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2023年2月27日月曜日

書評『安倍晋三回顧録』(安倍晋三、聞き手:橋本五郎、聞き手・構成:尾山宏、監修:北村滋、中央公論新社、2023)ー 「いま現在」にそのままつながる「近過去」を振り返る

 

それはそうだろう。非業の死をとげた安倍晋三氏本人にとっても、読者の大半を占めるであろう日本国民にとっても、それは遠い過去の話ではないからだ。現在進行形の歴史にそのままつながっている、つい最近の過去の話だからだ。 

首相という、政治権力においては最終責任者の重圧と孤独大局を見据えながらの日々の意思決定、そしてその背景となった事象や、かかわった内外の人物について、聞かれるままに答えている。よくここまで語っているなという印象だ。けっして声高な主張は行っていない。 

もちろん、自己正当化もあるだろう。だが、聞き手の人たちは、そうとう聞きにくい質問もあえてぶつけている。それらに安倍氏がどう答えているか、それも読みどころであろう。判断は読者が自分で下すべきだ。 

第1次政権が2006年捲土重来を期して復活した2013年から2020年までについて語られている。基本的に時系列に沿って質問が行われている。語り手に記憶を想起させるためには都合がいいのだろうが、テーマが細切れに記述されているので、やや読みにくいのは正直な感想だ。 

3188日という、近代日本の憲政史上最長の在職日数の記録となったが、本人も語っているように、それが目標だったわけではない

いい意味でも、悪い意味でも、厳しい時期を乗り切った日々の積み重ねの結果である。 大記録を打ち立てたスポーツ選手の発言に通じるものがある。

まだまだ記憶のあたらしい日々であり、歴史の審判が下されたという時期ではない。政治学者による聞き書きではないが、ジャーナリストによってオーラルヒストリーとしての「回顧録」(メモワール)が残されたことは不幸中の幸いであったいうべきだろう。 

安倍晋三という首相が好きであれ嫌いであれ、あるいはそのどちらではなくても、じつに興味深い内容の回顧録というべきだろう。 

現時点でこの本を読む人は、おそらくリアルタイムでおなじ空気を吸っていた人たちであろう。だから、自分自身の過去をそれに重ね合わせて読むことができるどういう時代に自分は生きていたのか、という再確認にもなる。 

遠い未来にこれを読む人にとっては、「2000年代最初の20年の日本」を知るための、またとない重要な資料となることであろう。 




目 次 
なぜ『安倍晋三回顧録』なのか ー「歴史の法廷」への 陳述書 
第1章 2020 コロナ蔓延 ― ダイヤモンド・プリンセスから辞任まで 
第2章 2003~2012 総理大臣へ!― 第1次内閣発足から退陣、再登板まで 
第3章 2013 第2次内閣発足 ― TPP、アベノミクス、靖国参拝 
第4章 2014 官邸一強 ― 集団的自衛権行使容認へ、国家安全保障局、内閣人事局発足 
第5章 2015 歴史認識 ― 戦後70年談話と安全保障関連法 
第6章 海外首脳たちのこと ― オバマ、トランプ、メルケル、習近平、プーチン 
第7章 2016 戦後外交の総決算 ― 北方領土交渉、天皇退位 
第8章 2017 ゆらぐ一強 ― トランプ大統領誕生、森友・加計問題、小池新党の脅威 
第9章 2018 揺れる外交 ― 米朝首脳会談、中国「一帯一路」構想、北方領土交渉 
第10章 2019 新元号「令和」へ ― トランプ来日、ハメネイ師との会談、韓国、GSOMIA破棄へ 
終章 憲政史上最長の長期政権が実現できた理由 
謝辞 
資料: 安倍政権の歩み 外国訪問先一覧 安倍内閣支持率の推移 選挙結果 
スピーチ: 安倍晋三 施政方針演説/安倍晋三 首相辞任会見 
弔辞: 岸田文雄首相/菅義偉前首相/麻生太郎本首相 
人名索引


著者プロフィール
安倍晋三(あべ・しんぞう)
1954年~2022年。第90代内閣総理大臣、第96代内閣総理大臣。

聞き手
橋本五郎(はしもと・ごろう)
1946年生まれ。読売新聞特別編集委員。読売新聞論説委員、政治部長、編集局次長を歴任。

聞き手・構成
尾山宏(おやま・ひろし)
1966年生まれ。読売新聞論説副委員長。政治部次長、論説委員、編集委員を歴任。

監修
北村滋(きたむら・しげる)
1956年生まれ。読売国際経済懇話会理事長。内閣総理大臣秘書官、内閣情報官、国家安全保障局長・内閣特別顧問を歴任。


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