書評雑誌 『ダ・ヴィンチ』を買うのは、もしかするとこれがなんと2回目かもしれない。
この雑誌は創刊の頃 1回だけ買った記憶があるが、それ以降はまったくなかったのは、わたしがほとんど小説を読まない人間だからだろう。『ダ・ヴィンチ』 は基本的に小説読者向けの書評誌だから。
「2013年 12月号」は通算236号とあるから、創刊からすでに20年(!)近いわけだ。早いものですね。
今回購入したのはもちろん 『特集 オトナの♥高橋留美子だっちゃ!』 だから。いわゆるジャケ買いですね。ラムちゃん大好き。これは要保存版であります。
マンガ家の高橋留美子については、4年前に書いたブログ記事 タイのあれこれ (6) 日本のマンガ にもこのように書いてある。
『うる星やつら』といえば、高校時代「少年サンデー」で毎週連載を読んでいた。えんえんと続いていたからね。 男性のあいだでは絶大な人気を誇る『めぞん一刻』 もいいけど、自分としては『うる星やつら』のほうが断然好きだな。
そうです、わたしの世代は高橋留美子マンガの第一世代。高校3年のときだったと思うが、学園ものである『うる星やつら』に新キャラの竜之介(・・男装させられている女子)と海の家を経営するそのオヤジが登場したシーンはなぜか鮮明に記憶しているくらいだ。
(特集号の裏カバー)
「京極夏彦×高橋留美子」対談を読むと、1963年生まれの妖怪もの小説家・京極夏彦の発言には大いに共感。わたしとは同学年(?)なわけですね。しかも、対談している二人がともに水木しげるの影響下にあるというのがうれしい。なるほど、自分が高橋留美子の世界、いわゆる無限ループ的な「るーみっくわーるど」にどっぷりはまっていた理由はそういうところにあるのかもね、と。
「高橋留美子独占インタビュー」を読むと、わたしが『うる星やつら』の連載を読んでいた高校時代、高橋留美子はなんとまだ21歳(!)でデビューした大学生だったことを知った。年の差が5歳なのだが、そんなことぜんぜん考えたことなかったので、あらためてすごい驚きだ。
「あだち充×高橋留美子」対談を読むと、『タッチ』のあだち充は高橋留美子より6歳年上だが、マンガ家としては同期らしい。自分もふくめて、みんな年をとったんだなあ、と。
それにしても35年間も第一線でヒット作を連発しながら走り続けている高橋留美子というマンガ家はすごい、すごすぎる!
『うる星やつら』は大学時代になってからは読んでなかったので最終話をしばらく知らなかったが、『めぞん一刻』は大学卒業後、社会人として完結するまで読んでいたのは、読者として少年誌から青年コミック誌へとシフトしていたからだろう。学園ものマンガは自分が生徒でないと感情移入しにくいからでもある。
その後の『らんま1/2』と『犬夜叉』はもう読んではないのだが、これらの作品で育った世代もいるわけだ。それもまた驚きだ。さらに現在は『境界のRINNE』連載中。恐れ入ります。
なんだかんだで画業35年。70歳過ぎても描き続けたいということで、日本のマンガ家界の生き字引として末永く現役で活躍していただきたいと思う次第。
このほか、描き下ろしマンガ「本が捨てられない」(見開き2ページ)、「高橋留美子独占インタビュー & 解体全書・高橋留美子作品紹介:先生自身のコメント付き」もあり。
もうそろそろ店頭からは消える頃なので、コレクション用に早く買っておいたほうがいいでしょう。
<関連サイト>
・・「特集 オトナの♥高橋留美子だっちゃ!」のコンテンツが閲覧できる
<ブログ内関連記事>
・・『うる星やつら』のタイ語版(!)について取り上げている
『水木しげるの古代出雲(怪BOOKS)』(水木しげる、角川書店、2012)は、待ちに待っていたマンガだ!
本の紹介 『人を惹きつける技術-カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方-』(小池一夫、講談社+α新書、2010)
・・高橋留美子は「劇画村塾」にも通っていた
書評 『ゼロ年代の想像力』(宇野常寛、ハヤカワ文庫、2010 単行本初版 2008)-「アフター1995」の世界を知るために
・・同書の「第10章 肥大する母性のディストピア-空転するマチズモと高橋留美子の「重力」」を参照
(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)
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