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2009年6月2日火曜日

GMついに破綻-マイケル・ムーアの "Roger & Me" から20年


マイケル・ムーア監督の初期のドキュメンタリー映画に 『ロジャー&ミー(Roger & Me)』(1989年) という作品がある。
 
 マイケル・ムーア (Michael Moore)といえば、アポなし突撃取材の元祖(?)のような存在だが、製作当時、巨大コングロマリット企業の代表のような存在であったGM(ジェネラル・モーターズ)とがっぷり四つに組んだガチンコ勝負の作品である。この映画を作成した1989年当時は、マイケル・ムーアも精悍とまではいわないが、まだそんなに肥満体ではない。

 アメリカではよく引き合いに出された非常に有名な映画だったので、滞米中にビデオでみたが、字幕なしでも本当に面白かったので、繰り返し3回くらい見た記憶がある。

 GM破綻が連日報道されているが、その前兆がすでに明らかに現われているこの映画は、いまこそ歴史的ドキュメンタリーとして必見である。
 
 Roger というのはその当時のGM会長であったロジャー・スミス(Roger Smith) のファーストネームである。Me とはマイケル・ムーアのこと。「ロジャーを探して」とでもいった内容だ。

 マイケル・ムーアの出身地ミシガン州フリントで、GMの工場閉鎖があったことから話は始まる。その当時は、日本の自動車メーカーの大攻勢で、すでにアメリカのビッグスリーの凋落が始まっていた。派手なパフォーマンスで日本車をたたき壊したりする議員がいたような時代だ。

 GM会長のRoger を探して、ありとあらゆる場所、関係する人たちに会って会話を交わすマイケル・ムーアの様子をフィルムに収めたものだ。いつまでたってもロジャー本人に会うことはできないのだが・・

 とにかくめちゃくちゃ面白いのだ。とりあえず、YouTubeで、米国版トレーラー(予告編)をみてほしい(ただし音声には注意!)   

 この映画で明らかになっているのは、一言でいってしまえば、"They vs. Us" である。平たくいえば、「ヤツら」対「オレたち」

 「ヤツら」とは中産階級以上の投資家や経営層、「オレたち」とは自動車工業の労働者たちのことである。

 日本でもある程度までそうだが、アメリカの場合は、労働者階級(working class)は、ブルジョワーとは、文化をまったく異にする階級である。

 エンターテインメントの世界なら歌手のブルース・スプリングスティーンがまっさきに思い浮かぶが、マイケル・ムーア自身も労働者階級の人間であることを自負している。

 まあそんな話はさておき、この映画から20年目にして、ついにGMは破綻した。

 「チャプター・イレブン」(Chapter 11:民事再生法)適用になり、国有化されて債権債務がかなり棒引きになるので、比較的早く再建されるだろうが、実質的にはGM解体である。ブランドを切り売りしてキャッシュフローを改善するのは、財務的な正攻法だ。

 これが本当のリストラクチャリングである。略語のリストラは日本では違う意味になってしまったので、NHKは「合理化」、なんていう懐かしいことばを使っていたが。

 オバマ大統領も、かの有名な「GMにとって良いことはアメリカにとって良いことだ」("What's good for GM is good for the country")を、昨日のステートメントの中で引用しているが、一時代の終焉であることは間違いない。

 タックスペイヤー(=納税者)であるアメリカ国民の大半が、無条件でGM支援することを拒否したのである。

 日本人の私はアメリカの納税者ではないし、すでに自動車部品関連ビジネスとも関係ないので、General Motors のGM破綻といっても、正直言って大した感慨はない。

 それよりも Genetically Modified の GM だけは御免こうむりたい。後者のGMとは「遺伝子組み換え」のことである。こちらの方が一般消費者にとっては、自動車よりはるかに問題が大きいのではないかな。

          



 

         
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