『翻訳者の全技術』(山形浩生、星海社新書、2025)という本がでていることを知ったので、さっそく読んでみた。
超わかりやすい翻訳本を大量に出し続けている山形浩生(やまがた・ひろお)という人物の名前は、一度は目にしたり聞いたことがあるのではないかと思う。
経済からITにいたるまで、ノンフィクションを中心に翻訳書はなんと200以上に及ぶらしい。そのほとんどは、わたしは読んでないが、くだけすぎな感もある翻訳文体には賛否両論があるようだ。
そんな山形氏だが、専業の翻訳家ではなく、本業はシンクタンクに勤務している開発コンサルタントである。そのことは、ずいぶん以前から知っていた。だからこそ、副業としての翻訳をこなす超高速の仕事には驚嘆しつづけてきたわけである。
山形流の「知的生産術」ともいうべきが、この本である。4回にわたるインタビュー(・・本人は放談と書いているが)を、編集者が構成したものだ。
「第1章 翻訳の技術」と「第2章 読書と発想の技術」は、わたしも大いに共感する内容で面白かった。翻訳に対する考え、翻訳への取り組み方が存分に語られている。松岡正剛批判など、ある意味で痛快である。
「第3章 好奇心を拡げる技術」は、本業の開発コンサルタントの仕事の余話ともいうべき、軽い読み物といった類いのものだ。これはこれで面白い。
AIによる「機械翻訳」の精度があがってきている現在、文学作品以外の翻訳は大幅に縮小していくのではないかと予想される。
その意味では、「過渡期の仕事人」として、日本人の「教養」レベル向上に貢献した山形氏のことは、もっと評価されてしかるべきだ。
大量に仕事をこなすための「方法論」として、本書の内容から「盗める」ものは多いと思う。
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