(「ティコ・ブラーエの<大アーミラリー>」の原寸大模型 筆者撮影)
気になっていた「葛飾区郷土と天文の博物館」にはじめて行ってきた(2023年6月23日)。
なにが気になっていたかというと、そこに「フーコーの振り子」が設置されていると知ったからだ。東京・上野にある国立科学博物館では、子どもの頃から何度も見ているが、科学博物館以外にも設置している施設があるとは知らなかった。
(葛飾区郷土と天文の博物館の「フーコーの振り子」 筆者撮影)
「フーコーの振り子」とは、地球が自転していることを見える化した実験装置のことである。1851年にフランスの科学者レオン・フーコーが考案し、公開実験したものだ。ちなみに、20世紀フランスを代表する哲学者ミシェル・フーコーは、おなじく(Foucault)の姓をもつが、おなじ一族であるかどうか?
(同上)
さて、「葛飾区郷土と天文の博物館」の「フーコーの振り子」だが、基本的な構造はおなじである。違うのは外見的なデザインだけである。
(国立科学博物館の「フーコーの振り子」 筆者撮影)
「フーコーの振り子」もさることながら、「葛飾区郷土と天文の博物館」で特筆すべきなのは、「ティコ・ブラーエの<大アーミラリー>」の原寸大模型があることだ。これはじつにめずらしい。そもそもティコ・ブラーエは、ケプラーやコペルニクスとくらべて日本での知名度はけっして高くないのは残念なことだ。
「大アーミラリー」とは、望遠鏡が発明される前に使用されていた、巨大な分度器のことだ。最高レベルの観測機と肉眼だけで得られた観測データが、「ケプラーの法則」につながっていくのであるが、ティコとケプラーの人間関係もドラマティックで興味深い。
西洋天文学の歴史において、「大アーミラリー」で観測中のティコ・ブラーエの画像は、比較的知られたものであるかもしれない。
(観測中のティコ・ブラーエ Wikipediaより)
このほか、ガリレオから始まり、ケプラーからニュートンにいたるまでの歴代の天文学者たちがつかっていた望遠鏡の模型も展示されていて興味深い。じっさいに望遠鏡を覗いてターゲットを見ることができる。教育目的である。
また、所蔵品のなかには江戸時代に使用されていた「天文尺時計」もある。これは日本国内では唯一のものだという。
「葛飾区郷土と天文の博物館」は、もちろん前者の「郷土」の博物館でもある。後者の「天文」の博物館が教育的要素のつよいものであるとすれば、前者は郷土について知るための実物展示が中心となっている。
国立歴史民俗博物館には「戦前の日本」の展示があるが、ここ「葛飾区郷土と天文の博物館」には「昭和30年代の日本」の実物展示があって、レトロ感にみちあふれている。
平日だったので入場者はまばらでしかなかったが、入場料100円だがなかなか楽しめる博物館であった。
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・・「この展示会は、そんなルドルフ2世とその時代を、お抱えの天才アーチストのアルチンボルドなどによる絵画作品や、ティコ・ブラーエやケプラーなどの天文学をはじめとする科学者や魔術師たちの書籍やアイテム、その他もろもろの収集品で再構成しようとした試みだ。」
・・2018年の企画展の図録『天文学と印刷』についても
・・麻田剛立の時代はまだ地動説ではなく、天動説のティコ・ブラーエの学説であった
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