。やはり、何事も機縁というか、機会と縁を作るためには、自分の内部で熟して発酵させることが必要なのだろう。そしてあとはタイミングだ。
今回のキッカケは、出羽三山の「山伏修行体験塾」(二泊三日)への参加である。これを中核(コア)にして、前後の数日を使って庄内平野(酒田と鶴岡周辺)と出羽三山すべてを回る計画をたてた。山歩きをする私にとって、山伏修行も子供のときから憧れていたものである。
今回の旅のテーマは、重要度の順番で、以下のとおりになる。
① 「山伏修行体験塾」(二泊三日)に参加すること
② 出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)をすべて歩くこと
③ 即身成仏による「ミイラ仏」を実際に見ること
④ 庄内地方が生んだ 大川周明、石原完爾 ゆかりの地をまわること
庄内平野といえば、アカデミー外国映画賞を受賞した、映画『おくりびと』のロケ地として、すっかり有名になったようだ。実は、原作の『納棺夫日記』(青木新門、文春文庫、1996)の舞台は、門徒地帯の北陸・富山県である。私はこの本を、映画化前と映画をみたあとの2回読んだ。
映画はバンコクから成田に戻る全日空の機内で小さなモニターで見たが、飛行機のなかなのかかわらず、思わず目頭が熱くなるのを感じた。正直、静かな感動を感じたからだ。
修験道とミイラ仏(=即身仏)で有名な出羽三山を背景にもつ庄内地方に目をつけた、脚本家の小山薫堂は、さすがいいセンスをもっている。
この地は、「死と再生」を濃厚に感じ取ることのできる風土をもった土地柄なのだ。
この感覚を身をもって体感できたこと、これが今回の旅の最大の収穫だろう。
では、次回以降、できるだけ時系列にそって、旅のあらましと、旅の収穫について書いてみたいと思う。
庄内平野と出羽三山への旅 (2) 酒田と鶴岡という二つの地方都市の個性
<関連サイト>
映画『おくりびと』予告篇(YouTube)
<ブログ内関連記事>
「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に (総目次)
書評 『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』(岡田芳郎、講談社文庫、2010 単行本 2008)
「山伏修行体験塾 2011 東京勧進」 に参加-ヤマガタ・サンダンデロ(銀座)にて山形の食材をふんだんにつかった料理とお酒を存分に楽しんできた(2011年11月11日)
「お籠もり」は何か新しいことを始める前には絶対に必要なプロセスだ-寒い冬にはアタマと魂にチャージ! 竹のしたには龍がいる!
成田山新勝寺「断食参籠(さんろう)修行」(三泊四日)体験記 (総目次)
(2012年7月3日発売の拙著です)
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