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2010年1月25日月曜日

書評 『大使が書いた 日本人とユダヤ人』(エリ・コーヘン、青木偉作訳、中経出版、2006)-空手五段の腕前をもつコーヘン氏の文章は核心を突く指摘に充ち満ちている




「日本の武士道精神とユダヤの人生哲学」には非常に共通するものがある


 長年にわたってイスラエルで空手を修行してきた著者が、在日イスラエル大使としての滞在も含め、三度にわたる自らの日本滞在経験も踏まえて書きおろした思索の書。

 本書の著者であるエリ・コーヘン氏は、「日本の武士道精神とユダヤの人生哲学」には非常に共通するものがあることを教えてくれる。

 著者は、ユダヤ人としてのアイデンティティのきわめて強い人であり、しかも空手修行に加えて、英文で宮本武蔵の『五輪書』を熟読してきた人でもある。英国でM.B.A.を取得した国際ビジネスマンであり、国民皆兵制のもと軍務もこなし、政治家と外交官も経験してきた"実践の人"である。

 訳文がこなれて読みやすいということもあろう、松濤館(しょうとうかん)空手五段の腕前をもつコーヘン氏の文章は核心を突く指摘に充ち満ちており、読んでいてビンビンと心に響くものを感じた。
 
 イスラエルは人口比でみたら、日本以上に各種の日本武道が普及している国であるという。この意味においては、正確には日本人と”ユダヤ系イスラエル人”に共通するものが多い、というべきかもしれない。

 日本人とユダヤ人がよく似ていることは、日本人とユダヤ人の双方からさまざまな人たちによって指摘されてきたことである。しかし著者は、いわゆる「日猶(にちゆ)同祖論」からは距離を置いている。こういった立場をとらなくても、日本人とユダヤ人がかなり共通性をもっていることを著者は確かに示している。

 本書を読むことで、あらためて日本人とは何なのか考えるキッカケになるであろう。そして必ずや日本人としての自覚、誇りを見いだすはずである。ただちょっと日本人を理想化しすぎているきらいがなくはないのだが・・・

 日本人は、共通点と相違点をよく認識したうえで、自らの鏡としてのユダヤ人(=ユダヤ系イスラエル人)を大いに意識すべきなのである。

 パラパラと見ているうちに、思わず引き込まれて最後まで読んでしまった。読むべき価値のある一冊といえよう。


<初出情報>

■bk1書評「「日本の武士道精神とユダヤの人生哲学」には非常に共通するものがある」投稿掲載(2010年1月5日)
■amazon書評「「日本の武士道精神とユダヤの人生哲学」には非常に共通するものがある」投稿掲載(2010年1月5日)
 

<書籍情報など>

 私が読んだのは単行本だが、『驚くほど似ている日本人とユダヤ人』(中経文庫、2008)というタイトルで文庫化されている。

 単行本タイトルにある「大使が書いた・・」とは、その昔、イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』(角川文庫、1971)というベストセラーがあったので、それをもじったものだろう。現在では、イザヤ・ベンダサンとは、評論家でキリスト教関連書籍の出版者オーナーであった山本七平の覆面であることは、現在では周知の事実である。事実関係の間違いも多数あると指摘されている。

 本書自体は、正真正銘のユダヤ系イスラエル人が書いたものである。出版されてすぐ読んでいるが、また最近パラパラとみているうちに、思わず引き込まれて結局全部読んでしまった。


 単行本出版当時は著者は在日イスラエル大使であったが、現在はテラリム・グループ(Tlalim Group)極東代表。イスラエル松濤館空手道協会名誉会長。

 著者略歴は、1949年エルサレム生まれ。イスラエル・ヘブライ大学数学・物理学科、ロンドンテームズヴァリー大学でM.B.A.取得。

 先祖は、コーヘン(祭司:Cohen)の家系であり、エルサレムの第二神殿破壊以後、チュニジアのジェルバ島で2500年以上過ごす。イスラエル建国後、父親の代にコーヘン・ファミリーはイスラエルに帰還した。


 なお「日猶同祖論」の「日猶」とは日本人と猶太人(ユダヤ人)の略で、「日猶同祖論」とは、イスラエルの失われた十支族の一つが日本にやってきて、日本人の祖先となったという、まあ都市伝説の類の「妄説」であるが、日本とイスラエルの双方に、その主張を信奉している人たちがいる。

 しかしながら、偶然の一致とはいえ、日本人とイスラエル人(ユダヤ人)には共通性も多いことは否定できない。民族宗教のユダヤ教と同じく民族宗教の日本の神道(しんとう)は、さまざまな点でよく似ていることも確かである。詳しくは本書を直接読むといい。著者は、すでに書いたように、コーヘンという祭司の家系に生まれた人である。日本なら神道の神官の家系、となろう。

 しかしこの話題は語り出したら切りがないので、ここらへんでやめておこう。

 実際は、両民族には、かなり相違点も多いことは強調しておく必要がある。

 イスラエルでは人口比でみたら、日本以上に各種の日本武道が普及している国であるという事実。空手も、柔道も、合気道も、どんな小さな町にも、必ず一つは道場があって、老若男女が日々稽古に励んでいるという。これは実に驚くべきことだ! 私自身、合気道をやってきたので、その点にかんしては、イスラエルには大いに親近感を感じるのだ!

 参考のために、テル・アヴィヴの合気道場のウェブサイトを再び紹介しておこう。この道場のIntegral Aikido Tel Avivプロモーション・ビデオがある。残念ながら,私はまだこの道場を訪問したことはないのだが。

 これで、皆さんも少しはイスラエルに関心をもたれただろうか?

 詳しく知りたいと思う人は、このブログで以前執筆した記事もご覧いただけると幸いである。『イスラエル』(臼杵 陽、岩波新書、2009)を中心に、現代イスラエルを解読するための三部作を紹介。その記事で取り上げた『イスラエル』(臼杵 陽、岩波新書、2009)はぜひ一読を薦めしたい。



   


 
PS 読みやすくするために改行を増やし、あらたに<ブログ内関連記事>を加えた。 (2014年2月5日 記す)


<ブログ内関連記事>

書評 『日本近代史の総括-日本人とユダヤ人、民族の地政学と精神分析-』(湯浅赳男、新評論、2000)-日本と日本人は近代世界をどう生きてきたか、生きていくべきか?
・・日本人とユダヤ人の共通点と相違点

『ユダヤ教の本質』(レオ・ベック、南満州鉄道株式会社調査部特別調査班、大連、1943)-25年前に卒論を書いた際に発見した本から・・・

書評 『命のビザを繋いだ男-小辻節三とユダヤ難民-』(山田純大、NHK出版、2013)-忘れられた日本人がいまここに蘇える

書評 『ユダヤ人が語った親バカ教育のレシピ』(アンドリュー&ユキコ・サター、インデックス・コミュニケーションズ、2006 改題して 講談社+α文庫 2010)
・・日本人とユダヤ人の共通点と相違点

書評 『ユダヤ人エグゼクティブ「魂の朝礼」-たった5分で生き方が変わる!-』(アラン・ルーリー、峯村利哉訳、徳間書店、2010)
・・ユダヤ人の人生哲学

本の紹介 『ユダヤ感覚を盗め!-世界の中で、どう生き残るか-』(ハルペン・ジャック、徳間書店、1987)
・・日本人とユダヤ人の相違点に注目!

書評 『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』(ダン・セノール & シャウル・シンゲル、宮本喜一訳、ダイヤモンド社、2012)-イノベーションが生み出される風土とは?
・・日本人とユダヤ系イスラエル人の相違点に注目!

『イスラエル』(臼杵 陽、岩波新書、2009)を中心に、現代イスラエルを解読するための三部作を紹介

Pen (ペン) 2012年 3/1号(阪急コミュニケーションズ)の「特集:エルサレム」は、日本人のための最新のイスラエル入門ガイドになっている

『イスラエルのハイテクベンチャーから学ぶ会』」に参加-まずはビジネスと食事から関心をもつのがイスラエルを知る近道であろう

(2014年2月5日 項目として追加)







(2012年7月3日発売の拙著です)








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